土用丑の日に思う | たまご寒天のブログ

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テーマを選ばず思いついた事をそのつど書き込みます。
好きな作家は藤沢周平さんです。
歌手羽山みずきさんのファンです。

今日は土用丑の日だ。

 

遥か昔の事になってしまったが、夏場特に学校が夏休みになると毎日近くの港に釣りに行っていた。

色んな魚を釣ったが、連日釣ったウナギのかば焼きを食べていた年も有った。

私の出身地は四国の太平洋側です。

 

ウナギを捕獲するのには色んな方法が有る。

ウナギは夜行性なので、昼間の明るい時間は海中の石垣の中や海底の穴の中に潜んでいる。

 

まずやったのは穴釣りだ。

切り出した竹を縦に細く割り、それをナイフで削って太さ3mm×長さ1.5m程の長いひごを作る。

ひごの先に釣り針をテグスで固定する。釣り針を固定するのはたこ紐でも良い。

港の護岸用堤防の土台は、石組みされている事が多い。

干潮の時間を選んで、石垣のある場所に行き、ひご先に取り付けた釣り針にエサ(魚の切り身で良い)を刺し、水際の石組みの隙間からそろりと入れていく。

石組みの近くにウナギが潜んでいると、すぐにごつごつという当たりがある。ウナギが竹ひごの先の餌を引っ張り込む感触があると、一呼吸おいて一気に竹ひごを引っ張る。

そうするとまるまると太った天然ウナギが釣れるという塩梅です。

 

釣り竿でテグスを垂らして、餌釣りをするのが一般的だが、ウナギの習性から釣りをするのは通常日が暮れてからとなる。

日が暮れて暗くなると、潜んでいたウナギが餌を探しに活発に動き回るのを底釣りするわけだが、大雨や台風などで海が濁ると、ウナギは動きが活発になるので、昼間でも釣れることがある。

大雨の日はウナギ釣りに最適でした。

 

友達と夏休みにキャンプ遊びで、山奥の川の上流の河原にテントを張ったことが有ったが、この時は10m程の長さのテグスのところどころに針を取り付け、餌をつけて川の中に沈めておいたら、翌朝ウナギが掛かっていたことが有った。大げさに言うと延縄のようなものだ。

大きなモズクガニも掛かっていたが、私の田舎の方ではモズクガニを食べる習慣は無い。

 

お盆の前後に、親父やおじさん達が変わった方法でウナギを捕獲してきたことが有る。

故郷の町の真ん中を大川という川が流れ海に注いでいた。河口に近い場所は、汽水域と言って潮の満ち引きで水の深さが変化する。

おじさん達は、まず潮が引いて浅くなった川の真ん中に行き、川底の石ころを山の様に積み上げる。川底の石ころは直径10cm程のごろた石が多く、見る間に直径3m高さ1m程の石の山が出来上がる。

 

そして翌日の昼間、干潮の時刻に再び川に行き、積み上げた石ころを静かに剥がしていくと、夜間の満潮時に石ころの山の中に入り込んだウナギが見つかるのだ。

静かに石ころを剥がして行けばウナギは逃げないので、先端の部分がギザギザになったヤットコの様な道具で、ウナギを挟んで捕まえ魚籠に取り込むというしかけだ。

 

本家の中庭に井戸水を入れた大きなたらいが置かれ,、おじさん達が獲ってきたたくさんの天然ウナギが放たれ、親戚筋の人達が数匹ずつ貰って帰った。いとこ達も集まり賑やかだった。懐かしい思い出です。

 

もう一度いやというほどウナギを食べてみたいなと贅沢な事を思う。

 

因みに、今住んでいるこちらの地方ではウナギは生息していないみたいで、ウナギを自分で釣る事は出来ない。

日本海側だと能登半島辺りが北限になるそうですね。