山行報告【皇海山クラシックルート(バリエーション)】前編 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

1.前書き

本年の山行一発目は、栃木にいたら此処しかないでしょうという山です。そう庚申山と皇海山。なんたって今年の干支は申じゃないですか?皇海山に祀られているのは「庚申二柱大神」ですし、なにより庚申山の麓には猿田彦神社があります(庚申山荘近くに元猿田彦神社跡有り)。年始一発目にはうってつけ山域というわけです。


おまけにこの銀山平から庚申山―鋸山11峰―皇海山―六林班峠―銀山平とつなぐルートは、いまや山と高原地図上では破線すら引いていないクラシックなルート。栃木の四大難ルートの1つです。


1ルート目は、滝尾神社からの女峰山

2ルート目が、湯元から前白根経由の奥白根山

3ルート目が黒滝山経由の大佐飛山

最後の1ルートがこの皇海山クラシックルートになります。本ルートは全長27㎞もあるので体力勝負のルートですが、わたしはこの四大難ルートを全ルート雪がある時期に登っているので、今回もこの時期を狙って仕上げたいと思います。名付けて「厳冬期・皇海山クラシックルートで年始祈願山行」の巻


2.山行記録(1月10日)

当初からの懸案事項は、この27㎞の道のりを日帰りできるのかという点にありました。我々なら夏は余裕で日帰りできるルートです。冬でも無理すればできそうだけど、冬型到来の週末なので、予想より荒れると怖いから無理したくない。無理せずに日帰り可能だろうか?日帰り用の荷物に絞れば楽だけど、それでは本末転倒で話が違う。やはり日帰り狙いでも1泊2日の荷物を担いで登るほかない。


銀山平駐車場に到着すると、まったく雪の気配を感じない。どこが厳冬期ですか、調子が狂う。そこでスノーシュー他いらないものは車中にデポし登山開始。一応鋸山11峰は痩せ尾根を歩く箇所があり、梯子場、鎖場と急な岩稜帯もあるので、ザイル及びギア持参の山行形態はバリエーションです。



出だし4㎞の林道を歩き、一ノ鳥居から山の中へ。



2時間と少しで立派で綺麗と評判の庚申山荘へ到着です。冬期は無人ですが開錠されており、お金をポストに置いていくことで宿泊や休憩に利用することができます。ここで日帰りできそうか再計算。庚申山荘に8時着。皇海山の往復も考えると、鋸山山頂に11時に到着していることがボーダーラインになる。今となっては山行開始が少し遅かったのが悔やまれる。わたしの計算だと間に合いそうにない。よし、ここは日帰りの道は捨ててのんびりと行こう。



ならば、水も持ち上げてしまえ。上に雪はあるだろうけれど、幕営地を自由に選択するためには、上で水作りの手間を省くのも一つの手だ。幸い庚申山荘からほど近い水場は涸れていなかった。ここで明日の分までも含めた水5Lを歩荷に加える。



奇石、怪石を楽しみながら、稜線へつめて、庚申山に到着。ここからは稜線歩き。











稜線上に当初は雪がなかったものの、徐々に白く染まっていきます。









鎖場、梯子場、痩せ尾根を越えて、剣ノ山



そこからひと登りで鋸山山頂に到着です。到着は13時。流石にのんびりし過ぎたか。日帰り判断のリミットは11時だから、今回は幕営決定。



山頂からの眺望(日光連山)



日本百名山3座の競演(皇海山、奥白根山、男体山)



不動沢のコル方面へ下山し(鋸山の北側斜面は雪たっぷり)、雪のある適当な場所を見つけて、テントを設営、荷物をデポして、皇海山を目指しました。振り返ると、鋸山11峰が前穂北尾根のようです。



皇海山に入るといました山の主が!わざわざお出迎えありがとうございます。



そして山頂直下の大剣に到着。庚申二柱大神が祀られています。ここで1度目の祈願を致しました。



そして雪化粧した皇海山山頂に到着です。わたしは、皇海山は今回で3回目ですが、はじめてクラシックルートから登れて大満足です。



皇海山は群馬側から登るとその姿を拝むことができませんが、このルートをとると、その見事な雄姿を拝むことができます。なかなかかっこいい!(上画像は道中の稜線上から撮影)

鋸山~皇海山の間には、雪はそれなりに着いていて、水5Lも持ち上げた意味はありませんでしたが、水作りしなくてよいと考えれば、まあ良かったことにしましょう。今回は雪の量が少なかったので、山行開始を早めて荷物を削れば日帰りできたかもです。ま、それは次回のお楽しみということで。

雪の量が少ないため危険は少ないであろうと判断し、明日の下山を六林班峠経由にすることを仲間と確認して就寝としました。積雪期の山腹のトラバース下山は本来タブーですが、この積雪量なら問題ないでしょう。できたら、迷いやすいと評判の六林班峠からの周回ルートを用いて下山したかったので、明日が楽しみになりました。(後編につづく)