ポンペ日本滞在見聞記 沼田次郎他訳 雄松堂書店
幕末に出島に滞在した医者の記録。日本全体の動きと彼を中心とする医学関連の動きが書かれている。井伊直弼の独断開国、生麦事件、長州発砲事件などを通して幕府が皇室や薩長土肥を押さえつけられなくなり、必然的に政権を失った。
知らないことも多かった。長州発砲は幕府が認めた瀬戸内海航路を長州藩が認めなかったことが真因だった。これを外国艦隊が実力でねじ伏せた。最初に海峡通過をして長州の砲撃を受けたのはオランダ艦だったという。 医療関係でもオランダの活躍はすごい。ポンぺは長崎で正式な医学教育をし、医者を養成した。この臨床実習施設として病院を設けた。他国が商売優先の開国戦略に対し、オランダは友好重視だったことが良く分かる。