湯川さんが殺害されたとみられる映像がインターネット上に公開された。
許しがたい卑劣な行為であり、言語同断だ。
しかし、恐怖心を引き起こさせ政策を変更させることがテロリストの目的である。
ここで日本政府は方針を変えてはならない。
身代金の要求が仲間の釈放に変わっているが、本質は同じだ。
自爆テロの容疑で死刑判決を受けヨルダンの刑務所に収監中のサージダ・アル＝リシャーウィ死刑囚を釈放すれば、後藤さんを解放すると言っているが、応じるべきではない。
死刑囚を解放しないとしても、ヨルダン政府を批判するようなことがあってはならない。良好な関係にある日本とヨルダンの間にヒビを入れることがイスラム国の目的かもしれないからだ。
冷徹に聞こえるが、「国際社会と協調してテロに対抗する」とは、そういうことだ。
一方、あらゆる情報ルートを通じて人質奪還に向けた情報の確認と収集を強化すべきだ。サージダ・アル＝リシャーウィ死刑囚の開放を要求してきたのであれば、彼女の周辺に、イスラム国との接触の手がかりがあるはずだ。
先の記事にも書いたように、ヨルダン国王に協力を依頼し、彼らの諜報機関に情報収集を急いでもらうべきだ。ヨルダンの首都アンマンは、インテリジェンスの集積地だからだ。
日本を含む国際社会は、テロリストの要求に応じてはならない。政府が毅然としてテロに立ち向かうことを支持する。