なぜか今年、年間ベストアルバムの発表が早いような気がします。


音楽雑誌もそうだし、音楽サイトやブロガーさんの発表も。


ロッキングオンが1号早めて、12月1日発売の号で発表することにした影響なんでしょうか。

ロッキングオンの発表よりも早く載せることを意識してるのか。


何が目的なのかよくわからないけれど、競争する意味あるのでしょうか。

それとも自分のところは、大手雑誌の影響は受けてないんだぜ表明でもしたいのかな。


だって、11月中に発表すれば確実に12月リリースのアルバムは対象外になるし、11月発売のアルバムだって、十分に聴きこんでの対象とはなりにくい。


ロッキングオンだって、12月1日の発売を考えると、校了前に合意が取れて内容がかたまっていなければならないので、11月早々には概要が決まっているはず。

スケジュールが早いはずのカラーの表紙にも印刷されてるしね。


音楽ジャーナリズムは、発売前のけっこう早いタイミングで音源を手に入れることができるから、一般人よりも早く聴き始めてるアドバンテージがある。


それに音楽雑誌のベストアルバムは、リリース元にとってみても、年内の売り上げ、とくにクリスマス商戦の売り上げに影響するだろうから、できるだけ早く出してほしいという商売の理屈にも左右されてるだろうし。


そんな事情と一般人が競っても仕方ないし、対象となる音楽を十分に聴けなくなるだけじゃないのかなあ。


すでに年末まで見通してみても、自分の欲しい聴きたいアルバムは出切ってしまったから、このタイミングで決定OK、とすることはあるのだろうけど。


それでも、思いがけぬところから予想外にいいアルバムが出現、ということもよくある話。


自分もそれでしまった、と思ったことが多々あり、自分の反省としても。


好きな音楽でベストアルバムを選ぶのも、発表するのも、とってもパーソナルな行動だから、他人が別にどうのこうのいう必要もないし、言われる筋合いもないのだけれど。


でも、音楽はあせって聴いても仕方ないし、急いで発表をするためにちゃんと聴かないってのは、音楽が可哀想だから。

さすがに今は年齢的に活動を止めているだろうけれど、この時期の彼女の歌は世界でもトップクラスだったと思います。
いや、世界でも孤高の存在かな。

吉田美奈子

オリジナルアルバムももちろん素晴らしいけれど、この人の本領はライブであることが良くわかる。

並の歌のうまさのボーカリストなど何百人が束になっても敵わない、この存在感。
オペラ歌手など、テクニックでは上を行く人はいるだろうけど、歌の力ではかなうまい。




大好きな歌。ドラムスは、村上ポンタ秀一です。



http://youtu.be/yTqI7aQLPOQ

聴くこと自体が快感で、至福。
このアルバムには感心しました。

Spoon の8作目 "They Want My Soul"

They Want My Soul/Spoon

¥1,653
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目と心を見開かせてくれるアルバム。

まず惹かれるのは、音です。
限られた音数だけれど、特別な音を出しているわけでもないけれど、不思議とどの音も毅然としている。

そして、良く練られたメロディライン。
曲ごとに明確なサウンドスケープ。
贅肉がまったくついていないかのような音の組み立て。

かといって行き過ぎた多幸感だったり、メジャー感たっぷりのスタジアムロックになったりはしない。
良い意味でのインディ感を忘れない音楽へのスタンス。

揺るがない、確信に満ちたロック。

時代を引っ張ったり、新しい音楽の兆しを見せてくれるタイプのロックではないけれど、自分にとって確実に必要と思われるロック。

不安で気持ちが揺れる時、体調が芳しくない時、疲れ切った時、この音楽でけっこう救われた。

これ以上の言葉は不要。
後は聴き続けるだけ。

素晴らしい。









ここしばらく良く聴いているデジタル系音楽。

どれもミュージシャン名がAで始まるため、ウォークマンの再生リストの上位に顔を並べてきます。
だから選びやすくて良く聴くという一面もあるのかな。

The Acid "Liminal"
Liminal/The Acid

¥2,307
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Aphex Twin "Syro"
【Amazon.co.jp限定】Syro [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] 特.../BEAT RECORDS / WARP RECORDS

¥2,484
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Arca "Xen"
Xen [帯解説・ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP178)/Mute / TRAFFIC

¥2,268
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共通するのは、強制的デジタルビートがメインではないこと。
サウンドスケープの構築が生命線になれる。
アナログ系の楽器では創りだせない感性に溢れた音楽。

Arca に感じるのは、不思議に「和」の世界。
ほとんどリズムレスなのと音階レスが、日本の古典音楽に通じるところがあるのかもしれない。
三者の中では、もっとも無定形に近い音楽。

Aphex Twin は、聴きこみ甲斐のある繊細な創り込みが魅力。
音を銃弾の様に跳ね回らせ、打ち込んできます。
比較的古典的なデジタルミュージックのフォーマット。

The Acid は、少ない音数の組み合わせと重ねるタイミングのズレで、冷ややかな空間をうまく創り上げている。
歌が入っているだけ、もっとも温度感を感じます。

しかしどれも、脳と感性をかき回して絶句させるほどのインパクトには乏しい気がします。
昔聴いたあれに似てるなとか、あのミュージシャンのサウンドスケープを取り入れてるな、とか、あんまり新しいことに挑戦しないで確実な線を狙っているな、とか。

どれも期待が大きかった反動があるのかもしれないけれど。

少なくとも、 James Blake のデビューアルバムやYMO のBGM などがリリース当時に与えた強烈な衝撃は、あまり感じることができません。

非常にクオリティの高い作品たちだとは思うけれど。

こっち系の音楽で、different Tunes が鳴れば、とんでもないことになると大きな期待をしています。
まだ見ぬ新しい音楽の姿を感じさせてくれる音楽。

それはアナログ系の楽器だけではなかなか難しいのかもしれません。
それだけにデジタル系を操れるミュージシャンには期待しているのだけれど。



Pink Floyd 20年ぶりのアルバムが、全世界でものすごい予約状況らしい。


いったい誰が?

何を期待して?

そもそもピンクフロイドって、そんなにメジャーなミュージシャンだっけ?


正直、自分はまったく興味も魅力もありません、このアルバムには。

昔はムチャクチャ好きだったけれど。


ロジャー・ウォータースが抜けてから出したオリジナルアルバムは、ただのムードプログレか、プログレ風フュージョンだった。

今回のアルバムは、その時期に溜めてたデモ音源を基にしたもので、2012年には映画のスコアとして使おうと思っていたものらしい。


それを大げさに盛り上げて。

たくさんのオマケや特典をくっつけて。


前作2枚以上に薄味のムード音楽であることが明らか。

ジャケットも、ムード音楽であることを表明しているし。


そして、CDの帯や宣伝文句、空虚な言葉がたくさん並ぶんだろうなあ。

まるで去年のデビッド・ボウイの復活劇のようにね。


自分にとってはロジャーのいないフロイドはフロイドではない、ということもあるけれど、このリリースされるアルバムが、ピンクフロイドという冠がついていなければ、どのくらい音楽として魅力があるものなのか。


買う人、聴こうと思っている人は、そこをしっかり判断してほしい。


願わくば、リリースされること自体が目的であり、買うことがすべてであるような音楽ではないように。


自分は、買いません。