臨時国会が開会しました。 | たまき雄一郎ブログ

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衆議院議員玉木雄一郎のオフィシャルブログです。

臨時国会が始まりました。126日までの53日間という短い会期ですが、重要な国会だと考えています。


初日の本会議で安倍総理の所信表明演説を聞きましたが、コンパクトにまとまったいい演説だと思いましたが、その分、肝心の内容は具体性に欠けていました。


例えば、1000兆円を超える借金がある中で、「大規模な災害に備え、強靭な国づくりを進めてまいります。」と、安倍政権はさらに積極的な財政出動を続けようとしていますが、財政再建については、「中長期の財政健全化目標の実現を目指します。」と抽象論を述べるのみでした。プライマリーバランス目標の記述も消えています。


また、歳出抑制や行革を進める具体的な言及は全くありませんでした。さらに、議員定数削減についても、先の通常国会で対応することが解散時の約束だったにもかかわらず、「現在のこう着状況を打破し、結論を得ようではありませんか。」といった言い振りで、やる気が感じられません。予算委員会等でさらに論戦を挑みたいと思います。


ただ、私が印象に残ったのは、安倍総理が、我が国の課題として「経済再生と財政再建、そして社会保障改革、これらを同時に達成しなければなりません。」と明確に述べたことです。


これら3つの改革の必要性は、政権が変わろうとなんら変わりません。いわば日本再生のための「真の三本の矢」とも言える改革です。


ちなみに菅内閣のスローガンも、「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」でした。


安倍政権がこれら3つの課題のうち「強い経済」の再生に全力を挙げていることは、その手法はともかく評価しますが、残りの2つの課題、つまり「財政再建」と「社会保障改革」については、その取組が相対的に弱くなっています。


民主党政権は、逆に、後者2つの改革を同時に行う「社会保障と税の一体改革」に先行的に取り組み、政権を失いました。そして、この「一体改革」の趣旨が、自民党政権になって変質、後退しつつあると懸念しています。


だからこそ、我々は、何でも反対するような野党の立場に立つのではなく、取り組みが弱いこの二つの改革が前に進むよう、しっかり現政権の「尻をたたく」役割を果たすべきだと考えます。


特に、年金制度改革をはじめ社会保障改革は、小さな改善による弥縫策で課題を先送りしがちで、そのツケは次世代の負担として転嫁されるのです。こうした動きに対して厳しくチェックを働かせていかなければなりません。


私は今、民主党は「急がばまわれ」で、腰を落ち着けて、次の世代のための持続可能な政策を堂々と提示していけばいいと思っています。


また、与党として政策・制度の理解を深めたわけですから、財政再建や社会保障改革の必要性について分かりやすい論戦を展開し、国民的な議論と理解が進むよう貢献することも、我々の役割だと考えています。


今国会でも、信じるところをひるまず訴え続けていきたいと思います。


引き続きのご支援、ご指導よろしくお願いします。