「YES/NO政治」からの脱却 | たまき雄一郎ブログ

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衆議院議員玉木雄一郎のオフィシャルブログです。

最近の政治を見ていると、これまでの政治はつくづく「YES/NO政治」だったと思う。


つまり、霞ヶ関の役人が作る政策や人事案に対して、与党はYESだけを叫び、野党はNOだけを叫べば、事足りていた。


これを可能にしてきたのは、紛れもない、何十年と続いてきた自民党長期政権と霞ヶ関との蜜月関係だ。


霞ヶ関と自民党との間で合意できれば、政策は実質的に決定され、国会は単なる承認の経る儀式の場でしかなかった。


しかし、この長く続いてきた一つの「お作法」が、昨年の参議院選挙における民主党の躍進、そして、それを受けた「ねじれ国会」で、大きく変質した。


つまり、霞ヶ関と自民党で握っても、そのとおりには最終決定されない状況が、初めて発生したわけである。


その結果、国会議員の仕事が、YESとNOだけを発言できるだけでは務まらなくなってきたのである。


それにもかかわらず、与野党の政治家がともに、これまでの「YES/NO政治」から抜けきれていない。


国会という場所は、そもそも異なる意見が持ち込まれて議論が行われる場所のはずである。


そういった異なる意見がぶつかり合う中で、お互い譲ったり、付け加えあったりして、一つの成案を得ていくことが、議論の場である国会の本来の役割のはずである。


YESかNOだけでかたがつく話ではないはずである。


今回の一連の混乱を踏まえて、与野党とも、政策決定の新しい「お作法」に慣れていかなければならないと思う。


自民党については、党内手続きを経て決まったものを、びた一文変えられないとがんばるのではなく、国会の議論の結果によっては、一定範囲の変更を容認することに慣れていかなければならないと思う。


一方の野党側も、単に反対を繰り返すだけでなく、反対するときには合理的な理由を示すこと、また、しかるべき対案を速やかに用意するなどといった解決に向けた建設的な対応が不可欠だと思う。

とにかく、「YES/NO政治」からの脱却が急務である。


そのためには、国会議員自身の政策立案能力の向上もさることながら、議会スタッフの充実,や、党内シンクタンク機能の拡充など、制度的な改革も不可欠だと思う。


こうしたことを可能にするために2つ具体的に提案したい。


一つは、国会議員の定数を大幅に削減して、浮いたお金で公設の議員スタッフを増員すること。こうすれば、個々の国会議員の情報収集、処理、発信能力が高まると思う。アメリカの議員スタッフの数は日本と比べものにならないくらい多い。


次に、今問題になっている国家公務員の天下りに関して、退職公務員の立法府スタッフへの転進については、積極的に促進する政策を打ち出すべきだと思う。


この政策で、これまで霞ヶ関に偏在していた政策立案資源が立法府へと移転すると同時に、民間への無理な天下りも大幅に減ると思う。経験を活かせる公務員自身にとっても悪くない話だと思う。


とにかく、今は政治のリーダーシップが不可欠である。


そして、それを支えるスタッフ、人材の確保をどうするか。


地味な問題ですが、真剣に考えていくべき課題だと思っている。


もう、変えないかん!

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