講演の資料を作る関係で、数年前にベストセラーになった「世界がもし100人の村だったら」を再び読み返してみました。
その中に、
全ての富のうち6人が59%をもっていて
みんなアメリカ合衆国の人です
74人が39%を
20人が、たったの2%を
分けあっています
という記述を見つけました。
世界人口の6%の人で、世界全体の富の約6割を独占しているということです。
5年ほど前に、この本を見たときには、「ふ~ん、やっぱりそうか。」といった程度の印象しか持ちませんでしたが、
今、改めてこの本を読んで思ったのことは、
今、日本国内でも、同じようなことが起こっているのではないか、と思いました。
つまり日本全体の富の多くが、わずか数パーセントの日本人によって占められるようになっているのではないかということです。
グローバル化が極度に進んだ時代には、世界がまるで一つの国のようになって、単純労働者の賃金は世界中で同じになると言われています。
このままでは、日本国内に先進国と途上国が同居するような時代が来るのではないかと予想しています。
特に、わが国の多くの地方都市は「途上国化」していくのではないかと心底、心配しています。
それを防ぐためには、
①途上国と同じ土俵で勝負しない高度な技術や能力をもった人材の育成
②最低賃金保証などの生活の安全網の整備
③効率で公平な所得再分配機能
が不可欠だと思っています。
こうした対応を採ることは社会主義でもなんでもありません。
私は競争原理は大切だと思っています。
しかし、競争する気力もなくなるほどの格差を作ってはならないと思っています。
そのためには、「社会全体の支えあう機能」を大切にしていかなければならないと思っています。
さもなければ、「自分だけよければいい社会」が蔓延すると思っています。
対応を急がなければ、地域の生活は崩壊してしまいます。
そして、ここは、まさに政治が経済より前に出る領域です。
民主党の言っている「生活維新」が政策的に何を意味するのかまだ不明ですが、
①~③の要素はいずれも不可欠だと思っています。