『となりのナースエイド』 | なにわの司法書士の徒然草

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日本テレビ水曜22時のドラマ『となりのナースエイド』

 

 

今作で主演の川栄李奈

 

いまだにAKB48時代の、『めちゃイケ』などのバラエティ番組で

 

ヘラヘラ笑っている姿のイメージで見てしまうのだが

 

朝ドラ『カムカムエブリバディ』でトリプルヒロインの一角を務めたことを考えれば

 

こうしてプライムタイムの連ドラに主演するというのも自然な流れなのだろう

 

 

川栄李奈が演じるのは新米ナースエイド

 

聞き慣れない名前だが、患者の食事や排せつの世話などナースのサポートをする仕事らしい

 

かつての医療ドラマといえば外科医か看護師が主人公で

 

医者の診断や治療方針に口を出すのもライバル医師や看護師というのが定番だった

 

それが最近は、『ラジエーションハウス』の放射線技師や『アンサングシンデレラ』の薬剤師と

 

医師免許をもたない者が主人公の作品が出始め

 

そして今作は看護師のようだが看護師ではなく、一切治療行為のできないナースエイドが主役

 

単に医療ドラマと言っても、その幅はかなり広がってきている

 

 

常に笑顔で明るく元気に立ち振る舞う川栄李奈は、吉住に「前向きバカ」と名付けられるぐらい

 

雰囲気としては『ナースのお仕事』の観月ありさを思い起こさせる

 

一方で、部屋には大量の医学書や『ブラックジャック』の漫画が散乱するほどの医療オタク

 

来院者の痛がる様子や入院患者のわずかな変化から勝手に診断し、医者に検査を指示したり

 

結果、医者や看護師には煙たがられる存在になっている

 

 

そんな中で、ただ一人川栄李奈の発言に耳を傾けるのが天才外科医の高杉真宙

 

番宣で大まかな設定だけを聞いた時は、川栄李奈と高杉真宙は最初は反発し合っていて

 

次第に理解するようになって距離を縮めていくというお決まりのパターンかと思ったが

 

全く逆の意外なスタートなのが興味を惹く

 

天才だけに、信頼に値する者であれば、医者や看護師の資格など関係なく

 

誠心誠意耳を傾けるということなのだろう

 

手術室に川栄李奈が乱入してきたときにも、怒鳴って追い返そうとする小手伸也の方を一喝

 

川栄李奈の話から正しい診断を導き出し、患者の命を救うことになる

 

 

2人は偶然にも寮の隣の部屋

 

そういえば『ナースのお仕事』の頃は男子寮と女子寮に分かれていたが

 

このあたりも男女平等の精神の現れなのだろうか

 

川栄李奈は医療オタクであると同時に医者オタクでもあり、もともと高杉真宙は『推し』医師

 

ラブコメなら間違いなく恋が芽生える展開なのだが、この作品、そう一筋縄ではいきそうにない

 

 

第1話のラストで、手術が成功したのはお前のおかげだと高杉真宙が川栄李奈に言い

 

その医療知識に「なぜナースエイドをやっている、お前は何者だ」というシーン

 

当然、「ただのナースエイドです」とか「医療オタクです」といった台詞を待っていたら

 

川栄李奈の答えは「私は人殺しです」

 

そして、冒頭と同じように、雨の中で手を血に染めて泣き叫ぶ川栄李奈の姿が映し出される

 

横で倒れている女性のネックレスは、今では川栄李奈の部屋に掛けられている

 

血に対して抵抗がありそうなのも、その時のトラウマがあるのだろう

 

この場面が、川栄李奈がナースエイドを目指す理由以外のどんな意味があるのか

 

そして、川栄李奈の様子を陰で見ている上杉柊平が何者なのか

 

どこかミステリーの要素も感じさせる作品になっている

 

 

川栄李奈が勤務する病院の病室は、これまでのような真四角ではなく円形に近く

 

6つのベッドが円形に並べられている作りになっている


確かにこの方が、入口から全てのベッドが見渡せるし、世話をするためのスペースも広く取れる

 

非常に合理的な作りだ

 

さすがに現実の病院でこのベッドの配置にするにはスペースに対する病床数が少なくなって

 

難しいのだろうが、患者ファーストでこれを真似する病院が出てきてもおかしくなさそうだ