映画ベスト10。(2016年度下半期版) | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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 2016年の下半期も上半期同様に良質な作品が多く、本当に当たり年といって1年になりました。おまけに興行成績的にもヒット作品に恵まれたのだから、業界やファン的には大満足だったのではないでしょうか。さて、ローグ・ワンを観る前に年を越してしまってなんですが、ローグ・ワン抜きで下半期のベスト10を発表したいと思います。

 下半期は、邦画からアニメーションが3作品と実写1作品が入選。アニメーション作品はそれぞれ毛色が違うので、アニメーションというジャンルの幅を示せたのではないでしょうか。もし新海監督作品だけで今年のアニメが語られてしまう年になっていたなら、よくも悪くも新海監督は辛い立場に立たされていたでしょう。

 ジブリと組んでも作風が変わることのなかった、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の作品、すべての要素が主題に寄り添っている片瀬監督の珠玉の1本、この2本と並ぶことで、「河童」「レミー」「ペルセポリス」の2007年三つ巴を、日本アニメーションだけで再現してしまった。まさに至福の1年でありました。

 邦画の実写で唯一入選となったのは西川監督の新作。細部まで抜かりのないまさに映画の手本となるような作品でした。今年の邦画は骨太の演出で勝負する作品が多く見られたけど、個人的には細部にもこだわって欲しい。

 下半期はヨーロッパ映画に唸らされる作品が多く、下半期入選作品の半分近くを占めました。ヘイ監督の演出は、突出した表情を演者から何度となく引き出していて脱帽したし、クローリー監督の新作は、ラブストリーでありながら、甘いだけではないクローリー節も健在(ダブリン上等!)のお見事な1本。ソレンティーノ監督の新作は、人の内省の動向と矛先を追い見事に讃えていた。ヨーロッパ映画は相変わらず世界と繋がる門の役割を果たしてくれている。嬉しい。唯一のドキュメンタリー映画もイギリスからのカパディア監督の新作。事象の提示の仕方が相変わらず秀逸でした。

 ハリウッド映画からはファヴロー監督作品とイーストウッド監督作品の2本。前者は実写と区別できないほどのシーンが何度となく登場する技術革新的な1本で、後者はこの内容をでここま見応えたっぷりに撮りますかと呆れるほど巧みな1本でした。

 2016年のたま賞は、この下半期のベスト10と上半期のベスト10の中から選考されます。乞うご期待♪

 

『AMY エイミー』 (アシフ・カパディア監督)―イギリス=アメリカ

 

『君の名は。』 (新海誠監督)―日本

 

『グランドフィナーレ』 (パオロ・ソレンティーノ監督)―イタリア=フランス=スイス=イギリス

 

『この世界の片隅に』 (片渕須直監督)―日本

 

『さざなみ』 (アンドリュー・ヘイ監督)―イギリス

 

『ジャングル・ブック3D<日本語吹替版>』 (ジョン・ファヴロー監督)―アメリカ

 

『永い言い訳』 (西村美和監督)―日本

 

『ハドソン川の奇跡』 (クリント・イーストウッド監督)―アメリカ

 

『ブルックリン』 (ジョン・クローリー監督)―アイルランド=イギリス=カナダ

 

『レッドタートル ある島の物語』 (マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督)―日本=フランス=ベルギー

 

*注 作品の並びは50音順になります。

 

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映画ベスト10。(2016年度上半期版)

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映画ベスト10。(2015年度下半期版)

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映画ベスト10。(2015年度上半期版)

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映画ベスト10。(2014年度下半期版)

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映画ベスト10。(2013年度下半期版)

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