https://gigazine.net/news/20240108-tatoo-immune-system/
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針などで皮膚に傷を付け、色素で文字や絵などを描くタトゥーは、ファッションなどの目的で行われることがあります。しかし、タトゥーを入れることは皮膚の下にある免疫系に深刻なダメージを与えかねないことを、科学系YouTubeチャンネルのKurzgesagtが解説しています。
Your Tattoo is INSIDE Your Immune System. Literally - YouTube
人間の皮膚は、常に微生物や汚れ、細菌、紫外線などから身体を守るバリアの役割を果たしています。
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しかし、外部環境にさらされ続けると、皮膚は次第にダメージを受けてしまいます。
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これに対抗するために、「表皮」と呼ばれる体の表面から、約1mmの深さにある幹細胞が常に新しい皮膚細胞を生み出し、古くなった細胞は外側へと押し出すベルトコンベアのような仕組みが体内では起こっています。
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生み出された細胞が成熟するにつれて、「ラメラ構造」と呼ばれる防水性の被膜が形成されます。
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外側に押し出された細胞はやがて乾燥、死滅し、それらがラメラ構造によって凝縮され角質層を形成します。
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角質層を形成する皮膚細胞が次々に入れ替わることで、皮膚に付着した汚れや微生物を排出することができます。そのため、細胞が生み出されるこの部分にタトゥーを入れても、すぐに消えてしまいます。
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そこで、タトゥーを入れる際には、表皮の下の真皮まで針を突き刺します。
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1秒間に2回という速さで針を突き刺すことで、真皮の奥深くにまでタトゥーのインクを届けることが可能です。
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しかし、同時に何万もの細胞が死滅、または修復不可能なダメージを受けてしまいます。
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また、どんなに針を消毒しても、バクテリアの全てを殺菌することは不可能なため、針に付着したバクテリアや細菌がそのまま皮膚内へと入り込んでしまいます。
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さらに、インクの原料には何百種類もの化学物質が使用されているため、中には毒性や発がん性があるとされる鉛やニッケル、クロムなども含まれます。
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体内に侵入したこれらの物質に対し、すぐに体を保護すべく何十万ものマクロファージが動き出します。マクロファージには、体内に侵入した異物を取り込んで、死滅するまで攻撃を行う働きがあります。
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しかし、タトゥーで用いられるインクの粒子はマクロファージが取り込めないほど大きく、マクロファージは攻撃を行うことができません。
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そこでマクロファージはインクの粒子の拡散を防ぐために、毒性のある化学物質を抱えたまま、線維芽細胞とともにその場に留まることを選択します。
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その結果、インクを保持したマクロファージの色が表皮を通して現れます。
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そのため、色鮮やかなタトゥーが体の表面に浮き上がって見えるというわけです。
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しかし、タトゥーは永遠に残るものではありません。時間の経過とともにインクを保持していたマクロファージが古くなり、寿命を迎えていきます。
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その際、インクが間質液などに流れ出てしまいます。
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したがって、次第にタトゥーが薄くなっていきます。
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タトゥーを入れることは体に悪影響を与えますが、同時にタトゥーを除去することでも悪影響が生じます。これはタトゥーを除去する際、インクに対してレーザーを当てることでインク粒子が細かくなるまで加熱するのですが、その過程で健康なマクロファージも分解されてしまうためです。
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