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世界では市場予測よりもはるかに早く「脱ドル化」が進んでいます。先ごろブラジルと中国は、米ドルを外した取引協定を締結。さらにアジア圏では、マレーシアと中国もこうした取引を加速させようとしています。岸田首相のウクライナ1兆円支援にしろSDGs投資にしろ、対米従属そのもののような姿勢を鮮明にしているのは日本だけ…という状況になってきました。(『 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年4月7日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
市場予測以より早く進む「脱ドル化」
サウジアラビアがまったく米国のことを気にかけなくなりつつある…という内容を 前回メルマガ では配信しました。
その背後に存在するのはすべからく中国で、貿易などの決済需要で基軸通貨から脱落するのにはまだ時間がかかるものの「脱ドル」決済の需要が猛烈に高まり、しかもそれが定着化する動きが随所でみられるようになってきています。
先ごろブラジルと中国は、米ドルを外した取引協定を締結。さらにアジア圏では、マレーシアと中国もこうした取引を加速させようとしています。
もちろん取引額ベースでみれば、それほど大きなインパクトをもつものではありません。
しかし、こうやって一国ごとに締結作業を進めていきますと、グローバルサウスの77カ国は気がつけばすべて「人民元」決済の取引を開始する可能性があります。
やがてはSWIFTの利用が必要ない取引が激増する未来も見えてきました。
この状況でも、識者は口を揃えて「まだそんな時代が来る状況ではない」と言います。
しかし、実際の中国の足元の強烈な外交を見ると、想像をはるかに超える早いスピードでそれを実現することがありうる状況を示唆しはじめています。
欧州首脳も続々と訪中の動き
直近、フランスのマクロン大統領と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長が訪中しており、米国を尻目に「北京詣で」が進んでいます。
ウクライナ戦争開始から1年以上が経過して、EU圏の人々の多くがこの戦争に疑問を感じ始めている様子。
米系メディアが伝えるウクライナ情勢とは別の動きが出てきており、とくにEUは米国と必ずしも一体化しない方向が示現する可能性も高まりを見せています。
UKは米国に寄り添う姿勢を続けていますが、EU・北欧諸国の動き次第では、ウクライナ戦争に対する各国対応も大きく変化する可能性がではじめているということなのでしょう。
Next: 岸田首相はウクライナへの1兆円支援を約束…日本が孤立する日は近い?
岸田首相はウクライナへの1兆円支援を約束
EU諸国の動きとは裏腹に、日本の岸田首相は1兆円をウクライナに差し出して「絶え間なく支援する」などと言っています。
世界を見回してみますと、そんな対米従属そのもののような姿勢を鮮明にしているのは日本だけで、実はかなりレアな存在であることがわかります。
ゼレンスキーは習近平にウクライナ訪問を要請しているようですが、もし習近平がロシアとの仲介に入って停戦や終戦などになった場合、バイデンは完全に形無しの状態に陥ることは間違いなさそうです。
ここからは習近平の動きにも目が離せない状態が続きます。
ESGだ!SDGsだ!コオロギだ!と騒いでいるのは、気がつけば本邦だけ…
バイデン政権が誕生して以降、急激にグリーンニューディール政策を行うことで米国を画期的に改革するといった話が全面に飛び出してきました。
そして、EUも日本も、それに従う動きを見せてきました。
しかし、EUは「EVシフト」の幻想から目を覚ましたようで、2035年以降もエンジン車の新車販売を認める方針に大転換をはかっています。
総論では耳障りがよくても各論になるといろいろと不都合が出るESGやSDGsは、投資領域で一時活況を呈するかに見られたウォール街でも散々で、この手の話をいまも口にするのは残念ながら本邦の証券会社ぐらいしか見当たらないところまで状況は変化しています。
ウクライナ戦争でロシアから穀物の肥料が入らなくなる、ならばコオロギを食べよう!…といったかなり唐突な話も、結局はウクライナ紛争に端を発したもの。欧州圏ではイタリアがコオロギ禁止を打ち出すなど、反旗を翻しはじめています。
日本はというと、米国と肩を並べて孤立した状況に陥る可能性が高まっています。
ドル外し・円外しとなれば、ドル円はたいして動かないのかも知れません。とはいえ、為替を取り巻く国際状況は短期間に驚くほど変化しており、岸田政権のとにかく対米従属という政策継続はすさまじい孤立に直面するリスクがあることは予め認識しておきたいところです。
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