『夫婦の秘密』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

なにわの司法書士の徒然草

つれづれなるままに日暮らし
PCに向かいて
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そこはかとなく書きつづれば
あやしうこそものぐるをしけれ

BS-TBS木曜23時のドラマ『夫婦の秘密』

 

 

今作を見てふと思い出したのが『あなたには帰る家がある』という作品

 

主要キャストがみんな嘘や秘密を抱えたり人間的に欠陥があったりする中で

 

「不幸が一番似合う女優」とまで言われて、「悪」とは縁遠いイメージだった木村多江さんが

 

実は一番狂気をはらんだ悪女だったというのが非常に印象的だった記憶

 

 

今作でも、主演の臼田あさ美は、どちらかというと清純派に分類される女優だろうし

 

それほど悪役を演じていた印象も無かったが、メインキャスト全員が秘密を抱えた今作で

 

終わってみれば一番狂った人物だったように思える

 

途中まではかなり悪女に映っていた剛力彩芽も、完全に臼田あさ美の手のひらの上で

 

踊らされていただけだった

 

 

第1話から何度も描かれ続けた夜の山の中で穴を掘って人を埋めるシーン

 

誰が誰を埋めているのか、終盤までほとんど明らかにされておらず

 

全員が怪しく描かれた今作では、誰が埋めていても、誰が埋められていてもおかしくなかったが

 

まさか臼田あさ美と剛力彩芽、山下幸輝の3人で、臼田あさ美の夫の豊田裕大を

 

埋めることになったというのは意外ではあった

 

確かに考えてみれば、知名度のある出演者が、臼田あさ美、剛力彩芽、宮本真希ぐらいなので

 

臼田あさ美が犯人なのかなという予想はあったが、埋められるのが夫というのが予想外

 

剛力彩芽が埋められるのが有力だったが、まさか埋める側に立っているとは、という感じだ

 

 

それにしても臼田あさ美の冷徹な悪女ぶりは印象的

 

剛力彩芽のように感情を爆発させて悪態をつくよりも、落ち着いた口調でいながら

 

平気で恐ろしいことを口にしたり、他人を悪に引き込んだりする方ははるかに恐ろしい

 

人工呼吸器をつけた夫の世話に疲れた剛力彩芽に、自分が子供の頃に弟の人工呼吸器を外して

 

死なせた経験を語り、事故に見せかけて剛力彩芽に人工呼吸器を外させておいて

 

警察沙汰になったら「あなたが勝手にやったこと、私は自分の経験を話しただけ」と素知らぬ顔

 

臼田あさ美をかばった豊田裕大を剛力彩芽が刺した時には

 

救急車を呼ぼうとした剛力彩芽を制し、そのまま自分の膝の上で息を引き取らせ

 

豊田裕大が嘘を抱えて生きるには弱すぎたからこれが自分の愛だと平然と言いのける

 

こうなると、剛力彩芽が自分を刺そうとした時に、豊田裕大が陰に隠れていることも

 

そういう場面になれば飛び出してくることも、わかっていたかのようにも思えてくる

 

剛力彩芽が臼田あさ美に対して数々の嫌がらせをしていたことを告白した場面でも

 

全てわかっていて嬉しそうにしている剛力彩芽を見て楽しんでたと高笑いで勝ち誇るし

 

豊田裕大を埋めた翌朝に、平然とコーヒーを飲みながら協力してくれてありがとうと

 

言えてしまうとか、主人公とは思えないキャラクターだった