4月9日、予算委員会で質問に立ちました。 | たまき雄一郎ブログ

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4月9日(火)に行われた予算委員会(集中審議)で質問に立ちました。今国会で、NHKの中継が入っての質問は2回目です。質疑の概要をまとめました。

(玉木)先週、黒田総裁自身が異次元の緩和というほどインパクトのある金融政策が発表された。その翌日、10年物の利回りが急騰した。長期金利の高騰は金融政策の最大のリスク要因だと考えるが、以前、山本幸三議員の答弁で、「的確な金融緩和をすれば日銀が国債を大量に引き受けても、金利の上昇を抑えることができる」という趣旨の答弁を安倍総理も麻生大臣もされていた。今回の長期金利の高騰を総理としてどう考えているのか。



(総理)量的・私的金融緩和の下、日銀が多額の国債を買えば市場に影響が出るのは確かだ。市場参加者との間で密接に意見交換を行う場を設け、適切に対応することに期待したい。政府としては、国債の安定消化の観点から、債券市場の動向に注視しなければならない。持続可能な財政構造を確立するため、市場の信認を維持して行きたい。

(玉木)今回の金利の急騰を通じてマーケットが発するメッセージに真摯に向き合う必要があるのではないか。マーケットとの対話ができていなかったとの答弁があったが、総理の認識はそれでよいか。

(総理)黒田総裁のマーケットとの対話能力は極めて高い。国際社会に対する発信力、信頼も高い。その能力を生かして、密接な対話を行なっていくことで安定性を高めていくことを期待している。

(玉木)金利高騰の原因は、日銀という巨大なプレーヤーが市場に入ったことで、マーケットに不安定な状態を作り出し、正しい価格形成機能が低下してしまったことに一因があるのではないか。今回の金融政策によって適正な価格形成機能が低下したとの認識はあるか。

(総理)どう制御していくかは専門家の腕の見せ所。手段については、専門家である日銀において適切なデフレからの脱却を測ってもらいたい。

(玉木)金融政策は謙虚であるべきだ。今正しいと思っている政策についても、5年、10年先も正しいかどうかはわからない。「経済的な安全神話」に陥ってはいけない。常に慎重な姿勢でリスクに備えていかなくてはならない。2%の物価安定目標が達成された時、今度は、2%を突き抜けないように維持しなければならない。問題は、そのために、引き締めに転じることができるかどうかだ。もしくは、今の買い入れのペースを落とすことができるのかどうか。国債の発行者たる国として、出口戦略をどう考えているのか。


(麻生)経済に関わるものはみんな同じように心配している。しかし、今一番優先すべき大事なことは、デフレからの脱却であると、我々自民党は考えている。また、出口戦略は厳しいものだと理解している。

(玉木)デフレからの脱却が喫緊の課題であることは理解している。しかし、それを理由に出口戦略を考えないのは間違っている。経済は何が起こるかわからない。その時のリスクを管理しなければならない。「経済的安全神話」に陥ってはならない。

(玉木)政府としてやるべき一番の鍵は、財政規律を確保することだ。安倍政権が発足してから、日本の財政状況は好転したか、悪化したのか。認識を問う。

(麻生)24年度補正予算については思い切った規模にし、PB(プライマリーバランス)については、厳しいものになった。しかし、25年度については、財政健全化を踏まえて、それなりの対応をし、一歩近づいていっている。常に心を配ってやっていきたい。

(玉木)国際約束にもなっている2015年までのPB赤字の半減、2020年までのPBの黒字化という目標は必ず守らなければならない。民主党政権時代、2015年までの道筋を示した経済の中長期試算において、2010年、2011年では、わずかだがPBの改善が見られた。しかし、2012年、2013年を見ると、大型の補正予算の影響もあってPBは悪化している。2015年のPBの赤字半減を達成するには相当の努力が必要だが、この目標を堅持するのか。

(総理)デフレから脱却をするため、思い切った金融緩和と機動的な財政政策が必要と判断して補正予算を組んだが、まだ効果は出てない。景気を良くし、税収を増やし、合わせて無駄遣いも撲滅をしていく。

(玉木)国際約束を守るのか守らないのか、イエスかノーでお答えいただきたい。

(麻生)基本的にはその目標に向かってやっていく。デフレ脱却のために今回のような金融政策を行った。そんな中でも、国際約束は守るべくやっている。


(玉木)麻生大臣が所管する財務省が後年度影響試算を出しているが、3%成長し、かつ、社会保障の自然増以外の歳出はすべて抑えた場合でも、国際公約は達成できないといいうことが明らかになっている。これについてどう考えているのか。

(麻生)この試算は、国の一般会計のみを対象としており、本試算で国と地方の合計かつSNAベースで設定された財政健全化目標の達成可否を直ちに結論づけるものではない。目標達成のためには、経済政策による税収の増加、さらなる歳出の合理化の双方が必要であり、努力していく基本的政策は変わらない。中長期財政計画についても年央を目処に作成したい。

(玉木)不十分だと財務大臣自身認めるなら、この後年度影響試算は一体何のために出しているのか。
国と地方の合計をSNAベースの財政見通しの数字を、少なくともPB赤字の半減目標である2015年までの2年間分について、採決までに出していただきたい。委員長、お取り計らいをお願いします。


(玉木)大規模な金融政策でリスクは高まっている。このリスクをコントロールするために政府でできることは財政規律を守ることだ。デフレを脱却し、経済を再生するためには、与野党が力を合わせなければいけない。国を思う気持ちを持ってそれぞれ何ができるかを考え、私は、縮小均衡だと言われても、財政規律は絶対守らなければならないと思っている。このことを国会議員が言わなくて誰が言うのか。財務省に任せてられない。彼らが完璧であったら、1000兆円の借金はできていない。すべて我々政治家の責任だ。私自身3年間与党の経験をした者として責任の一端を感じて質問をしている。とにかく、財政再建について、財政規律の維持について、特段の配慮をお願いしたい。歳出の見直しや歳入の確保策について知恵をしぼっていかなくてはいけない。

(玉木)最後に、財政規律を維持するためには、行政改革が不可欠。民主党時代にはじめた「行政事業レビュー」を継続していただけることには感謝しているが、そのやり方が、官僚主導に戻り、外部公開性が薄まるのではないかと懸念されている。この点について確認したい。


(稲田)良いものは引き継いで、改善したもので維持していく。決して効果が後退するものではない。

(玉木)今さえ良ければいいという政治から脱却して、次の世代へ、我が国の継続性・持続性に対するリスペクトを持って政治に向き合っていくことが大切だということを訴え、質問を終わりたい。


*質疑の概要は、インターネットでもご覧いただけます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42630&media_type=fp