『不適切にもほどがある!』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

なにわの司法書士の徒然草

つれづれなるままに日暮らし
PCに向かいて
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そこはかとなく書きつづれば
あやしうこそものぐるをしけれ

TBSテレビ金曜22時のドラマ『不適切にもほどがある!』

 

 

宮藤官九郎氏の遊び心というのだろうか、おふざけというのだろうか

 

バカバカしさしかない作品で

 

そのバカバカしさに包み隠して現代社会への皮肉、批判を込めた作品

 

 

特に令和の時代で、阿部サダヲもテレビ局で働くことにしてしまうことで

 

テレビ番組への視聴者の批判を通して、委縮してしまったテレビへの叱咤激励をするあたりは

 

こちらもベテランのテレビっ子として応援したくなった

 

 

一方で、宮藤官九郎氏も、ストーリー性よりも話題性を重視する昨今のドラマに日和って

 

設定の辻褄が合わなかったり矛盾が山積みになっていても気にせず突っ走ったきらいがある

 

確かに毎週のようにネットニュースには今作の話題が多く上がっていたが

 

それがドラマとしての素晴らしさとは比例しないのが昨今のドラマ

 

毎回組み込まれたミュージカルシーンだったり、小泉今日子さんをはじめとする贅沢なゲストは

 

話題性をかっさらう目的以外の何物にも感じなかった

 

 

そういう目線で見ると、阿部サダヲ、仲里依紗、吉田羊、磯村勇斗、矢作兼と

 

『恋する妻たち』の主要キャストをそのまま持ってきたのも偶然ではなく

 

宮藤官九郎氏の策略と言って間違いないだろう

 

 

設定に関しては様々な疑問や矛盾を感じているのだが、あまりに数が多過ぎて

 

いちいち指摘する気にもならないほどだし、それをいちいち指摘しても

 

そんなに真面目に見てどうすると言われそうなので割愛

 

 

ただ一つだけどうしても吐き出しておきたい疑問

 

なぜわざわざ阪神淡路大震災を持ち出したのかということ

 

もともと東京にいた河合優実夫婦を神戸に引っ越させて、阿部サダヲに訪問させて

 

その明け方に震災によって阿部サダヲと河合優実が死んでしまうという設定

 

最初はタイムリープした時に未来の本人と会わないようにという苦肉の策とも思ったが

 

令和から昭和に来た吉田羊は幼少期の自分と会っているわけで、そこは気にしていない様子

 

ただただ感動のシーン欲しさに死んだことにしたようにも見えるし

 

そのために阪神淡路大震災という感動を呼びやすい災害を持ち出したことが許せない思いもある

 

 

いろいろと話題を振りまいた今作だが、一番の話題になったのは河合優実かもしれない

 

前半はきついメイクをした昭和のスケバンで、阿部サダヲが「娘がチョメチョメしちゃう」と

 

毎回心配するほどの尻軽キャラに描かれ、その時点でも「あれは誰だ」となっていたが

 

一度令和に行くことでファッションも髪型も令和風に変化して

 

そのギャップゆえにかなりの美人に映っていたのではないかと思うし

 

今後一気に映画やドラマのみならず、バラエティのオファーも増えるであろうと予想され

 

今作でのブレイク女優となることは間違いない

 

 

ただそうなると、既に昨年の『家族だから愛したんじゃなく愛したのが家族だった』で

 

当時無名だった河合優実を主演に抜擢したNHKとしては悔しいところ

 

これから売れていく河合優実の肩書は、「『不適切にもほどがある』の河合優実」であって

 

「『家族だから愛したんじゃなく愛したのが家族だった』の河合優実」とはならない

 

せいぜい、NHKの『あさイチ』や『土スタ』にゲストとして呼んで

 

『家族だから愛したんじゃなく愛したのが家族だった』の映像を流して

 

「こっちが先だ」とこっそり主張するしかないのだろう

 

 

しかも、河合優実が大人になって結婚する相手

 

令和の時代では歳を取って古田新太が演じていたが、結婚した平成の当時に

 

河合優実の結婚相手を演じていたのが錦戸亮

 

『家族だから愛したんじゃなく愛したのが家族だった』では河合優実の父親役で共演

 

こうなると、『家族だから愛したんじゃなく愛したのが家族だった』の映像を流す時に

 

河合優実と錦戸亮の父娘シーンがあっても、視聴者は今作を思い出すはず

 

二重に意味でNHKが悔しがっている様子が目に浮かぶ