『おっさんずラブ-リターンズ-』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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つれづれなるままに日暮らし
PCに向かいて
心にうつりゆくよしなしごとを
そこはかとなく書きつづれば
あやしうこそものぐるをしけれ

テレビ朝日金曜23時15分(関西では24時24分)のドラマ

 

『おっさんずラブ-リターンズ-』

 

 

「元恋人と今の恋人とのバチバチ」、「死んだ恋人に瓜二つな人との出会い」

 

「気持ちを内に秘めたまま側で支える関係」

 

ラブコメによく使われる設定だが、これが全て男同士、おっさん同士というのが今作の妙

 

 

前作では、吉田綱太郎さんと林遣都による田中圭の奪い合いの物語だったが

 

田中圭と林遣都が同棲を開始した今作

 

元カレの吉田綱太郎さんが家政夫として家に出入りし始め、林遣都と嫁姑のバトル

 

隣に越してきた井浦新には田中圭そっくりの元恋人

 

井浦新が死んだ元恋人を今でも思っていることを知っていながら、一緒に暮らし

 

復讐に燃える井浦新を甲斐甲斐しく支える三浦翔平

 

それぞれが主役を張れるような5人の名優が、真剣に『おっさんずラブ』を繰り広げる姿

 

やはり笑わずにはいられない

 

 

ただ、田中圭の林遣都に対する思いが揺るがなかったので

 

三角関係の駆け引きが描かれなかったのが前作よりもトーンダウンした印象

 

吉田綱太郎さんの気持ちも、もっぱら林遣都に対する対抗心として現れてまさに嫁姑の争い

 

ということは、既に田中圭を息子のような存在として愛しているという達観した気持ちに見えた

 

 

そのせいで少しエピソードが足りなくなったのか

 

終盤には吉田綱太郎さんの余命宣告という衝撃事実を持ってきた

 

本来ならば、その前の田中圭と林遣都の結婚式でハッピーエンドの大団円というのが

 

スマートな終わり方だったのだろうが、終盤のスポットが吉田綱太郎さんに向いたのは

 

ちょっと残念な展開ではあったが、そのあたりも最終的には

 

「余命宣告」が「嫁がイカゲーム2」の聞き間違いだったというしょうもないオチで

 

ラストは田中圭と林遣都をみんなで囲み、写真撮影で「家族写真のようだ」のハッピーエンド

 

 

前作でもいろいろとお遊びのパロディが盛り込まれていたが

 

今作では、ぎっくり腰になった林遣都の父親を田中圭が世話をしに行くという回の副題が

 

「お尻を拭くまで帰れま10」という強引さだったり

 

最終回にいきなり田中圭の営業風景になって「嘘がつけないんです」と

 

『正直不動産』の山下智久の決め台詞を、現在放送中の他局の作品をパロディにしたり

 

ちょっと素直に笑えなかった気がする

 

 

これが完結編だったのかどうかはわからないが、『おっさんずラブ』の連続ドラマがあり

 

劇場版があり、そして今作といい流れで続いてきただけに

 

どうしても『おっさんずラブ in the sky』の異質感が際立ってしまう

 

あの作品、どうせなら全く別キャストで作った方が良かったのではないか

 

もし『in the sky』を生かすのであれば、今作も続編ではなく

 

また全然設定を変えての田中圭と吉田綱太郎さんの物語でもよかったのではないか

 

そんなことを考えてしまった