『マルス-ゼロの革命-』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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テレビ朝日火曜21時のドラマ『マルス-ゼロの革命-』

 

 

ドラマの内容うんぬんを置いておいて

 

江口洋介が仕掛けたような、スマホのアプリにウイルスを仕込み

 

突然スマホの全ての機能を停止して使えなくするということはありえない話でもない

 

ちょっと話題のアプリがあれば無思慮にダウンロードする現代の若者であればなおさら

 

江口洋介の場合は、それを悪用しようということよりも

 

ウイルス除去ソフトを自社から提供して会社の評判を上げるという自作自演の英雄ごっこと

 

平和ボケした国民に危機意識を持たせるたことが目的ではあったが

 

これをただただ悪用して荒稼ぎしようという人間がいたって不思議ではない

 

かと言って、現代の若者は、仮にこのドラマを見たとしても「ドラマの中の話だし」と

 

何の危機意識も持たずに平々凡々と毎日を過ごすのだろう

 

まあ、世の中なんでそんなもんだ

 

 

『3年A組』の脚本家の武藤将吾氏が書き下ろしたこの作品

 

『3年A組』を思わせるように、フェイク動画だの籠城だの仲間の中からの犯人探しだのと

 

そもそも学校を舞台にするところから、あえて自分から比較されに行っているようにも見えるし

 

もしかすると武藤氏からネット民への挑戦状なのか

 

『3年A組』では、作中での実社会でもネット民を意識した作りをしていた武藤氏だけに

 

十分に考えられる気がする

 

 

最終回、道枝駿佑以外のマルスメンバーが放送室に立て籠もって板垣李光人がマイクで大演説

 

そこに警察が突入してきて抵抗の末に逮捕連行、それを阻止しようとする山口紗弥加と岩松了

 

ここにもし中島みゆきが流れてきたなら、まさに『3年B組金八先生』の伝説の回

 

もしそこまで意識してこのシーンを盛り込んだとしたらたいしたものだ

 

 

ドラマの内容の方は、もう少しはマルスによりよい世界を作ろうという高尚な理念が

 

あってもよかったように思うが、道枝駿佑が生徒たちを動画研究会に勧誘した理由も

 

江口洋介を目の敵にする理由も、全ては命を落とした1人の仲間の復讐に見えたのが残念

 

最終的にはそこに行きつくとしても、序盤はもっと江口洋介に関係ない問題を取り上げて

 

道枝駿佑が江口洋介以外の悪も退治するんだというところを見せて欲しかった

 

「革命」だと部員たちを焚き付け、結果的に泉澤祐希が命を落とすことになってしまったのが

 

個人的な恨みのためだと思うとちょっとやりきれない

 

 

最後の結末も、江口洋介は100%の悪人のままでよかったと思うのだが

 

未来を若者に託すべきだと考えてわざと道枝駿佑に負けただとか

 

なぜそうやって、「ちょっといい人」の余地を残してしまうのか

 

それが最近のドラマの潮流かもしれないが、悪は悪のままの方が正義が際立つはずだ