■なぜ政府はやらないのか。子ども1人産んだら1000万円支給と消費税廃止で日本は復活する | タマちゃんの暇つぶし

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マネーボイス:なぜ政府はやらないのか。子ども1人産んだら1000万円支給と消費税廃止で日本は復活する=神樹兵輔氏2024年2月16日より転載します。
 
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今回は「子ども1人産んだら1,000万円支給」と「消費税廃止」を実行すれば、少子化問題は解消して日本経済も爆上がりになる。つまり「日本版ニューディール政策(新規まき直し)」を行えば日本は蘇る!というテーマで解説していきます。現状の人口減少ペースでは、もはや老後の安心は望めません。(『 神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる! 』)

【関連】イカサマ賭博「宝くじ」を買ってしまう7つの認知バイアス。総務省OBに高給を与えるための歪んだ分配構造=神樹兵輔

※本記事は有料メルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』2024年2月9日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:神樹兵輔(かみき へいすけ)
投資コンサルタント&マネーアナリスト。富裕層向けに「海外投資懇話会」を主宰し、金融・為替・不動産投資情報を提供。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』 『面白いほどよくわかる最新経済のしくみ』(日本文芸社)、『経済のカラクリ』 (祥伝社)、『見るだけでわかるピケティ超図解――21世紀の資本完全マスター』 (フォレスト出版)、『知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ』(高橋書店)など著書多数。

どんどん減っていく日本国民

2022年の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの数)は、過去最低の1.26でした(過去最低の1.26は2005年にも記録)。

ちなみに出生数も過去最低の77万759人で、初めて80万人台を割り込みました(前年比4万875人減)。この状況だと、出生数の70万人台割れも2~3年後のことでしょう。

死亡者数も年々増えて、2022年は過去最多の156万9,050人となり、出生数と死亡者数の差である「自然増減数」は79万8,291人でした(前年は62万8,234人)。自然増減数の拡大は続いており、日本の人口は今後もまだまだ100万人近い単位のまま猛スピードで減っていきます。

そのため、日本の総人口は2022年時点で1億2,494万7,000人(前年比55万6,000人減)で、12年連続で減少。また、このうち日本人の人口は1億2,203万1,000人(前年比75万人減)で11年連続の減少でした。

このようなペースで人口が減っていくと、2053~54年頃には日本の総人口が1億人を切るとも言われる日本なのです。

もはや老後の安心は望めない

日本の先行きは、内需の衰退でGDPも縮小し、社会保障も縮減せざるを得ない状況でしょう。

社会保障の代表的な「年金制度」は、現役世代から高齢世代への仕送り方式(賦課方式)ですから、現役世代の支え手の人口が減り、高齢世代の人口が膨らめば、高齢者への仕送り額も減らさずにはいられないからです。

年金支給開始を現行の65歳スタートから繰り延べして、70歳スタートや75歳スタートに遅らせる以外に道はなく、これからの日本のセーフティネットである社会保障は、どんどんポンコツに近くなり、現役世代がますます高齢世代に移行するほどに、日本人の生活全体が窮乏化していくこととなるでしょう。

老後の安心は、もはや望めないのです。

そして、これまでは、老後の年金不足の場合の補填において、頼りになった生活保護費も減額必至です(生活保護費受給者の半数は65歳以上高齢者で、支給総額は約4兆円で国が4分の3、自治体が4分の1負担)。

安倍政権で始めた生保の減額も、各地で訴訟が勃発し違法・違憲とされ、遅々として進まなくても、今後の増額は無理なので、高インフレになればイチコロで窮乏化寸前の状態です。

「年金」はすでに「払い損」になることが確実視されている

ただでさえ、現在50代より前の若い現役世代の人たちの年金保険料総支払額は、「払い損」の幅も大きくなっていくのです。

民間の各種試算では、それが確実とされているのです。

これでは、今の若い人たちは、年金を払う意味さえ、もはやなくなっているでしょう。

「払い損」になる年金の「保険制度」では誰も入りたくなくなります。ただし、国民年金も厚生年金も強制加入が義務付けられています。

厚労省データでは、「現在20代の人でも、年金保険料の総支払額の2・1倍の年金の総受給額が確保されているから、安心です」などと勝手に「賃金上昇率」や「物価上昇率」のデータを都合よくいじくり回した挙句、テキトーすぎる推計値を出して強弁しています。

しかし、この推計データの大元の根拠が、そもそも会社折半分の支払い保険料を除外したインチキデータであることは、 本メルマガ でも既述した通りなのです。

すなわち民間の試算のほうが現実的で、今20代の人は、払った保険料総額の半分程度が老後に受給できれば「御の字」というのが、ほぼ常識とさえなっているのです。

Next: なぜ全力で少子化対策をしてこなかった?亡国へ突き進む日本

なぜ全力で少子化対策をしてこなかった?

人口減少でこんな悲惨な状況になることは、30年以上も前から指摘されていたことでした。

しかし、反日・売国・世襲・金まみれの自民党と、カルト教団輩出の下駄の雪政党の公明党の連立政権での、これまでの無為無策・放漫の政治が、今日のこのような悲惨な状況を招いてしまったわけです。

自公連立政権では、「少子化担当相」(2007年設置でこれまでの担当大臣は25人)などという名目でとってつけただけの「アリバイ閣僚」の存在が、いかに国民へのコケオドシだったかが明白なのです(少子化担当相を内閣に加えた2007年当時の出生数109万人が2022年の出生数では大幅に減って77万人になっている)。

それもこれも、有権者の半分の人しか投票に行かず、組織政党の自民・公明の連立政権を許してきたわけなのですから、これはもう「日本国民の自業自得」といえないこともないのです。

すでに6人に1人が相対的貧困状況という日本には、正真正銘の「異次元の大胆な少子化対策」が必要な状況です。

しかし、出生率を上げて、人口増を図ろうにも、赤ちゃんが成人するまでには、ゆうに20年はかかります。

成果が上がるのは、今頃から本腰を入れてやっても、20年後以降なのです。

自民党は、米国の言いなりで軍事費を大幅に増額し、税制や労働法制は、「政治献金」をくれる「経団連」の言いなりでした。

法人税や所得税を減額し続け、大企業や富裕層優遇の税制改訂に励んできました。その穴埋めの消費税はどんどん上げさせました。

そして「派遣」などの中間搾取を解禁して非正規雇用を増やし、外国人技能実習制度までつくり、「賃金下押し政策」を続けてきた自民党政治なのですから、これからもこうした閉塞状況を打開できるかどうかは甚だ絶望的――というしかありません。

今頃になって自民党や経団連が「賃上げ」などと口にするのも笑止千万で、どの口が言うのかと、手遅れもよいところなのです。

何でも「大風呂敷」の政策をぶち上げる空虚な岸田政権

ところで、昨2023年の年頭記者会見では、唐突に子ども関連予算を倍増し、「異次元の少子化対策に挑戦する」などと、またまた調子のよいスローガンをカラ元気でぶち上げたのが、岸田首相でした。

この人は、さしたる根拠も具体策もないのに、どうしてこう大風呂敷で大仰な言葉遣いが出来るのか――と多くの国民が「またかよ!」と思わされました。

思い出していただきたいのです。

何しろ、2021年8月の自民党総裁選で勝利した岸田文雄首相は、誰よりも自分の「聞く耳」を自慢し、令和版の「所得倍増計画」までを掲げていたのですから(金融所得課税の優遇措置もやめる方向性を口にしていたがすぐに引っ込めた)。

しかし、首相就任後10日後に行われた衆院の解散・総選挙での自民党パンフレットからは、「所得倍増」といったスローガンは早くも消えていたのです。自民党内部の声でも、できっこないのが誰の目にも明らかだったからでしょう。本当に腰砕けの岸田政権です。

その挙句に、当時の側近・山際大志郎経済再生担当相(2022年10月、反日勢力の旧統一教会とのズブズブの関係がバレたため辞任)への報道陣からのインタビューでは、「所得倍増計画」について、以下のような「はぐらかし解説」までやってのけたのでした。

山際大臣の笑えるインタビュー内容は、「(所得倍増計画は)文字通りの『所得倍増』を指し示しているものではなく、多くの方が所得を上げられるような環境を作って、そういう社会にしていきたいということを示す言葉だ」と平然と述べたのでした。

日本語がわかっているのか、この反日・旧統一教会ズブズブ男は!――と蹴り上げてやりたい気持ちになるほどの言葉で解説してみせたのです。つまり、口では「倍増」と言いながら、岸田首相の「令和版所得倍増計画」は所得が2倍になるという文字通りの意味ではない――と、旧統一教会ズブズブ癒着の側近に臆面もなく言わせていたのです。

呆れた側近のフォローでした。

そして、いつのまにか「所得倍増」が「資産所得倍増」と言い換えられ、2024年1月スタートの「新NISA」の実施がそれであるかのように誤魔化され、雲散霧消させられてしまっているのが現況でしょう。

忖度で政権べったりのマスメディアは、ロクに政権批判記事も書きませんでしたが、ほとほと岸田政権という脳ミソ・カラッポ政権には、国民もとんだ肩透かしを食らい、辟易させられたものだったのです。

結局、思いつきで調子のいいスローガンを口走るのが、岸田首相の単なる悪癖なのです。きっと「異次元の少子化対策」もそのうち雲散霧消でしょう。

そのくせ、米国との「日米合同委員会」という密約会議で結ばされた条件での「日本の大軍拡(2023年からの5年間で43兆円で米国兵器爆買いでGDP2%への防衛費増額)」や、「安保3文書の改訂」には、一切の変更なしで突き進んできているのです。

自民党歴代政権の常ですが、首相は米国の忠犬ポチであっても、日本国民の忠犬ポチではないのです。

Next: 岸田「異次元の少子化対策」は異次元レベルのショボさ…ではどうする?

岸田内閣「異次元の少子化対策」は異次元レベルのショボさ

いったい、岸田首相の言う「異次元の少子化対策」とは、どんな内容でしょうか。主だったものは、次のようなものです。

まずは、健保組合からの出産一時金が、総額42万円から総額約50万円にまで増額されます(2023年4月から)。双子なら2倍です。

そして、児童手当の拡充は、現行の所得制限を撤廃し、中学までの期間だったのを高校まで延長し、0歳から3歳まで月額1万5,000円、3歳から高校までを月額1万円とするというだけのものなのです(第3子以降に限っては月額3万円)。

他にも、産休・育休時の給与補償額の増額、奨学金貸与の優遇措置など、いろいろ細々とした政策を掲げていますが、今までと比べて、どこが画期的なのか、多くの国民にはピンと来るものは、まるでありません。

要するに「異次元」という言葉のインパクトがまったく感じられない、国民の誰もが、岸田首相の「本気度」を疑わせるのに十分な「ショボさかげん」に他ならないものなのでした。

本当に「異次元のショボさ」と揶揄されるばかりの政策です。

それどころか、こうした施策には3兆円台半ばの予算が必要になるというのですが、歳出改革で捻出できない分は、不足分を増税でなく社会保険料(健保)に毎月500円を上乗せして賄いたい――などという目論見までが露見し、物議をかもしている有様です。

要するに、米国の命令で防衛費を5年で43兆円も増額することについては、それなりの予算措置はつけたものの、「異次元の少子化対策」のほうの3兆5,000億円については、まったく確定していないのに、「異次元の少子化対策」などと言っているだけなのです。

米国と経団連には忠犬ポチですが、国民のほうを向いた政策はまともに推進できない世襲3代目の哀れな岸田首相なのでした。

ひろゆき氏提案「子ども1人を産んだら1,000万円支給」でもまだ安い

文科省の試算によれば、子ども1人にかかる大学卒業までの「教育費」はおよそ1,000万円とされています(塾などの習い事を含む)。ただし、これは幼稚園から大学までをすべて国公立で学んだ場合の目安です。全部が私立なら、ゆうに2,000万円を超えるケースも珍しくありません。

これでは、子ども1人を生むのでさえ躊躇せざるを得ないでしょう。

なにしろ、経団連の命令に従って「日本人の賃金下落政策」や「消費税増税」を行ってきた自民党の悪政のおかげで、可処分所得(自由に使える手取り金額)は圧縮され続けてきたのが日本国民なのですから。

子ども1人分の大学までの進学費を考えただけでも、賃金の低い若い夫婦にとっては、子どもを産もうという気持ちさえ萎えてしまうでしょう。

ところで、10年近く前に、ある予備校経営者が提案した「出生数増加策」というのが当時ちょっとした話題になりました。

「東進ハイスクール」を設立し、「四谷大塚」「早稲田塾」「イトマンスイミングスクール」などを展開する株式会社ナガセの社長・永瀬昭幸氏が、全国紙に意見広告まで出して提唱したのが、「第3子が生まれたら国が1,000万円を支給すべき」というものなのでした。

第2子まで設けている両親は、第3子目をつくろうと、背中を押されるような突出した提案でした。

予備校経営者なので、少子化に焦って、こんな提案をしているのだろう――と皮肉って冷笑する向きさえありましたが、永瀬氏の提言は、当時としては画期的で、それなりの反響を呼んだものでした。政治家たちだけは相変わらず無視していましたが…。

ところが、時が移って、昨今では「2チャンネル」の開設者として有名な「ひろゆき」こと実業家の西村博之氏が行った「子ども1人生んだら1,000万円支給」という提案がかなり注目を集めているのです。

かつての永瀬氏の提案をさらに押しすすめた施策の提案なのです。

「そんな制度をつくったら、子どもだけ生みっ放しで育児放棄する、えげつない親が増えて困る」とか「まとめて渡して浪費されるより、毎年50万円ずつ分割して19年間支給する方がよい」などといった反論もあるようですが、これは傾聴すべき名案ともいえるものではないでしょうか。

ひろゆき氏いわく「一括で1,000万円支給するからこそ、意味があり、インパクトがある」といった趣旨を述べていますが、その通りでしょう。

子ども1人に1,000万円支給で、100万人出生の場合にかかる費用は10兆円です。

2023年度の国家予算の歳出に占める社会保障費は、約37兆円です(歳出総額の約32%。社会保障給付費の全体額は134兆円)。これと比べてどうでしょう。

あるいは、防衛費で米国製兵器の爆買いで毎年10兆円近く使わされることを考えれば、100万人の出生で10兆円は高くもない金額でしょう。

3人つくれば、3,000万円になるので、地方なら家が買えます。

住宅ローンがなくなれば、家計はぐっと潤うことでしょう。

また、1,000万円ではまだまだ少ない、1人生まれたら1,500万円支給するようにすれば、100万人でも15兆円ですむのだから、もっと奮発しろ――などと勢いを帯びた声もネット上では散見されます。

Next: 経済にブレーキをかける「消費税」を廃止すれば日本の未来は上向く

消費に罰金を課す消費税こそが「デフレ」の元凶

ついでに、デフレの元凶とも目される「消費税」も廃止すれば、消費も活気づき、景気もよくなり「賃上げ」にも結びつきやすいことでしょう。

ひろゆき氏提案の子ども1人に1,000万円は実に名案なのです。

将来人口が増えていくのなら、投資も促進されるでしょうし、そのうえ消費税を廃止すれば、国内需要はさらに喚起されます。

米国の兵器を毎年10兆円ずつ買わされることを考えるなら、こうした「正真正銘の異次元の少子化対策」こそが望まれるのです。

子どもが成長して、20年後以降に税金を払ってくれるようになれば、元は取り戻せます。

「少子化対策」はもはや手遅れなのですから、これぐらいの大胆でインパクトのある施策をやらなければ、「少子化」を急反転させることなど不可能でしょう。

そして一挙に「消費税」もやめれば、経済成長も望めるのです。

世襲3代目ボンボンの岸田首相の「言葉遊びゴッコ」での「子育て支援」のわずかばかりの支援金の逐次投入ぐらいでは、日本はますます窮乏化するだけなのです。

「子育て支援」と「出生増加策」は明らかに違うことを、岸田首相はもとより、日本国民すべてが認識すべきでしょう。今こそ国民すべてが大きく声を上げる時がきています。

さて、今回はここまでとさせていただきます。


次回は、「なぜ反日・売国・世襲・カネまみれの自民党が政権を担い続けられるのか?日本国民の多くが陥った不幸な『認知バイアス』の不思議」というテーマでお届けしたいと思います。


自由民主党という名の政党の悪政で、とことん貧乏にさせられてきた日本国民なのに、何故いまだに目覚めることができないのでしょう。

何しろ、2019年10月に安倍政権が消費税率を8%から10%に引き上げる際の国民の意識調査では、6割が明確に反対だったのに対して、4割の国民は「仕方がない」「わからない」という回答だったのです。4割もの国民が反対ではなかったのです。

これこそが「脳のクセ」でもある「認知の歪み」に他なりません。

国民の4割もの人が、安倍政権の消費税率アップに反対ではなかった――のですから。驚くべきことでした。

また、岸田政権の軍拡に関しては、何と6割超もの国民が「賛成」であり、「反対」はたったの12%しかいなかったのです(2023年の朝日新聞と東大・谷口研究室の調査による)。

ただし、軍拡のために法人税、所得税、タバコ税などのアップには、新聞各紙の世論調査で反対が7割近くにものぼっていたので、増税は反対だけれども、軍拡は賛成というチグハグな結果が表されていたことに、複雑な心境にさせられました。

いったいどういうことなのでしょうか――

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神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる! 』(2024年2月9日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
 
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日刊ゲンダイ:
異次元にズレた少子化対策 保険料上乗せ月額500円はマヤカシ…「実質的な負担」増は確実公開日:2024/02/17 11:15より転載します。

 国民に実質的な負担は生じないという触れ込みだったが――。岸田首相が唱える「異次元の少子化対策」の関連法案が16日閣議決定され、衆院に提出された。

 児童手当や育児休業給付の拡充など、これまでと“同次元”の少子化対策に今後3年間で約3兆6000億円の財源が必要になるため、法案には「子ども・子育て支援金制度」の創設も盛り込まれている。

 支援金制度は、医療保険料に上乗せして徴収する仕組み。2026年度に6000億円、27年度に8000億円、28年度に1兆円と段階的に引き上げて徴収する。上乗せ徴収額は初年度が1人当たり月平均300円弱で、28年度には500円弱になるという。

 毎月500円ということは、年間で6000円。共働き世帯なら年間1万2000円を新たに徴収されることになる。税金か保険料かの違いだけで、どう考えても「実質的な負担」は増す。しかも、500円で済まない可能性が高いのだ。

 徴収額は加入している医療保険や所得、現役世帯か高齢者世帯かによっても変わってくる。

「総理は『増税メガネ』のイメージがつくのを嫌がっていて、負担増もなるべく小さく見せたいのです。それで保険料上乗せという形にし、月額や平均という数字マジックを駆使して少ない数字に見せる工夫をしている。毎月500円は、人口全体でざっくり割った数字であり、実際に健康保険料を負担している現役世代にかぎれば、月額1000円程度になるという試算もあります」(内閣府関係者)

 14日の衆院予算委員会では、加藤鮎子こども政策相も「1人当たりの拠出額について、どのようなお示しの仕方ができるか精査を進めてまいります」と、月額500円はマヤカシと認めるような発言をしていた。

■「ベビーシッター割引券」も不評

 それでも岸田首相は、「実質的な負担は生じない」と言い張っている。支援金で負担額が増えても、賃上げで所得が上がるから、“負担率”は増えないという屁理屈だ。だいたい、賃上げなんて大企業だけの話。給料が上がらなければ負担だけが増える。給与水準が低い若い世代の可処分所得が減れば、ますます非婚化・少子化が進みかねない。異次元のピント外れ政策だ。
 

 加藤大臣が旗を振る「ベビーシッター割引券」も、SNS上では批判や疑問の声が殺到している。前年度の1.8倍にあたる約70万枚を発行するというが、利用できるのは拠出金を支払っている厚生年金加入企業の共働き夫婦だけ。都市部の大企業従業員向けの施策だ。

 子育て支援の拡充はいいが、それが少子化対策になる保証はない。ピンぼけメガネの岸田首相は余計なことをせず、保険料の上乗せ徴収を諦めた方が少子化対策には有効かもしれない。


貼り付け終わり、