(昨日のつづき)登山指導センター前6時00分の予定が、7時スタートになってしまった。複数の山岳会の集合体だと、時間通りに進めることからして難しい。意識を高めなければならない。
今年のマチガ沢は過去最高に雪渓が残っています。巌剛新道からマチガ沢に下降する地点よりはるか下、沢と新道が一番近づく箇所から20分も歩かないで雪渓上に出られます。
S字を描くマチガ沢の下部のカーブの下の下まで上画像の通り雪渓が残っています。こんな光景ははじめて見た。
となれば、急ぐ一手です。雪渓通しで登れるのであれば、マチガ沢東南稜に取り付くタイムリミットに間に合うことが濃厚だからです。
すいすいと登り、どんなに雪があっても必ず切れている箇所で初ザイルを出す。ベテランに先行してもらい、ルート工作を頼んでおきました。
ザイルはフィックスというより補助ロープ的な意味合いです。新人さんはアイゼンでの初登攀に四苦八苦。上画像の2年連続参加のYさんは流石の登攀でした。
今年は新人さんのために2ピッチ伸ばしました。新人さんはメンタル的に怖さが勝ってしまったようで、この後はスピードが急激に落ちることに。
雪渓の切れ目を登攀で巻いて、また雪渓上に戻ります。戻ってからの雪渓は角度がぐんと増します。
ザイルを出した登攀地点から、右側の雪渓上にトラバースして休憩するまでのちょっとした動画をアップします。お楽しみください。
東南稜取付までもう少し
東南稜取付直下にもしっかり雪渓が残っていました。しかし、ここはかなり急です。巻くのが賢明だと思います。わたしとYさんは果敢に雪渓をつめました。
取付から東南稜の1ピッチ目を見上げる。今年も登攀するかどうかの判断としているタイムムリミットには間に合わなかったので、本谷直上することになりました。というよりも、今年の隊の実力からして、そもそも取り付けるレベルではありませんでした。来年の海外遠征に向けて、新人さんには体力・気力・技術、すべての面で鍛錬してもらう必要がありそうです。夢のヒマラヤは努力次第。是非、諦めずに頑張っていただきいです。(書いてるわたしもしょーもなーだから努力しなければ・・・)
マチガ沢本谷を直上し始めると頭上の稜線付近にマズイものが。巨大な雪塊です!
・・・ダメだあれ。今すぐにでも落ちてくるよ。大参事だよ。
というわけで、雪塊の崩落ルートに入らない場所に逃げ込んで、土壁を登ります。昨年も登った土壁ですが。今年は乾いていてサクサクと登れました。昨年はドロドロだったので、大変難儀したのですが。。サクサクと言っても雪塊のこともあるので、最速中の最速で抜けたい。新人さんには2ピッチザイルを出しました。
稜線付近から。いやーでかい。あれが落ちたら大変なことになるよ。(下山時も別の場所で大崩落を目撃しました)。やはり自分の上にはこういったものが降ってこないと考えるのは誤りです。危ないと思ったら即座に逃げるなり対処するなりしないといけません。
今回は崩落ルートを外せたから良かったものの、この雪塊を認知する前に、上部でドドーーンと音が聞こえたら、こういったものが落ちてくるかもしれないと想像して、兎に角全力で沢の脇に逃げる等しなければなりません。本当に肝に銘じておかないと残雪期の沢は死ねます。注意!
稜線に抜けて残りの隊員を待つ。つめてきたマチガ沢が足元に伸びている。
今年も全員怪我することなく登頂成功。ルートはマチガ沢本谷直上となりましたが、新人さんはこのルートでも十分厳しかったようです。今年はベテランに新人さんを任せきりにしてしまいましたが、頼りになる方の多い隊だったので安心して登ることができました。ありがとうございます。
快晴の谷川岳は本当に久しぶり。名残りおしいですが、巌剛新道経由なので、せかせかと下山の途につきました。下山後は宴会をし、楽しく交流を深めました。(2日目につづく)