ムービーレビュー カンタービレ -3ページ目

ムービーレビュー カンタービレ

映画館で見た映画の感想です。ネタバレは原則行いませんが、時々核心がばれてしまう可能性は否定できません。

ご感想ご意見、お待ちしております。

みなさん、シリーズ物って、どうです?

古今東西、様々な映画のシリーズ物があります。そのパターンも、一作目が大ヒットしたため続編を作ったもの「スター・ウォーズ」「ロッキー」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など。制作費を効率よく使うために最初からまとめて作られたもの「スーパーマン」「三銃士」など。原作が、そもそも長いもの「ハリーポッター」「ナルニア国物語」とか。そもそも一作品だったが、収まりきらず、2話になってしまった「キル・ビル」。様々な思惑で続編が作られますが、今年は特に、大作映画のほとんどが続編ばかりで、ヒットが確約されているのでスポンサーが集まりやすいという事情は理解できますが、ちょっと辟易としますね。

「ハンガー・ゲームFINAL:レジスタンス」

原作はスーザン・コリンズの大ヒット小説「ハンガー・ゲーム」シリーズの続編になります。この小説のシリーズも、一作目が大ヒットしたため、続編が作られた作品群ですね。出版当初から邦画の「バトル・ロワイヤル」やシュワルツェネッガーの「バトルランナー」との類似が指摘されていましたが、元々
「人々の娯楽のための殺し合い」っていう発想は古代ローマ時代からの史実ですから、似た設定が存在するのは当たり前のことかもしれません。

監督は、「恋人たちのパレード」「アイ・アム・レジェンド」のフランシス・ローレンス。前作に引き続きメガホンを取っています。

主演は、22歳の時に「世界に一つのプレイブック」でアカデミー賞主演女優賞を取ったジェニファー・ローレンスです。元々は金髪の髪を黒く染めて演じています。最初の「ハンガー・ゲーム」の時は、まだほっぺが子供っぽいいかにもティーンエイジャーな顔つきでしたが、役同様、試練をくぐり抜けた大人の女性の顔に変わっています。

共演は、ジョシュ・ハッチャーソン、ウッディ・ハレルソンなどです。大御所としてはドナルド・サザーランドが敵ボス役で出てきますが、今の所、大きな存在感を示してはいないです。

文明が崩壊した世界。独裁国家パネムは、反乱を防ぐために国を12に分断し、その軍事力で圧政を引いていた。そして、その民衆の関心を引くために年1回「ハンガー・ゲーム」という若者たちに殺し合いをさせるテレビショーを行っていた。12地区の若者カットニスは、妹の身代わりとしてこれに出場し、同じ地区の男性代表ピータとともに勝利するのであった。しかし、他地区の犠牲者たちを思い、パネムに対する憎悪を掻き立てるのであった。(第1作「ハンガー・ゲーム」)

ハンガーゲームの勝者として、各地域回りをするうちに、ますます憎しみを増幅させたカットニスであったが、その一方、国民のパネムに対する反感は増すばかりであった。一計を案じたパネムの大統領スノーは、歴代ハンガーゲームの優勝者を集めた、記念大会を実施する。しかし、一度勝者になった過去の優勝者も再度命がけの戦いに参加を強制されることには不満で、「同盟」を組んで対抗する。しかし、主催者側は、何としてもカットニスを抹殺するため、自然現象を操りつつ追い詰めていく。とうとう魔の手にかかり、カットニスは倒れるが、そこに、救助の手が差し伸べられる。(前作ハンガーゲーム2)

危機一髪のカットニスを救ったのは、独裁国家パネムに対抗するレジスタンスの一味であった。自分の故郷を滅ぼされたカットニスはレジスタンスに参加することを表明するのだが、レジスタンスは、彼女を、革命の旗印として「利用」し、さらには、国家側に捕らえられて洗脳されたピータの救出計画も進まず、彼女は苛立ちを覚えるのであった。

ふう。シリーズ物のあらすじ解説って、何回やっても大変です。

で今回はというと、そもそも「ハンガー・ゲーム」じゃないですよね。ごく普通の「独裁国家に対するレジスタンス」のお話です。映像的にも、特に目新しいものはありませんでした。そもそも、カットニスの弓矢が一回しか炸裂しない、なんてひどいです。

ピータの行動も不可思議です。敵に洗脳されたふりをしていたようにも描かれているのですが、救出された後も暴れたりして、あれ?どっち?となってます。他に救出された仲間は、なぜ洗脳されたかったのでしょうか?まだわからないだけなのかもしれませんが。

ま、この後編、「ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション」がこの秋公開されますので、今回は一つ貸しにしておきます。

「次回をお楽しみに」という甘言を信じられる人にお勧めします。


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みなさん、デモに参加したこと、あります?

まだ小学校に上がる前だったでしょうか?父親に連れられて、何かのデモに参加したことがあります。歩いている大人の人たちのの表情はみな明るくて、「世の中に物申す!」っていうような感じではなかったなあ。昔は結構良く見られたように思いますが、今はほとんど目にすることもないし、「過剰自主規制」なマスコミは報道しなくなってしまいました。ネットの中以外で市民の声を直接反映させることは難しくなってしまったようです。

「パレードへようこそ」

原題は「PRIDE」というイギリス映画です。イギリス映画といえば「フルモンティ」「ブラス!」など社会派コメディが思い出されますが、この作品も実話をベースにしたもので、2014年カンヌ映画祭のクィア・パルム賞を受賞しています。ゴールデングローブ賞にもノミネートされました。

監督は魔シュー・ウォーチャスです。元々は舞台演出家で、「God of Camage」でトニー賞を受賞しています。時折挟まれる音楽シーンが自然で、力強く盛り上がるのは監督の力量なのでしょう。

俳優の紹介ですが、群衆劇仕様なので、誰が主役かと判断するのは難しいというか意味がないと思いますので思いつく限り挙げておきます。
ビル・ナイ(パイレーツオブカリビアンシリーズ、ラブアクチャリーなど)、イメルダ・スタウトン(ハリーポッターに出てくるピンクのおばさん)アンドリュー・スコット(SHERLOCK/シャーロックのモリアーティ教授役)など地味ながらも実績のある俳優陣が、リアリティとエンターテイメントを巧みに織りなしていきます。

1984年、サッチャー政権下で効率の悪い炭鉱を閉鎖する議案が提出され、炭鉱労働組合は長いストライキに入る。TVニュースで警官ともみ合う炭鉱労働者の姿を見ていたマークはゲイであった。虐げられている様子が自分たち同性愛者たちにつながると考えたマークは、LGSM(レズビアン、ゲイによる炭鉱支援)を立ち上げ、募金活動を始める。しかし、彼らの立場では、寄付を受けてくれる炭鉱組合は皆無だった。ところが、ふとした誤解から受け入れてくれる炭鉱組合が見つかり、ウェールズの田舎の炭鉱町に行ってみたが、諸手を挙げて歓迎を受けたわけではなかった。しかし、彼らの熱意と同性愛者たちが「特別」な人間ではないということが徐々に理解され、両者は打ち解けていくのだが、、。

爽やかで、元気が出るお話です。その下ネタな笑いは「フル・モンティ」を彷彿とさせます。また、途中で挟まれる労働歌、そして最後のパレードは「レ・ミゼラブル」のエンディングに似た高揚感を私たちに与えてくれます。最後の炭鉱組合の「旗」に、勇気付けられない人はいないでしょう。ストーリー、役者、音楽、全てが渾然一体となって、しかも声高でなく、しっとりと主張してきます。「おみおくりの作法」もそうですが、イギリス映画ってこういう静かで骨太な感じが持ち味なのかもしれません。

ゲイやレズビアンといった「マイナーな」人たちに対する偏見、差別、弾圧は、この映画のような視点で見ると「明らかに不当」と感じることができますが、自分たちの身近に存在した時に、同じように感じることができるでしょうか。実際、この映画も性描写などはないにも関わらずアメリカ映画協会ではR指定されていることをもってしても、「自分とは異なる人たち、自分の感覚では理解できない人たち」に対する拒否反応は根深いものがあるようにも思います。

この後、イギリスや、世界中で、炭鉱のみならず、労働運動そのものが終焉を迎えていきます。昨今のエジプトのように、これからはインターネットが「大きな連帯」を編み上げていくのかもしれません。そうなった時に「感覚的な違い」を乗り越え、「共通点」で手を握れるように、今のうちからセンスと寛容さを研ぎ澄ましていくことが必要なのかもしれません。

「他人」を愛することができるすべての人にお勧めします。


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みなさん、落語や講談って、お好きですか?

落語や講談に出てくる言葉、単語は難しいです。現代とは違う使われ方をしている言葉もあれば、私語もあります。そこに出てくる習慣、日常品も馴染みのないものが多く、イメージを膨らませるのが大変です。

「駆込み女と駆け出し男」

原作、ではなく原案が井上ひさしの小説「東慶寺花だより」です。井上ひさしにとって、完成した最後の作品です。監督、脚本は「魍魎の匣」「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」の原田眞人です。東慶寺の四季と、江戸後期の風俗、言葉遣いなど繊細な演出が光ります。

主演の見習い医者兼作家志望の男信次郎役は、今一番客を呼べる俳優さんでしょうか、大泉洋です。長ゼリフ、早口、江戸言葉など素人から見ても困難と思われる演技を、コミカルに、情熱的に演じています。もうこれだけでお腹いっぱいになれるくらいです。

共演は、戸田恵梨香、満島ひかり、樹木希林、内山理名、堤真一、山崎努などそうそうなメンバーであります。特に戸田恵梨香、満島ひかりの作品の時間軸に沿った演技の変化は素晴らしいです。

江戸時代後期、いわゆる「天保の改革」が庶民の娯楽を厳しく制限していた頃。女性の地位は低く、DVなんて日常茶飯事であった。しかも、女性の方から離婚を切り出すことはできず、唯一、鎌倉の東慶寺で2年の尼修行を収めた場合にのみ離婚の調停が成立する、というしきたりが存在した。そんな駆込み寺の門前にあり、今でいう離婚調停役を担っていた旅籠「柏屋」に住み込みで働くことになった信次郎は、様々な理由で離婚を願い出る女性たちと出会うことになる。

良いお話でした。それぞれのエピソードは、割と重めなのですが、コメディタッチだったり、余韻を残さないような場面変換で、「お涙頂戴」にならないように工夫されています。劇中「粋」とか「仇」とかの単語が重要な役割を果たしますが、この作品そのものが「粋」を感じさせてくれます。

また、女性の描き方が「素敵」です。戸田恵梨香のキュートなキスシーンをはじめ、満島ひかりのいわゆる「気っ風の良い」啖呵、「想像妊娠」する神野美鈴、まるで女子高を覗き見しているようなキャピキャピした東慶寺の尼僧たち。みな過酷な境遇を忘れさせてしまうほどカラッと明るく描かれているのが爽やかな映画でした。

特に離婚を考えていないラブラブなカップルにもお勧めできます。


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