David Bowie のひさびさニューアルバムについて、改めて。

先行発売のシングル "Where Are We Now?" がなかなか色っぽいボウイが戻っていて、曲も美しくアルバムを期待させる、と書きました。

しかし、その後のトニー・ヴィスコンティのインタビューによると、あの曲だけが例外的でアルバム自体はかなりロックだ、ということ。

こりゃやばい。

この30年間、彼がロックをやるぞと宣言したアルバムで、よい結果が出たためしがあろうか。

ティン・マシーンといい、失敗例は枚挙にいとまがない。

少なくとも同時代に出る他のミュージシャンのアルバムよりも客観的に優れているとは、評価できなかったものばかり。

ボウイおたくや信奉者なら、出るだけで嬉しいんだろうけどね。

自己満足としたらそれでいいんでしょう。


自分はどんな好きなミュージシャンでも、リリースされた音楽の質はおろそかにすることができません。

むしろ好きなミュージシャンほど、その中身にはシビアになりたい。


明らかにエネルギーも創作力も落ちているボウイなんだから、もうロックというカタチで縛るのはやめたほうがいいんじゃないか。

この年齢で元気にロックやってるだけいいというのは、受け入れられません。


かといってただのポップシンガーになどなってほしくはないし、あのシングルには可能性が感じられただけに、とても残念。



その後何度も観たけど、Led Zeppelin の再結成ライブはやっぱり見ごたえがありますね。

ただこれは映像といっしょに、という条件付きだけど。

音楽単独でCDで聴くと、歴史的価値中心で、実はわりと締まりのないライブアルバムです。


ジェイソン・ボーナムはとてもいい仕事をしていて親父さんに引けをとらないでしょう。

ロバート・プラントのボーカルは、高域で無理をすることができないのが明らかだけど、中低域がしっかりしていてエネルギー感も十分なので、まったく不満を感じません。

改めてすごいボーカリストだと思いました。


問題はジミー・ペイジのギターなんですよね。

音は素晴らしい。

エッジが効いて、硬くて、Led Zeppelin の音の要であるにふさわしい。

ところが、弾けていない。

ド素人の自分にも明らかなくらい、細かいパッセージはすっとばすし、ソロも盛り上がりに欠け、大雑把なフレーズしか弾かない。ミスも多い。

というか弾けないんでしょうけど、Since I've Been Lovin' You なんて昔は情感たっぷりに素晴らしいソロをやってくれたのに、なんともあっさりとなんとか弾ききりました、というレベル。


このことが、このライブからテンションを削いでしまってるんですよね。

明らかに弾いていなかったんでしょう、しばらく。

ジェフ・ベックは、さらに磨きをかけているというのに。

ちょっと残念。


年齢というエクスキューズで終わらせたくないけど、グループとしてのパワー感は維持できてるし、音が素晴らしいので、自分的にはまあいいかなと。


Girls の奇跡は、ファーストアルバムのあの音にあったことがよくわかりました。

なぜ前作のセカンドアルバムが自分にはまったく響かなかったのか、その理由がよくわかりました。
彼が鳴らす音はフニャフニャで、まったく自分に刺さってこない。

Christopher Owens のソロアルバム、 "Lysandre"

リサンドレ/よしもとアール・アンド・シー

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もともと砂糖のように甘く春の日差しの様に切ないメロディライン、そして頼り無さげではかなげなボーカルが、クリストファーの強烈な個性だったわけです。
歌詞のことはこの際、触れません。
自分には評価のしようがないので。

そのメロディラインとボーカルは強い武器ではあるけれど、それだけではただのポップスシンガーソングライターだってことです。

どんな楽器で、どんなアレンジでバッキングして、どんなベクトルの音楽に仕上げるのか。

ファーストは、ロックをハードに鳴らすことで、素晴らしいロックアルバムとして成立した。
彼のメロディラインと音が融合して、素晴らしい化学反応が起きた。

セカンドは、ロックではあるけれど自分の本性に音が引きずられ、しまりのないロックアルバムになった。
ここではもう、化学反応は起きていない。

そして今回のソロ。
1回聴いたら十分です。
なぜソロになったのかは、わかったけど。
これがやりたかったんだね。
セカンド以上に、ダラダラしてしまりのない、薄味の音楽。
インストナンバーなど、聴くに堪えない。

今にして思えば、もう一人のメンバーが、Girls の良心だったのかもしれない。
脱退したのかクビになったのかはわからないけど、それが残念。
なんと David Bowie がニューアルバムをリリースするとアナウンスされました。
前作 "Reality" のリリースから10年が経ってますね。

$ノスタルジックなノイズたち

タイトルは、 "The Next DAY"
プロデュースはあの Tony Visconti 。

正直、自ら演じてきたペルソナを否定してから、Let's Dance 以降のボウイは聴き応えのある作品を創ってきたとは言えません。
それは前作も同様です。

それまで彼の作品から溢れてた色気が感じられないんですよね、曲にも、ボーカルにも。
彼の音楽の大きな魅力は、その色気だと思っているので。

今度のアルバムに先駆けてリリースされるこのシングルは、久々に色気を感じさせてくれます。
年齢とともに訪れた、然るべき「枯れ」や「達観」が呼び起こしたものなのでしょうか。

今までが中身スカスカながらもなんとかカラ元気出してやってきたとしたら、相応に足元と内面を見つめ、自然と溢れる音楽を表現しようとしているのかもしれません。

もうこの年になってアルバムをリリースしようなんて思い始めないで欲しいと思ってましたが、ちょっと楽しみな気がしてきました。

日ごろはJ-POPを始めとして、日本のロックやポップスをほとんど聴くことのない自分ですが、最近は少しずつその傾向が変わりつつあります。

サニーデイサービスなど自分のフォークロック好きを刺激するミュージシャンもいますが、もう一方でその中心にいるのは、自分たちの音楽を奏でようとするインディ系のミュージシャン。

単調だったり冗長だったりする部分もあるけれど、こういう音を出すミュージシャンが日本にも出てきたのが嬉しい。

なんと熊本県から、 Talk
デビューアルバムの "Waltz For Feebee"

Waltz for Feebee/talk

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シューゲイズ系の音や穏やかに始まりながら徐々にノイジーなギターで盛り上げる構成など、なかなかのもの。
ギターだけじゃなくて、独特のピアノの感触が彼らのオリジナル感を感じさせてくれます。

とはいえ、密度感や完成度においてUSインディにはまだまだ及ばないのが現状。

素材感の良さはしっかりあるので、自分たちのオリジナリティとして昇華していかれるかが勝負。

やっぱりどの国でもインディはいいものが多いし、自分のアンテナにビビッと反応するのもインディ系。

このあたりの考察は改めて。
AKB48が連続でレコード大賞を取りました。
まあ販売実績からいけばその選択肢しかないのはわかるけど、そんな音楽産業がほんとに情けない。

本来レコード大賞は、歌い手としての力を磨き、良い曲に恵まれ、結果として大ヒットにつながった歌手が受賞し、彼・彼女にとってはまさしく悲願だった目標といえるもの。

それがね。
本人たちも目指したこともないだろうし、他のことを目指していたら結果として転がり込んできた賞なわけです。

そして歌手と歌が受賞したんじゃなく、AKB48というシステムが受賞したわけで。
その中の誰が誰に変わっても同じで、その人が歌手やミュージシャンである必要もない。

レコード大賞を受賞することを夢見て、プロモーションと研鑚を続ける歌手たちから、輝ける目標を取り上げてしまった音楽業界。

すでに音楽業界は、マーケティングや仕掛けで売ることでしか利益が上がらなくなってるんでしょうね。

音楽の中身以外の欲望装置をいかに作り上げるのか。

そんなことばかりに汲々としている。

そういうことでしか音楽が売れない状況を自分たちで作ってきた。


昔からそんな傾向はいくつもあったけれど、ここまで露骨なものが、これだけの期間幅を効かせ続けた例も珍しい。

普通の歌い手を、音楽の将来を、根こそぎなぎ倒す竜巻のようです。


AKB48だけじゃなく、紅白見てても歌手と歌を入れ替えてもほとんど変わらない人達ばかり出てる。

まるでおじさん的意見丸出し気味だけど、どれも同じ顔して同じ曲調で同じような踊りを踊りながら、適度にアップテンポな明るめの曲をノリ良く歌ってる。
美輪明宏みたいに存在感があって、見応えのある人はほんの一握り。

そんな手法で作られた歌手たちは、誰も本当によく似ている。

大量生産大量消費で産み出された産業歌手。


すでに、このカードを引くことができないレコード会社は生きて行かれなくなってるんでしょうね。

一部の大手プロダクションと欲望装置に支配された、日本の音楽産業。


どんどん空虚になっていく。