表題のゲームは、準決勝でした。
凄いゲームになりました。
どちらもハイプレスのバチバチのチームでしたから、がっつんがっつ当たりまくる両者の腰骨から悲鳴が聞こえるようなプレスが絶えず見られました。特に印象に残ったのは、矢板中央の速いプレスです。一人目はパスコースを完全に潰して寄せていきます。二人目はバックパスのコースすら潰して奪い取りに行きます。こうしてふたりがかりでボールは矢板中央のボールになっていくわけです。複数でプレスを掛けて、確実にボールを奪い切るサッカーです。 FC多摩のサッカーそのものです。
流経もハイプレスのサッカーですが、矢板中央のように丁寧に人数をかけて押さえ込みに行く感じじゃなかったですね。「一人目は、パスコースを潰すように寄せる」のではなく、「一人目からボールを奪いに行く」プレスに見えました。こうなると狙われた相手は無理筋のパスを出す、ということになるわけですが、そこをうまくインターセプトしてました。これもハイプレスサッカーのひとつのお手本のようなサッカーです。
というわけで中盤でバチバチのプレスの掛け合いという、もっとも疲労度の高い、運動量の多い、精神的に疲れ果てるサッカーとなりました。
後半、加藤選手の神業のようなノートラップのシュートが決まりました。一瞬の隙といえば隙ですが、あれを隙というなら、どんなチームでもあの程度の隙はあるわけで、あれは加藤選手を褒め称えるしかありません。
矢板中央は5人の交代枠をうまく利用しながら、フレッシュなドリブラー次々に投入し、流経のハイプレスサッカーを崩しにかかります。流経は途中、矢板中央の厳しい複数プレスに業を煮やしたのか、ワンタッチのショートパスを4人ほどで回して、重厚なプレスを無化するような戦術に出ます。そんなことをゲームの途中に切り替えられてしまう流経の個人技の高さに絶句するしかありません。
両者ともにゴール前のDFラインが異様に堅かったので、点の取り合いには成りませんでしたが、流経が虎の子の1点を守り切る展開となりました。両校に差はまったく感じられなかったです。両校等も素晴らしいサッカーでした。感動しました。
流経の5番、2年生センターバックの関川選手はFC多摩19期で、桐光学園の2年生センターバック望月選手とがっつりゴール前に仁王立ちしたあの期のふたりは、FC多摩史上最強のセンターバックペアと大賞賛されていました。
流経の控えに、坂下景太選手という3年生DFがいますが、彼も素晴らしい選手です。FC多摩18期ですね。田中、村井、宝居、W天野、大関、斎藤、尾崎、玉木ら各選手の活躍した黄金の18期(CYの全国大会ベスト16位)の中心の一人でした。
関川選手がイエローカードを1枚貰ってしまったのが気になりますが、とにもかくにも、決勝進出ですね。
怪我のないよう、頑張ってください!