『パリピ孔明』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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フジテレビ水曜22時のドラマ『パリピ孔明』

 

 

ドラマ内で歌手がデビューしたりするストーリーでは

 

劇中の役名で音楽番組に出演し、劇中で歌っている曲を歌うことはよくあること

 

今作もご多分に漏れず、上白石萌歌が音楽番組に「EIKO」として登場

 

もともと上白石萌歌は、アーチストとして「adieu」という別名でも活動

 

3つめの名前を手にすることになった

 

 

その音楽番組、楽曲の「DREAMER」を作詞作曲した幾田りらとの出演となったが

 

この「DREAMER」はなかなかの名曲

 

特に、八木莉可子らの3人組ユニットとの対決の場で歌った場面は

 

そのときの状況や八木莉可子たちの心情にぴったりとはまっていて

 

涙が芝居抜きのものなのかと思うほどの名場面

 

ドラマ中の歌唱シーンには珍しく下に歌詞にテロップが入り

 

バックには八木莉可子ら3人の高校時代からの回想シーンと音楽番組でも見ているよう

 

 

音楽番組出演のタイミングも、この場面が放送される前日の出演で

 

先に音楽番組で初披露、期待感を高めての劇中での熱唱

 

現実の世界のスタッフには、諸葛亮孔明以上の策士がいたようだ

 

 

この「DREAMER」、劇中にとどめておくのはもったいないほどの名曲だと思うのだが

 

一方で、この曲を「adieu」名で歌うわけにはいかないのだろう

 

年末の音楽祭などの番組で「EIKO」として歌うことがあるのか、少し期待したいところだ

 

 

もう1曲の「タイムカプセル」の方は、劇中で最初に作っているときと

 

最終回のフェスで歌っているときで全く印象の異なる楽曲になっていて驚き

 

フェスでは、間奏でそれまで無かった宮世琉弥のラップが入る

 

その場面まで、裏方の仕事はしてもラッパーとして上白石萌歌のステージに役立った場面がなく

 

なぜラップバトルのチャンピオンを仲間に引き入れたのかがわからずにいたが

 

このワンシーンのためだったとは大きな前フリだ

 

 

八木莉可子の存在も今作の中では光っていた気がする

 

春に放送された『おとなりに銀河』のヒロイン役でほぼ初めて認識したが

 

この秋から『アナザースカイ』のアシスタントにも就任、CMでも顔を見かけるようになり

 

今作でも、基本的には上白石萌歌とフェスの出演を争う中盤の数話のゲストだったが

 

2人で駅前で路上ライブをしている様などがやけに印象に残った

 

滋賀県出身ということを知って余計に応援したくなった部分もある

 

 

まあ、ストーリー自体は予想通りの展開に終始した感は否めない

 

『パリピ孔明』というタイトル、諸葛亮孔明が現代日本に転生して来たという設定

 

注目を惹くポイントではあったが、向井理の出で立ちは終始古代中国のもので

 

パリピ感は一度宮世琉弥とラップバトルをしたぐらいのものか

 

そのラップバトルも、向井理のそれはラップというよりお経を唱えているようで

 

パリピ感にはほど遠かった

 

 

ちなみにこのラップ、中国の漢詩を唄っていて、確かに漢詩は韻を踏むのがルールのようなもの

 

その点でラップと共通する部分があるのだが、でもそれを日本語で詠んでしまっては

 

漢詩本来の韻もあったものではない、こういう部分も残念

 

 

また、当初から思っていたが、「転生」とは生まれ変わりなのに

 

過去の出で立ちのままでは、やはりただのタイムリープでしかない

 

過去の記憶を持っていること、元の時代に戻ってしまうかもという可能性

 

それも全て「転生」ではなくタイムリープのそれ

 

看板と前評判が大げさすぎて、内容がそれを越えられなかった感は否めない

 

 

そういう肩透かし感が先行してしまったせいか

 

向井理が思考中に頭から煙を出すような演出も、コミカルというより陳腐に感じてしまうし

 

回を重ねるたびに向井理の扮装のコスプレ感が増してしまった印象

 

 

最終回になって、CMにアニメの『パリピ孔明』の諸葛亮孔明がいきなり登場

 

何のCMとのコラボなのかと思ったら、来春の劇場版『パリピ孔明』の宣伝

 

ドラマ中のCMで、実写映画の劇場版を宣伝することはよくあるが

 

アニメ版の宣伝をすること以前に、同じ作品が劇場アニメになるということ自体見たことがない

 

『Road to Summer Sonia』の副題が付いているということは

 

もしかするとこのドラマ版と同じ部分を描くことになるのだろうか

 

だとすれば、協力関係にあるというよりも、同じストーリーをドラマとアニメで

 

どちらが面白いかを競っているようにも感じる

 

まあそれも、上白石萌歌が次々と他のアーチストと競い合って成長する今作に

 

ふさわしいのかもしれない

 

 

ちなみに、原作の漫画は知らないが、このCMを見る限り諸葛亮孔明の口ひげは八の字

 

なぜ向井理は一文字のひげにしたのか、ちょっとした疑問が生じた

 

やってみたが似合わなかった、格好悪かった、というのが考えられる一番の理由だが

 

真相はいかに、といった感じだ