谷川岳CC報告@初日「一ノ倉沢烏帽子沢奧壁南稜」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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初日は、4時30分白毛門駐車場発、一ノ倉沢出合で登攀準備を完了させ、出合を発ったのが6時という流れでした。出合には既にテントが3張りもありました。同じように3連休続けて登るのでしょうか。




岩壁までのアプローチ上には雪渓はまったくありませんでした。テールリッジまでの取付きは大きく高巻いて、懸垂渋滞で早々と待ち発生。6名近い団体さんなので、途中で上手く抜けるといいなあと考えつつ




今日登るルートを偵察。大雑把に1がテールリッジという取付きまでのアプローチの部分。2が烏帽子沢奧壁のトラバース箇所。3が本日登る南稜のスカイリッジです。ザイルを出すのは3だけ。




つってもテールリッジへの下りとテールリッジへの取付きは2~3級は確実にありますね。フィックスが張ってなかったらザイルを出さざるを得ない箇所もあると思います。




快晴で紅葉の一ノ倉を登れる喜び。




テールリッジ上部はスラブです。雨で濡れるとやらしいので注意。




テールリッジを登るきると、衝立岩の基部(中央稜の取付き)に出ます。ここから左へ烏帽子沢奧壁をトラバースして




南稜テラスへ到着です。見上げた先へと登っていくのが南稜のルート。ルートファインディングの難しさがなく、登攀自体も容易とされ、初級者ルートとされています。この日は先行隊が2組、待っている間に後続の2組がやってきて、さらにわたしらが登りだした後にも2組上がってきたようです。南稜は人気のルートですね。この快晴なら当然です。




待っている間は景色を楽しみながら腹ごしらえ。




さて出だしの1~3Pを8月に烏帽子沢奧壁中央カンテから撮影した写真で御紹介。南稜の核心は最後の7P目(V)のフェースですが、中には1P目のチムニーが一番難しいという人もいます。




これが1P目のチムニー(8月撮影)。フォローもここが一番難しかったと言っていました。登り出し始めだから体がが動かないので、そう感じるのかもしれません。




2P目(Ⅳ)は簡単。3P目(Ⅱ)の草付は踏み跡をコンテで歩き、4P目(Ⅲ)は写真の大岩を左側に出ます。




5P目(Ⅲ)の馬の背リッジ。今回は各支点で先行隊が抜けるのを待つという各駅停車で、のんびりクライミングでした。個人的には急いでなかったので、前が遅いのはかえって好都合。紅葉を楽しめて良かったです。




6P目のカンテ(Ⅳ)




そして7P目(Ⅴ)の核心のフェース。この日は前日の雨で最後の一手が濡れていてやらしかったですが、なんとかフリーで抜けることができ、フォローが抜けたのはジャスト12時でした。登りだしが8時40分だったから、3時間20分かかったことになります。




下山は続々と登ってくる隊の横を懸垂下降6回で下りました。南稜テラスに戻ったのが14時くらいだったかな。そこで大休止して、テールリッジの下山も事故のないよう気を抜かずやり遂げ、一ノ倉沢出合まで下山しましたと。


【南稜の考察】①ピッチをきるタイミング、②支点、③ルートファインディング、④懸垂下降の難度、⑤登攀グレード、どれも容易であると感じました。アルパインをリードで何度か経験し、5.10cRPできるようであれば、登りにきてもいいと思います。

 ただし、今回は条件に恵まれました。谷川はすぐに天気が崩れますし、なにより南稜は人が多い!他所の隊の落石にはご注意ください。またアプローチのテールリッジ他も危険が多いです。気を抜いてはいけません。ギアについては、カムナッツ装備で登りましたが、カムは頻繁に使っていきました。ナッツは出しませんでした。


兎にも角にも、出合まで下山し、翌日の天気を予想するために携帯電話と睨めっこ。3連休中日もそんなに降らないと思っていたが、どうやらそんなこともないっぽい。そこで一ノ倉沢出合拠点は撤収し、土合駅駐車場に拠点を変更することにしました。白毛門駐車場から一ノ倉沢出合までの歩きがさして苦にならなかったので、明日登れるようならまた歩けばいいという判断です。雨ならみなかみ観光にきりかえます。


まあそんなこんな、無事に初日の登攀を終えることができました。このまま事故なく終えることができればいいが。(つづく)