ラテンの男といえば、アントニオ・バンデラス、アンディ・ガルシア、マシュー・マコノヒーなど、ため息が出るようなイケメンぞろいです。役柄も、セクシーでちょいワルで、プレイボーイっていうのがステレオタイプなイメージですが、この作品にも、ファッション雑誌から抜け出したような男前の俳優さんがぞくっとするような流し目を見せてくれます。
「ギリシャに消えた嘘」
アメリカ、イギリス、フランスの合作映画です。原作は、「太陽がいっぱい」のパトリシア・ハイスミスです。今更ながらですが、「太陽がいっぱい」ってタイトル、すごいセンスですよね。脚本、監督はこれが初監督作品となるホセイン・アミニです。これまで「ドライブ」「スノーホワイト」などの脚本を手がけていますが、監督として見事な映像美を見せてくれています。
主演は「ロードオブザリング」シリーズのアラルゴン役のヴィゴ・モーテンセンです。今回は、愛する妻とヨーロッパを旅する訳あり富豪役を「知的で男臭く」演じています。妻役のキルスティン・ダンストはアメージングじゃない「スパイダーマン」のヒロイン役ですが「マリーアントワネット」のマリー・アントワネット役を演じたり「メランコリア」でカンヌ映画祭の女優賞を取るなど、実力派の女優さんです。現在、33歳ということですが、もっとベテランさんに見えます。
そして、ラテン系の男、オスカー・アイザックが、お金はないが色気はある典型的なリゾラバ男(表現が古いですね)として3角関係の一角を担います。
1962年、ギリシャのアテネ。大学教授の父親に反発して家を飛び出し、旅行に来た女子大生から色仕掛けで小銭をちょろまかすような生活をしているラテン男、ライダル。その目の前に現れたのは高級そうなスーツに身を包んだダンディな夫妻、チェスター・マクファーランドとコレット。チェスターのお金と、コレットの美貌に目を奪われたライダルは、言葉巧みにガイドを申し出る。自らも清廉潔白ではないチェスターはすぐにその胡散臭さに気がつくのだが、アテネまで自分を追ってきた私立探偵を誤って殺してしまい、その処理をする現場をライダルに見られてしまう。そして、男と男と女の逃避行が始まる。
ハイスミスの「太陽がいっぱい」とプロットがよく似ています。ただ、今回は男と男の関係は、性的なものではなく、父と子の擬似的関係に終始しており、「太陽がいっぱい」ほどの感情的カオスがないのがむしろ残念な感じです。
特に衝撃的な展開があるわけでも、手に汗握るわけでもないですが、極力無駄を省き、映像で観客を説得する手腕が見事だと思います。100分という時間も、へたなどんでん返しで時間を稼ぐよりはるかに良いです。一見、リメイク作品のように感じますが、ただいたずらに刺激だけを追い求めた作品に対するアンチテーゼのようにも思えます。
クレタ島のシーンで、港で蛸を干しているシーンがあります。「蛸を食べる習慣」は北部ヨーロッパにはなく、イギリスでは「悪魔の魚」と言われていますので、おそらく、「異国の不安」を表現したシーンなのでしょうが、私たち日本人には、全く違和感がありませんでした。
特に何か、教訓が残る、という作品ではありませんが、上質なエンターテイメントだと思います。
嫉妬深い夫以外の方にお勧めします。
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