講談社:2024.03.25 「大谷を守るために…」。水原一平氏の「証言」はなぜ変わったのか? 浮上してきた「3つのシナリオ」の中身より転載します。
なぜ証言が変わったのか
「水原氏の最初の発言は、借金の存在を大谷氏に告げたところ、大谷氏が450万ドルのお金を自分の口座から振り込んでくれたと言っていましたが、翌日、すべての証言を否定しました。なぜ水原がストーリーを180度変えたのか、それが焦点になっています」
*
米ロサンゼルスドジャースの大谷翔平の通訳をつとめていた水原一平氏が、違法賭博にかかわっていた疑惑などを理由に同球団から解雇された問題は、いまだ国内外の多くの人々に衝撃を与えつづけている。
![](https://gendai-m.ismcdn.jp/mwimgs/0/0/1200/img_00423abdbd830eddce5c34265d61c5d7128988.jpg)
〔PHOTO〕Gettyimages
そんななか現地アメリカでなによりも注目を集めているのは、水原氏の証言が、大きく変化したことである。
当初、水原氏はスポーツ専門局『ESPN』に対して「スポーツ賭博にハマり多額の借金を抱えてしまったことを大谷に告げたところ、大谷が返済のために大谷自身の口座から、返済すべき口座へおカネを振り込んでくれた」という趣旨の発言をしていた。しかし翌日、この証言を完全に否定した。証言は大きく変化したのである。
ギャンブルが引き起こす諸問題に対応する組織"Campaign for Fairer gambling(より公正なギャンブリングを目指すキャンペーン)"の所長で、アメリカのスポーツ賭博の問題にくわしいデレック・ウェブ氏は、状況をこう整理する。
関連記事大谷は「試合に出られなくなる」のか…? 水原一平氏の解雇問…
「2つめのシナリオは、水原が最初に言ったことが事実であるというものです。彼はギャンブリング中毒になり、借金が膨れ上がっていったとき、頭のどこかに最後は大谷に助けてもらえる、という甘えがあった。そこで大谷に借金のことを告白したら、大谷は水原を許して、自分の名前で送金をおこなった。
しかしその後、カリフォルニア州はスポーツギャンブリングを合法化していない12州のうちの一つで、水原の最初の話が事実であると大谷がin jeopardy(危険にさらされる)になることがわかってきた。そこで、大谷を守るためにストーリーが180度変えられた。
3つめは最悪のケースです。可能性は限りなくゼロに近いですが、大谷自身がギャンブリングをしていて、水原がそのことを隠すべく、自分がギャンブリングをしていて、それからできた借金を大谷が肩代わりしたという嘘をついた。そのあと弁護士がかかわってきて、より大谷へのリスクが少ない方向にストーリーが変わらざるを得なかった。この場合、当然、大谷は送金のことは知っていたことになります。
あるいは、ギャンブリングをしていたのは水原と大谷の2人で、水原がそれを隠すために自分だけがギャンブリングをしていたことにして、できた借金を大谷が肩代わりしたということになります」
3つのシナリオのうち、どれが正しいのかを判断するためには、さらなる状況の解明を待つ必要がある。
いずれのシナリオが正しいにせよ、気になるのは、この一連の事件が大谷にどのように影響するかだろう。
【つづき】「大谷は試合に出られなくなるのか…? 水原一平氏の解雇問題、これから大谷に訪れること」でくわしく見ていこう。
2024.03.24
「イッペイは身の危険を感じていた」…!大谷翔平の通訳・水原氏が「命を狙われる可能性」と、その背後にある「巨大犯罪組織」の正体
https://gendai.media/articles/-/126432