『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』 | なにわの司法書士の徒然草

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TBSテレビ日曜21時のドラマ『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』

 

 

日本テレビの『リバーサルオーケストラ』が放送されたのが昨年の1月期

 

同じように市民オーケストラの再生を描くストーリー

 

こうした同じような題材が重なる偶然が起こってしまうのもドラマ界の面白いところ

 

 

『リバーサルオーケストラ』では、かつて天才と言われたバイオリニストの門脇麦が

 

オーケストラに参加することと、高名な指揮者の田中圭の招聘があいまって再生を図るが

 

今作では、天才指揮者と言われた西島秀俊さんの復帰1点での勝負

 

その点では、中学の吹奏楽部の話ではあるが、90年代の『それが答えだ」に近い

 

 

ここに「親子」とか「夫婦」を絡ませるのは『日曜劇場』らしいところ

 

メインは、西島秀俊さんと芦田愛菜の親子の確執とその再生

 

5年前までバイオリンを弾いていた芦田愛菜が、今では大の音楽嫌いになった理由

 

まだ明確には描かれていないが、西島のせいで音楽が嫌いになったという台詞に

 

コンクールから抜け出して事故に遭ったという話に、控室でドアを強く叩く音に怯える姿

 

それを機に石田ゆり子さんは芦田愛菜と大西利空を連れて日本に帰国

 

西島秀俊さんも指揮者を辞めることになり、家族の時計がそこで止まってしまっている

 

 

西島秀俊さんは、3か月後の廃団が決まったオーケストラで指揮棒を振ることを決断

 

一歩踏み出すことになったわけで、残るは芦田愛菜

 

市役所勤務、市民ホールの担当ということで、これからも身近でオケに関わる立場

 

第1話でも、コンサートの途中からホールに入って来ると、一応は最後まで聞いている

 

しかし家に帰ると、怒った調子で「あの人は何も変わってない」

 

西島秀俊さんのことを「あの人」ではなく「お父さん」と呼ぶ日はいつ来るのか

 

芦田愛菜がオケでバイオリンを弾くなんて日も来るのだろうか

 

中学時代にマンドリン部に入っていた芦田愛菜が、楽器を弾く姿を見てみたい気持ちもある

 

 

シンプルそうな「親子」に比べて、「夫婦」の方は何やら複雑な様子

 

フランスからの画家の仕事のオファーがあるからと、西島秀俊さんを帰国させた石田ゆり子さん

 

子供の世話を代わりにしてもらうためという理由は嘘で

 

指揮者が辞めて困っているオケで、西島秀俊さんに指揮者をさせるためだということは

 

すぐにわかったが、事態はそれだけに収まらず

 

オケの団長の玉山鉄二がコンサートを終えて家に帰って来ると

 

そこで料理を作って労う声をかけているのは石田ゆり子さん

 

顔が映った時に流れる『運命』のメロディは、視聴者の衝撃そのもの

 

なるほど、オケだけでなく市役所勤務の玉山鉄二が、展覧会などを通じて石田ゆり子さんと

 

知り合う機会はあったし、困っている玉山鉄二のために石田ゆり子さんが

 

5年間全く連絡をしていなかった西島秀俊さんに電話をかけて帰国させたのもありえる話

 

 

とはいえ、こんな身近にいれば、当然西島秀俊さんや芦田愛菜、大西利空に会うこともある

 

フランスに行ったと嘘をついたことで、こちらの親子にも亀裂が入りそうだし

 

タイトルの『さよなら』は、西島秀俊さんとオケの面々とのことだと思っていたが

 

西島秀俊さんに『さよなら』を言うのは、芦田愛菜でもなく、石田ゆり子さんなのかもしれない

 

 

芦田愛菜は、昨年の『最高の教師』に続く連続ドラマのレギュラー出演

 

中学高校時代にはほぼ連続ドラマには出演していなかったが

 

やはり高校卒業を機に、連続ドラマのオファーも解禁したということなのだろう

 

一気に社会人になってしまっていることに違和感を抱える一方で

 

勝手な親目線で、まだ誰かと付き合ったりする設定は止めて欲しいななんて思ってしまう

 

 

第1話の終盤に登場した當間あみは、『最高の教師』で芦田愛菜の一番の理解者だった同級生

 

今作では、コンサートを見に来た女子高生ということで今後どう絡んでくるかわからないが

 

コンサートに来た當間あみを、受付をしていた芦田愛菜が案内する2人の姿が

 

『最高の教師』で互いの気持ちをぶつけ合っていた姿に重なって、なかなかエモい光景

 

 

オーケストラには、玉山鉄二の他にも、新木優子、宮沢氷魚、津田寛治が所属

 

1話ごとに誰かをフィーチャーしてエピソードを描く展開になるのだろうが

 

第1話のそれが、ちょっと格落ちの久間田琳加だったこと

 

そして、久間田琳加の想いが西島秀俊さんの指揮者復帰を決断させたことにちょっと驚き

 

これまでは、モデルの久間田琳加がドラマに出ているという見られ方だったのが

 

女優の久間田琳加として認められたような印象を受けた