『大奥』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

なにわの司法書士の徒然草

つれづれなるままに日暮らし
PCに向かいて
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そこはかとなく書きつづれば
あやしうこそものぐるをしけれ

フジテレビ木曜22時のドラマ『大奥』

 

 

これまでの『大奥』のイメージとというと、昨年NHKで放送されたよしながふみ氏版の

 

男女逆転の『大奥』を除くと、女だらけの社会の中での醜い権力争いや

 

正室と側室の世継ぎ争いなど、女同士の骨肉の戦いで

 

女性の強さとともに陰湿さ、いやらしさを強調するような作品

 

登場する全ての女性が性格が悪く見えるような印象だった

 

 

『大奥』にそういうものを求めている視聴者からすると

 

今作はちょっと物足りないものだったのかもしれない

 

しかし、女同士の争いよりも、将軍と正室の愛、心の絆を描く今作

 

たまにはこんな胸キュンするような『大奥』もあっていいのではないだろうか

 

 

何より、小芝風花がまっすぐで優しくて愛にあふれ、それでいながら内面の強さも持つ

 

そんな御台所に描かれていたというのが今作の最大の特徴

 

これまでならば、どんなに大人しそうな女性でも、嫌がらせを受けてしまえば

 

対抗策を講じて悪魔にもなってしまうというのが『大奥』というものだったが

 

小芝風花は、どんなに嫌がらせをされようとも、文句を言ったりやり返したりもせず

 

一晩で300人分の懐紙入れを作ったりもするし、妊娠をしている時に

 

森川葵が茶に流産する薬を盛ったことさえも不問に付してしまう

 

 

お付きだった森川葵や西野七瀬が寝返って側室となってショックを受けてもじっと耐え

 

世継ぎを争うことになる二人の子供にも笑顔で接し、森川葵のピンチには手を差し伸べる

 

その真っ直ぐさ、清廉潔白さに嫌気を感じていた森川葵や栗山千明も

 

最終回には感謝の気持ちを表し、森川葵などは火に包まれた大奥にとどまって

 

亀梨和也の思い出とともに死のうとする小芝風花の前に笑顔で座り込み

 

「こんな最期もいいかもしれません」と運命を共にすることも辞さない思いを伝える

 

ここまで敵の気持ちまで変えてしまい虜にするほどの女性を『大奥』で見た記憶が無い

 

 

将軍の亀梨和也の寵愛ぶりもたいしたもの

 

今作を思い起こした時に、女性同士のいびり合いや怒った顔の女性たちよりも

 

亀梨和也と小芝風花が一緒に庭で花を見つめたり、夜空を眺めたり

 

二人で語らっているシーンの方が多く思い浮かぶのは確か

 

小芝風花を醜い世継ぎ争いに巻き込まないために逆に抱かないというわかりにくい人物だが

 

小芝風花の真っ直ぐな愛情表現に、森川葵や栗山千明と同じように亀梨和也も影響を受けて

 

次第に正面から向き合うようになっていき、2人の仲睦まじいシーンが増えていった

 

 

ラストの逆転劇も思いもよらぬ展開

 

権力を手に入れようと、次々と世継ぎを殺していく宮舘涼太

 

亀梨和也の口から、最後に1人残った西野七瀬の子供も亡くなったと告げられた時の絶望感は

 

計り知れないものがあったが、実は西野七瀬に城を出て行くよう命じたのも懲罰ではなく

 

子供を死んだことにして身を隠させてほとぼりが冷めるのを待つため

 

小芝風花と森川葵と西野七瀬の3人で三つ葉葵のように力を合わせて育てるよう言い遺し

 

無事その子が11代将軍に

 

大御台となった小芝風花は宮舘涼太を城から追放

 

亀梨和也の死後出産した女の子には2人で話していた通り「万寿」と名付け

 

とてもさわやかなハッピーエンド

 

 

ちょっと面白かったのは、ドラマが終盤に差し掛かった頃の出来事

 

木曜22時に放送される今作の開始2時間前

 

日本テレビの『ぐるナイ』で、小芝風花がレギュラーを務めるゴチに亀梨和也がゲストで出演

 

思わぬところで将軍様と御台様が共演することになった

 

単なる偶然とはいえ、同じ曜日の異なる局で、ドラマのメイン2人が共演とは珍しい

 

亀梨和也はドラマや映画の宣伝ではなく、プロ野球の開幕の宣伝だったようで

 

わざわざ宣伝する必要性は薄い気がするので、スタッフが敢えてキャスティングして

 

遊び心を出したようにも思えるのだが、真相はどうだったのだろう