「余裕を持ってサッサと準備しろ!」
威勢のよかったとき
が嘘のように
この日、父の身体は動きませんでした。
生まれたての小鹿のように
両脚がプルプルと震え、
洗面台の前で立って洗顔が出来ない。
母と私で支えました。
「ちょっと…待て…休憩…させろ。」
椅子に腰かけて歯磨き・整髪は出来ました。
玄関でも一苦労。
履き慣れたヒモ靴が、なかなか履けない。
足を持ち上げ、靴ベラを使い、
悪戦苦闘でようやく履けたものの
今度は、立てない。。。
玄関先だけで5分以上は格闘したと思う。
予約時間ぎりぎりに、病院到着。
優先駐車スペースはすでに満車。
母はエントランスに車を付けて
1人で上手に父を誘導できました。
母が車いすを押して診察室へ。
父の顔を見た先生
「ちょっと表情がしんどそうだね。」
私が福岡に帰り
母1人体制になることを伝えると
「レスパイト入院もできます。
急な御用事とかにも対応しますから
遠慮なくおっしゃってください。」
「ありがとうございます!!!!」
私は安堵感でいっぱいになり
肩の荷が楽になりました。
「れす…?なんですか?」
キョトンとする父と母。
「たみパパさん、
病院よりお家で過ごしたいよね?」
「はい。」
「わたしが同じ立場でも
1日でも長くお家で過ごしたいと思う。
それを叶えるために、
奥さんの介護をちょっと休憩させてあげよう。
そういうお泊り入院のことです。」
「家内には…休憩…させて…ますから」
いやいやいやいや!
そーゆーことじゃないから!!!
母と私が、黙って後ろから首を横に振るww
((((;゚Д゚)))) ((((;゚Д゚))))
あなたが思うよりずーっと大変です!!
どんだけお母ちゃんに甘えとんねん!!
帰宅後も、玄関から上がるのに一苦労。
15分くらい上がりかまちに座り込み、
這うように手すりにつかまって立ち上がり
ようやくベッドに戻れました。
母はポツンとつぶやきました。
「2週間くらいは1人で頑張れると思う。
でも、いよいよしんどくなってきたら
お泊り入院、考えとこうかな。」
ところがこの直後、
母の淡い期待を打ち砕く、大事件が勃発します。