世界の水が支配される 国際調査ジャーナリスト協会 作品社
水道の世界でも民営化の動きがある。基本的には官僚の非効率があるが、原因はそれだけではない。貧困、異常気象、人口爆発と都市化、などが重なると水道事業は簡単に崩壊してしまう。そこで登場するのが民営化による効率化、コストダウンだ。
ところがこれがうまくいくことは限らない。ご利益には限界がある上、今度は巨大企業による独占の弊害が出てくる。そんな現実を世界中のジャーナリストが手分けして調べたのが本書だ。まさに問題山積だ。ただし、本書は告発はするが解決策は示していない。役人組織の効率化とグローバル企業のモラールアップとどちらが易しいかと言うことだ。―――分からない