ヴィム・ベンダース監督が
ブラジルの報道カメラマンの撮った一枚の写真
「盲目の少女」を見て
「これを撮った人物は偉大な写真家であり
冒険家であるにちがいない・・・」
と確信し、作られたドキュメンタリー映画
多くの賞に輝いています。
「ブル-ベルに恋して・・友人 HIDAKA MAYUMI」 のブログを読んで、
これは、観に行かなければ・・と思い。
速攻で、観に行きました。「セバスチャン・サルカド」
衝撃でした。
「盲目の少女」
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一枚の写真は、映像よりずっと、ずっと多くのことを語る。
そのことに、強く気づかされ・・・・
こころが、沈黙する。
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サルカド氏の撮る写真は、観るモノを、深い深い・・・深い海の底へといざない
この地球で起きている、彼が突きつけたあらゆる非情な現実に、
強くこころが揺さぶられることとなる。
緒方貞子氏のことばを借りれば
私達をしばし立ち止まらせ、
この地球を生きる、難民・移民、また様々な人々の希望や夢に
思いをはせるひと時を与えてくれるでしょう。
凄いとしか言いようがない、
この映画も、サルカドという人間も。
(谷川 俊太郎)
ブラジルに生まれ、サンパウロの大学経済修士課程を出たのち
ヨ-ロッパへ渡り、エコノミストとして、世界コ-ヒ-機構に勤務。
世界銀行のミッションでアフリカへ行くこととなり、
そこから導かれるように、世界的な報道写真家となっていった
サルカド氏
サルカド氏は、常に人間と向き合い、様々な紛争地へおもむき
死・破壊・腐敗という根源的なテ-マを扱ってきた。
目を覆いたくなる暴力・現実がどれほど厳しく悲惨なものであっても、
サルカド氏の写真は、
状況への感情移入を声高に求めたりはしない。
安易な共感を押し付けることもない。
目の前にあるものの、痛みや苦しみを真摯に受け止め
それらと繋がろうとする・・・
彼の写真はひたすら目撃してきた。富める社会から疎外され、周辺に追いやられて肉体労働に苦闘する人間たちを。紛争、戦争の暴力に苦しむ土地と人々を。そして、故郷を追われ、流亡の途にあって尊厳を失うまいと闘う人々を。彼の写真をつうじて私たちは、この地球上にたしかに、そうした苦難の状況のなかで生きる人間たちの尊厳が存在することを知り、そうした人々と自分たちが繋がっているのだという事実に目ざめ・・・
知ることになる。
私達が知っている世界は、
この地球で起こっていることの、ほんの数パ-セントにも満たない。
その事にも、非常な衝撃を受けました。
2004年からはじめられた、新たなプロジェクトは「ジェネシス」
今も地球上に残る未開の場所―ガラパゴス、アラスカ、サハラ砂漠、アマゾン熱帯雨林など、生と死が極限に交わる、ありのままの地球の姿がカメラにおさめられる
この映画の冒頭、サルカド氏は、ゆっくりと語る
「フォトグラファーとは“光で描く人”を指す
世界を光と影で描き続ける人のことだ・・・」
その語り口は、エレガントで
映像の中の彼は、とてもチャ-ミング
地球で起こっている世界中の悲しみと憎しみを、すくいあげてきた彼の
深いまなざしは、
その語り口からも、人間愛に溢れたサルカド氏を感じることができるのです。
もっと早く、紹介したかったのですが。。。
何を、どう書いてよいのか・・・
と
気づけば、映画も終了まじかになってきました。
興味があれば、ぜひ観て欲しい映画です。