わたしの所属している栃木県山岳連盟海外委員会のイベントといえば、冬にトップクライマーをお招きしての「海外登山の集い」を開催することと、海外登山で有用な技術を先達から引き継ぐ役目「海外登山技術交流会」の2つがあります。今年は昨年提案させていただいた、「海外登山技術交流会」を夏冬2回にしたいとの要望が通り、「海外登山技術交流会(夏季)」と「海外登山技術交流会(冬季)」があるので、計3つになりました。
今回は、その中から6月中旬に開催された「海外登山技術交流会(夏季)」のお話を。
現在の栃木県山岳連盟は、来年70周年を迎えるにあたり、70周年記念遠征登山を計画しています。現在隊員募集中なのですが、今回の海外登山技術交流会は、昨年に引き続き、海外遠征を視野に入れている皆さんにも参加していただくことになりました。
ついては、正式名称が「海外登山技術交流会(夏季)兼海外遠征合同訓練」というなんともお役所的な状態になっております。御愛嬌ということで許してください。
今年もわたしが仕切り役ったので、場所は例年通り谷川岳マチガ沢周辺とし、初日は、能力の確認の意味を込めてマチガ沢東南稜のアイゼン登攀、2日目は、マチガ沢の雪渓上で栃木の海外登山キャリアの方からスノーバーを用いたFIX構築のノウハウを伝授してもらう実技講習、の1泊2日としました。
参加は、主催の海外委員会からはわたしを含め3名(宇都宮渓嶺会2名、ホンダ山岳部
1名)の他、小山山岳会から2名(内1名初日のみ)、宇都宮渓嶺会から1名、古河電工山岳部1名(2日目のみ)、宇都宮白峰会から1名の計5団体から9名でした。
宇都宮白峰会のSさんと、小山山岳会のYさんは、昨年に引き続き海外遠征訓練流れでの参加です。やる気あふれております。ありがとうございます。
わたしはこれで5年連続の参加です。2年前から本企画のリーダーを任せてもらっていて、自由に企画立案していいことになっているのですが、基本、初日は同じことをやっております。「マチガ沢東南稜をアイゼンで登攀して山頂を目指す」です。まあ、2日目の実技講習のためにしっかりした雪渓が必要なので、どうしても場所は限られてしまうのですが、それでも同じ場所を選んでいるのはそれだけが理由ではありません。
やはり、海外登山というものは、ある種の寄せ集めの隊と言っていいことのほうが多いと思います。つまり勝手知ったる仲間といくことのほうが少ないのです。山屋にもいろんなタイプがいるし、技量も千差万別でしょう。そうなると、そういう隊での行動時、どんなことが起こるのか経験値をつみたくなる。同じ場所に入ったほうがその違いは顕著に感じることができると思うのです。そんなわけでマチガ沢に5年連続入っています。
2013年 マチガ沢東南稜取付まで届かず。途中でピストン敗退。
2014年 マチガ沢東南稜アイゼン登攀成功
2015年 マチガ沢東南稜アイゼン登攀成功
2016年 マチガ沢東南稜取付に辿り着くも、タイムリミットを越えていたため、マチガ沢
本谷を直上して稜線に出る。
と、また病気のように前段話が長くなってしまいました。明日から山行内容に入りたいと思います。(つづく)