■“報じないこと”でジャニー喜多川に加担。 | タマちゃんの暇つぶし

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MAG2 NEWS:“報じないこと”でジャニー喜多川に加担。自浄能力を無くし隠蔽体質の強化で性被害者の増加に手を貸した大マスコミの重罪2024.06.20より転載します。
 
貼り付け開始、

https://www.mag2.com/p/news/601796
 
Tokyo,,Japan,-,January,22,,2020:,The,Offices,Of,Talent


2023年になりようやく国内メディアが報道を開始し、日本中を大きく揺るがすこととなったジャニー喜多川氏による性加害問題。これを受けジャニーズ事務所は事実上解体となりましたが、芸能界からセクハラや性暴力が一掃される日は遠いようです。今回のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』では要支援者への学びの場を提供する「みんなの大学校」学長の引地達也さんが、先日参加したという性暴力とメディアの関係を取り上げたシンポジウムの模様を紹介。そこで改めて浮き彫りになった「芸能界の商習慣」の異常さを指摘しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ジャニーズ問題で傍観したメディアと残る商慣行

遅きに失した対応。ジャニーズ問題に沈黙続けたメディアの罪と未だ残る芸能界の商習慣

日本メディア学会の春季大会でのシンポジウム「性暴力とメディア報道――ジャニー喜多川による性加害問題を端緒として――」が今月行われた。

会場は満席の盛況ぶりで「メディア研究者」らの関心の高さがうかがえたものの、この問題をどのように向き合えばよいのか、明確な切り口は見いだせてはいない。

1970年代から話題になっていたジャニー喜多川氏による性加害が世間で知られるようになったのは、2023年3月18日に英国BBCによるドキュメンタリー番組「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(“Predator:The Secret Scandal of J-Pop)がきっかけだ。

半世紀もの間、放置され、その間被害者を出し続けたマスメディアの責任は大きい。

シンポジウムでは、問題の実態とその責任を学術的に多角的に捉えようとの趣旨で、週刊文春の元編集長からの事の推移や、英国での同様の事件での対応、ジャニー喜多川氏と米国の関係性からの考察が提示された。

どことなく、被害者が不在の考察にも見えるが、これらの切り口から迫る真実に深い反省が喚起されるはずだと信じたい。

登壇したのは、話題提供者として、加藤晃彦・前週刊文春編集長、NHK 放送文化研究所の税所玲子さん、学習院大学の周東美材さん。

討論者が林香里・東京大学教授と評論家の荻上チキさん。

週刊文春が問題を初めて報じたのは1999年で、ジャニーズ事務所は名誉棄損だとして週刊文春を訴えた。

2003年に東京高裁でジャニー喜多川氏の性加害を認める判決がされ、2004年に最高裁で判決が確定。

しかし、新聞・テレビは「ほとんど報じなかった」(加藤氏)。

前述のBBCドキュメンタリー放映後も沈黙していた新聞・テレビだが、ジャニー喜多川氏が死去し、被害者自身が記者会見したところから一般メディアが報じ始めた。

この遅きに失した対応。

外部専門家の再発防止チームが検証した調査報告書は「マスメディアからの批判を受けることがないことから、当該性加害の実態を調査することをはじめとして自浄能力を発揮することもなく、その隠蔽体質を強化していったと断ぜざるを得ない」とメディアの責任を追及した。

そして結果として「被害が拡大し、さらに多くの被害者を出す事となった」と断じた。

ジャニーズ事務所における性被害者を増やしていたことに、マスメディアは「報じないこと」で加担していた。

芸能・メディア関係者の半数が「セクハラや性暴力を経験」の異常

それはジャニーズ事務所のだけではない。

荻上チキさんが主宰する社会調査支援機構チキラボが実施した「芸能・報道分野における ハラスメントや不当な営業行為、商行為についての調査」(調査機関2023年11月7日─2024年1月19日、グーグル・フォームによるオンライン調査)では、芸能や報道・メディア分野に仕事として携わる人、275名のうち、「セクハラや性暴力に関する経験」に関して、51.4%が「被害を受けた経験」があり、77.3%が「事例を聞いた経験」があると回答した。

半数以上が「ある」ことを認識する実態、それに沈黙する商社会、性被害が作り出されるその慣行は異常だ。

同調査では、対象の業界において「『圧力・忖度』『バーター』『過剰接待』『(他事務所への配慮などに基づく)出演拒否』『形ばかりのオーディション』といった、不透明な商慣行が横行」「『悪質なハラスメント』や『性暴力』が多数存在しながらも、相談につながれず、対処されず、覆い隠されたケースが多く存在」と指摘した。

シンポジウムで荻上さんは、「(各社の調査は)踏み込まれていない。『これまでは報じませんでした、これからを報じます』だけ」だとし、メディア業界の横断的な調査の必要性を論じた。

旧ジャニーズ事務所に限っては、国連人権理事会の作業部会でも「日本のメディア企業は数十年にもわたり、この不祥事のもみ消しに加担した」と報告している。

シンポジウムではさまざまな角度で検討しながらも、「業界の商慣行」としての改善に向けては、具体策はない模様だ。

ジャニーズ事務所は事実上解体したが、商慣行が残るのであれば、メディア業界では、あらたな性被害が生み出される可能性はまだまだ残っているのだと考えなければならない。

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image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

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特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。


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