『新空港占拠』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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日本テレビ土曜22時のドラマ『新空港占拠』

 

 

昨年の『大病院占拠』に続く占拠シリーズ第2作として制作された今作

 

オリジナル作品の場合、設定を凝ったものにしようとしてひねり始めると

 

おかしな方向に走り出したり、矛盾が生じたり、視聴者が疑問に思うようなことが生じたのに

 

それをきちんと処理しないままに話が進行したりと、もやもやすることが多く

 

昨年の『VIVANT』だって、個人的には解決されない疑問が多く残ったままだった

 

 

しかし、今作に関しては、これだけ大作にして視聴者に考察させるべく謎を振りまき

 

登場人物も多く、それだけエピソードも増えてしまうのに、これといった矛盾が生じていない

 

もちろん細かな疑問はあるものの、そういう考え方もあるという個人差で片付く範囲内

 

なかなかたいしたものだと感心

 

 

主演の桜井翔が口癖のように発する「嘘だろ」の言葉

 

今作では、『大病院占拠』で味をしめてしまったのか、やけにタメが長くて

 

ちょっとわざとらしかったが、まあそんなことを抜きにして

 

見ているこっちまで「嘘だろ」と言ってしまうような驚きの展開

 

 

まず、今作はあくまで独立の作品で、『大病院占拠』とのつながりは無いと思っていたので

 

『大病院占拠』で分析官を務めた宮本茉由、さらにはSISのリーダーの平山浩行が

 

次々とケモノのメンバーとして姿を現すという序盤の展開にビックリ

 

しかも、宮本茉由が今回の空港占拠のために、そのシミュレーションとするため

 

『大病院占拠』で菊池風磨に手を貸していたという事実

 

その菊池風磨も今作の空港占拠にも一枚かんでいるという絡みっぷり

 

とはいえ、ラストシーンで、まるで次作を予感させるように菊池風磨が誰かに電話

 

そこまで菊池風磨を重用しなくてもいいかなという気はする

 

 

そして、第1話の時点でケモノは10人だけで、十二支の2つが残っていて

 

おそらくSNSでの考察も激アツだったのではと想像されるが

 

個人的には、宮本茉由と平山浩行が早々に登場したことで

 

「警察内部にいるのでは」という当初の考察が頭から完全に消えてしまっていたし

 

頼り無さそうな存在だった白石聖がケモノの最後の1人だったことには

 

「嘘だろ」というよりは「やられた」という感じ

 

 

ケモノの仲間割れというのも今作の設定の上手さの一つ

 

確かに『大病院占拠』でも鬼の中での仲間割れというのはあったが

 

あくまでそろって病院を占拠して一緒に行動する中での分裂だった

 

今作では、事前の作戦を立てる段階での意見の食い違いでジェシーが単独行動

 

高橋メアリージュンの空港占拠を占拠するという二重の占拠まで発生する複雑な展開

 

穏健派の高橋メアリージュンに対して、人質を殺すことを目的とする自分を称して

 

「俺はケモノじゃない、ケダモノだ」という台詞、いい言葉を見つけたなと思う

 

 

空港を占拠して嘘を暴ければいいと思っている高橋メアリージュンに対して

 

ジェシーの目的が空港協議会の開かれるホテルの占拠だという最後の展開も予想外

 

結果的に、高橋メアリージュンたちが空港を占拠し、その空港占拠をジェシーが占拠

 

空港を占拠するという計画を利用してジェシーがホテルを占拠するという三重の占拠

 

正体を明かした白石聖が一時的に捜査本部を占拠したことを含めれば

 

今作では4つもの占拠が発生したことになる

 

 

最後のラスボスが奥貫薫さんだったというのも「嘘だろ」もの

 

『大病院占拠』で医師だった比嘉愛未さんが人質になったように

 

県議会議員の奥貫薫さんが空港に居合わせたのも仕方ないし

 

桜井翔の身内を人質に入れておくという必然性からとだけ思っていた

 

配信に連れ出されて「嘘を告白しろ」というのも比嘉愛未さんと同じ展開で

 

何の不思議にも思っていなかったのに、まさかケモノたちが追っていたヤマネコの正体

 

真の悪者が櫻井翔の身内だったという結末はかなりの意外性

 

 

唯一しっくりこなかったのは、高橋メアリージュンと宮本茉由が双子だということか

 

いくら二卵性だとしても、さすがにちょっと無理があるのかなと思ってしまった