カラパイア:現在地球軌道上にいくつの衛星が存在するのか?2019年から大幅に急増 2024年06月15日より転載します。
貼り付け開始、
https://karapaia.com/archives/52332514.html
![地球軌道上の人工衛星が急増している理由](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/8/e/8e49a5a8.jpg)
さて問題だ。現在、地球の軌道にある人工衛星はいくつあるだろうか?
国連宇宙局(UNOOSA)によれば、2024年6月11日の時点で、11,780基の人工衛星が地球を周回しているという。そのほとんどは機能しており、低軌道に集中している。
宇宙はもはや人類にとって必須のインフラだ。私たちの頭上を飛び交う人工衛星は、通信からGPS、天気予報や氷の監視にいたるまで、さまざまな役割を果たし、人々の暮らしを支えている。
そのため、人工衛星の数はここ数年で急増しており、一部のインターネットプロバイダーが引越しを検討するほど混雑しつつあるそうだ。
・静止軌道
1つは、「静止軌道」と呼ばれるもので、地球の赤道から35,786kmの上空にある。ここに打ち上げられた人工衛星は、地球の自転とピッタリ同じ速度で地球をぐるぐると周るため、地上からは上空で静止しているかのように見える。
現在、ここには552基の衛星があり、その多くは通信衛星や気象衛星だ。
・中軌道
次に、地球上から2,000km~静止軌道までの範囲を「中軌道」という。ここは米国の「GPS」、EUの「ガリレオ」、ロシアの「GLONASS」、中国の「北斗」といった衛星測位システムを支える衛星などが利用する。
中軌道には現時点で199基の人工衛星があるが、一部の宇宙インターネット・プロバイダーはここの軌道への引越しを検討しているという。というのも、そのさらに下にある「低軌道」が混雑してきているからだ。
・低軌道
低軌道は地球上から200km~中軌道までの範囲を指す。現在、低軌道には8,110基の衛星が存在するが、うち6,050基がスペースX社が運用する「スターリンク」のためのものだ。そう、ある意味、この混雑はイーロン・マスク氏が作り出したと言える。
だがマスク氏はこれに満足しておらず、現在の2倍の12,000基近くを目標としており、さらに3万4400基まで増加させる可能性もある。
スターリンク、60基の衛星の打ち上げ(母機分離前) / image credit: Official SpaceX Photos / WIKI commons
1つは、その光によって夜空が変化する恐れがあることだ。
過剰な光による悪影響を「光害」という。その主な原因は地上の都市の照明で、そのせいで星空が見えなくなるだけでなく、生態系への影響も出ている。果たして、ひしめき合う人工衛星の光は地球にどのような影響を与えるだろうか?
もう1つの懸念は、宇宙ゴミの激増だ。人工衛星が効果的に働くことができる軌道は限られており、そのためにルートが交差し、それを再調整するといったことが頻繁に行われている。
現時点で深刻な事故は起きていないが、今後もっと人工衛星の数が増え続ければどうだろうか?
人工衛星もいずれは寿命を終え、機能しなくなるし、そうなってしまえばその制御は容易ではない。
一度の衝突事故は、その破片を散らばらせ、さらなる衝突へとつながる。
こうして連鎖的に衝突が起きることを「ケスラー・シンドローム」というが、そうなれば宇宙は使用できない場所となってしまう。
これから本格的な宇宙時代を迎えようというのに、人類は地球に閉じ込められてしまうかもしれないのだ。
References:How Many Satellites Are Currently In Orbit? | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo
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貼り付け終わり、
https://karapaia.com/archives/52332514.html
![地球軌道上の人工衛星が急増している理由](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/8/e/8e49a5a8.jpg)
さて問題だ。現在、地球の軌道にある人工衛星はいくつあるだろうか?
国連宇宙局(UNOOSA)によれば、2024年6月11日の時点で、11,780基の人工衛星が地球を周回しているという。そのほとんどは機能しており、低軌道に集中している。
宇宙はもはや人類にとって必須のインフラだ。私たちの頭上を飛び交う人工衛星は、通信からGPS、天気予報や氷の監視にいたるまで、さまざまな役割を果たし、人々の暮らしを支えている。
そのため、人工衛星の数はここ数年で急増しており、一部のインターネットプロバイダーが引越しを検討するほど混雑しつつあるそうだ。
静止軌道・中軌道・低軌道にある人工衛星
一口に地球の軌道といっても、いくつか種類がある。・静止軌道
1つは、「静止軌道」と呼ばれるもので、地球の赤道から35,786kmの上空にある。ここに打ち上げられた人工衛星は、地球の自転とピッタリ同じ速度で地球をぐるぐると周るため、地上からは上空で静止しているかのように見える。
現在、ここには552基の衛星があり、その多くは通信衛星や気象衛星だ。
・中軌道
次に、地球上から2,000km~静止軌道までの範囲を「中軌道」という。ここは米国の「GPS」、EUの「ガリレオ」、ロシアの「GLONASS」、中国の「北斗」といった衛星測位システムを支える衛星などが利用する。
中軌道には現時点で199基の人工衛星があるが、一部の宇宙インターネット・プロバイダーはここの軌道への引越しを検討しているという。というのも、そのさらに下にある「低軌道」が混雑してきているからだ。
・低軌道
低軌道は地球上から200km~中軌道までの範囲を指す。現在、低軌道には8,110基の衛星が存在するが、うち6,050基がスペースX社が運用する「スターリンク」のためのものだ。そう、ある意味、この混雑はイーロン・マスク氏が作り出したと言える。
だがマスク氏はこれに満足しておらず、現在の2倍の12,000基近くを目標としており、さらに3万4400基まで増加させる可能性もある。
![3](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/b/4/b4c67159.jpg)
地球の低軌道に衛星が大量にあることの懸念
宇宙は無限に広がっているとはいえ、これほど多くの衛星がとりわけ低軌道に集中することに懸念がないわけでもない。1つは、その光によって夜空が変化する恐れがあることだ。
過剰な光による悪影響を「光害」という。その主な原因は地上の都市の照明で、そのせいで星空が見えなくなるだけでなく、生態系への影響も出ている。果たして、ひしめき合う人工衛星の光は地球にどのような影響を与えるだろうか?
もう1つの懸念は、宇宙ゴミの激増だ。人工衛星が効果的に働くことができる軌道は限られており、そのためにルートが交差し、それを再調整するといったことが頻繁に行われている。
現時点で深刻な事故は起きていないが、今後もっと人工衛星の数が増え続ければどうだろうか?
人工衛星もいずれは寿命を終え、機能しなくなるし、そうなってしまえばその制御は容易ではない。
一度の衝突事故は、その破片を散らばらせ、さらなる衝突へとつながる。
こうして連鎖的に衝突が起きることを「ケスラー・シンドローム」というが、そうなれば宇宙は使用できない場所となってしまう。
これから本格的な宇宙時代を迎えようというのに、人類は地球に閉じ込められてしまうかもしれないのだ。
References:How Many Satellites Are Currently In Orbit? | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo
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25年間行方不明だった「失われた人工衛星」が発見される
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