●hachiの生い立ち
「ホワイトハッカー」は、多くの場合「昔はブラックのハッカー」である。
「悪の全てをやり尽くしたハッカー」が改心して「ホワイト」に変わる。
自分の場合も「御多聞に漏れず」である。
もっとも、それは「とても若い頃」の話だ。
●「駄菓子屋のばばあ」との闘い
小学校の3年か4年の頃、学校では相当の悪(ワル)だった。
駄菓子屋へ行くと、中から「ばばあ」が出てくる前に一瞬で仕掛けをする。
その「仕掛け」により「100パーセント当たり」が引ける。
太いタコ糸先に苺の形をした飴が付いている景品があった。
もちろん、「大当たり」は「大きなイチゴ飴」が付いている。
外れは「小さなイチゴ飴」だった。
だれでも大当たりを引きたいが、なかなか当たらない。
それでも「大当たり」が引きたいから、みんな「5円」、「10円」と引いていく。
「当たり」は全体の1/15ぐらいなので、なかなか当たらない。
駄菓子屋もずるく、当たりの飴の反対側に糸の出ていない物が半分くらいあった。
「インチキ」だった。
子供が指摘しても、ばばあは認める筈もない。
当時、正義感の強い自分は「仕返しをしてやる!」と名案を考え付いた。
駄菓子屋には、店に入る時に「く~ださいな~」と声を掛けて入る。
しかし、その「声」を掛けるタイミングを少し遅くする。
「く~ださいな~!」と声を発すると同時に、イチゴ飴の大当たり籤の景品側(大きな飴の方)を一瞬引っ張る。
タコ糸は引っ張られて反対側が短くなる。
(なぜか、黄色や緑の飴もあった)
だから、店の中でばばあに5円を渡す時には半分は「当たり確定」だった。
わざと1回外し2回目で当てるなど演技もしていた。
ただ、もともと当たりは糸が短くて反対側に出ていなかったか、自分が引っ張り過ぎたのか大当たりが引き当てられない事もあった。
それでも、ほとんど当たるのでばばあも対策を考えた。
いつ行っても店には既にばばあは板付きになっており、「その技」は使えなくなった。
●「風船ガム」で「当たり100%」!
この「100%大当たりの技」を考えるのは大好きだった。
「風船ガム」の場合、当たりが出ると「もう一個」引ける。
どうやら、当たりと外れでは製造工程が別の様だった。
「外れ」は沢山あるので雑に扱うから、張り合わせがズレる。
一方、「当たり」は少ないから手間を掛けて丁寧に扱うから奇麗に仕上がる。
「ちょっとした張り合わせによる印刷のズレ」から、やっぱり「ほぼ100%当たり」が引ける様になった。
今度は、ばばあが勝手に「法律」を作りやがった。
自分たちも仲間で当たりを引き過ぎた…。
5円で、2個も3個も当たりを引き過ぎた。
でも、これは「インチキ」では無いので誰にも咎められない。
ばばあは、突然、「当たりは1回まで。2回目は当たりも外れも無い」。
せっかく当てても、最高で2個だ。
そこで、今度はこっちも「対応策」を考えた。
2回目の籤は「当たり外れ」の結果は見ないで持ち帰る。
向こうから提案したのだから、籤の結果は見せない。
2回目の籤も「当たっている事」は多かった。
次回からは、「フーセンガム」は選ぶのには時間は掛けなくなった。
どれでも良かった。
しかし、手品師宜しくガムの包装を開く時に、素早く当たりくじの包装とすり替えた。
これで、せっかくの前回の当たりくじを無駄にする事なく「再利用」が出来た。
5円でほぼ完全に2個ゲットだ。
今までよりは儲けは減るが、確実に籤は2回引ける。
しかし、最初は不思議がっていたばばあもしまいには気が付いた様だ。
そのうちに、ばばあは「2個目の籤」を没収するようになった。
ばばあは子供相手に「汚い手」を使う。
今回はばばあと小学校3年の少年達の戦いを書いてきたが、少し長くなったので「次回に続く」としたい。
「次回」は、はばあの大反撃により、「逮捕?」。