柳沢厚生労働大臣が火だるまになっています。
女性を「子供を生む機械」と言ったことが大きな批判を受けています。
ちょっとした発言が、政治の流れを大きく変えてしまうことを、まざまざと見せ付けられる事例です。
民主党だって偉そうなことは言えません。
ほんの1年前に永田メール事件で苦しんでいたのは他でもない民主党です。
とにかく、言葉というものは恐ろしいものです。改めて、その威力の大きさに身震いしています。
この言葉というもの、あるときは、今回のように致命傷にもなります。
しかし、その一方で、大きな感動を伝えるのも、また言葉の力です。
最近、お葬式に出ることが多いのですが、先日、参列したある式で大変感動的なスピーチを聞く機会がありました。
88歳になるお父様が亡くなられた式で、喪主である息子さんが話した内容が胸を打つものでした。
亡くなられたお父様は、日本統治下の台湾で29歳になるまで過ごされた方で、敗戦を期に坂出市に引き上げてこられ、文字通り何もない中から豆腐屋さんをはじめ、大きな会社に成長させた方です。
息子さん曰く、このお父様、いつも「朝は朝星、夜は夜星」という言葉を、いつも口ずさんでおられたそうです。
その意味は、人間というもの、「朝、星がまだ見えるうちに起きて働き始め、夜は星が輝く時間まで働かなければならない」ということだそうです。ただ、その息子さん、なぜお父さんが、いつもこの言葉を口ずさむのか分からなかったそうです。
そして、あるとき、お父さんのお手伝いで、台湾からの引き上げ者が集う会合に参加したとき、この「朝は朝星、夜は夜星」という言葉が、実は、台湾の小学校の校歌として歌われていたことを知ったそうです。
まじめにこつこつと働くことの大切さが、遠い台湾の小学校の校歌として歌いつがれていたわけです。
私はこの話を聞いて大変感動するとともに、深く考えさせられました。
今の我々は、この校歌に歌われているように、朝から晩まで必死になって働いているのか、生きているのかと。
日本は豊かな国になりました。
しかし、現代の我々は、ある意味、必死に働いてきた先人たちの努力の成果を単に食いつぶしているだけではないのか。楽をしよう、楽をしよう、そんなことばかりを考えているのではないか。
もっと必死に、もっともがいて、生きていかなければならないのではないか。
そんなことを考えさせられる、心の奥底に届くスピーチでした。
とにかく、息子さんのスピーチには力がありました。
柳沢大臣の発言、そして、この「朝は朝星、夜は夜星」のスピーチ。
いずれにせよ、言葉の力の大きさを、再認識させられる出来事でした。
言葉を大切にできる政治家になりたいと思います。
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