『25時、赤坂で』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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つれづれなるままに日暮らし
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そこはかとなく書きつづれば
あやしうこそものぐるをしけれ

テレビ東京木曜24時30分のドラマ『25時、赤坂で』

 

 

ここ5年ぐらいで急増しているBL作品に対しては、「またBLか」といったような

 

コメントをしていることが多いのだが、別にBL作品が嫌いだと言っているわけではなく

 

何のひねりもなくただ男同士が裸で抱き合いキスをすればいいという安易な作品が嫌いなだけ

 

男同士が絡み合うだけでインパクトを残せる時代はとうの昔に終わっている

 

 

そういう意味で、今作はしっかりとストーリー性があり設定もきちんとした作品

 

駒木根葵汰と新原泰佑は、「昼のゆめ」というBLドラマに主演する俳優

 

ドラマの中で濡れ場を演じなければいけないが、新人俳優の新原泰佑は演技経験自体が乏しく

 

役作りのためにと、駒木根葵汰と2人で食事をし、キスをしたり、ベッドで過ごしたりと

 

プライベートで劇中の恋人のような濃密な時間を共にする

 

 

新原泰佑にとって駒木根葵汰は、大学の映像研究会時代から憧れの先輩俳優

 

一方、駒木根葵汰にとっても、新原泰佑は演技に全力でぶつかるきっかけを作ってくれた恩人

 

お互いに相手のことを慕う気持ちを持ちながら、自分のわがままな思いをぶつけることができず

 

そこに「役作り」という理由があることで、相手のその気は無くても今だけの恋人気分を

 

味わうことで満足しておこうと割り切る二人

 

ドラマの撮影が終わればこの関係は終了するという期限のあることで

 

2人が抱き合っていてもキスをしていても、どこかでせつなさが漂っている

 

 

特に、新原泰佑の方は、駒木根葵汰には忘れられない人がいるという噂を聞いてしまって

 

自分が受け入れられることは絶対にないと思い込んでいるので

 

ドラマのクランクアップと同時に冷静を装って意識的に駒木根葵汰と距離を置いたり

 

駒木根葵汰に抱きしめられても、「もう撮影終わったんでこんなことしなくていいんです」と

 

自分の気持ちを抑えている姿は、男同士だとしてもいじらしいことに変わりはない

 

 

映像の撮り方も、とりあえずドぎつい映像でインパクトをつけようというBL作品と違い

 

ちょっとしたところにもこだわりが見えて

 

ベッドシーンなどで、あえて窓越しだったりカーテン越しだったりと遠景を利用しているのは

 

純愛を描こうとしているように感じられた

 

最終回のラストも、二人がベッドのある2階に昇っていく姿を直接撮るのではなく

 

ガラステーブルに映る姿で見せ、2人の姿が消えたところでテーブル上のスマホに寄り

 

そこには「『昼のゆめ』続編決定」の連絡、小じゃれたエンディングだった

 

 

ということで、せっかく劇中の「昼のゆめ」も続編が決定したことだし

 

今作自体も続編を見てみたい気がしてくる

 

互いの気持ちを知り、正式に付き合いだした2人が、劇中の恋人同士をどう演じるのか

 

また、週刊誌のスキャンダルになったりする展開も想像できて

 

まだこの先にはいろいろなドラマが待っていそうだ