近況535.おもいもよらない夏④「ひさしぶりの」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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本来なら中央アルプスにいるはずでしたが、敗退してきたので余った1日は地元の古賀志山でフリークライミングすることにしました。


古賀志山でのクライミングといえば、わたしは仕事前に早朝練習なんかよくしていましたが、今年は朝練に参加してくれるメンバーがおらず、6月を最後に足が遠のいていて、古賀志山に来たのは2か月ぶり。昨年は同時期に既に22回取り付いていましたが、今年はこれでなんと5回目です。平日の仕事前に組んでくれる仲間がいたというのがどれだけ希有なことだったかということですね。クライミングの世界は仲間がいないと始まらないと思い知らされます。


慣れ親しんだ古賀志山でも、2か月ぶりともなると本当に登れない。登れて5.10bってところだし、わたしの昨年からの目標でもある、岩壁の最高グレードを5.11aにのっけるなんて今では夢のまた夢。この日も今年中に落としたいとターゲットにしている死亡遊技(5.11a)に取り付くも、1ピンかけるのも怖くてあえなく敗退。


落とすどころか1ピンもかけられないなんて。。


死亡遊技は2ピンかけるまでは“右壁制限”気にしなくていいよと先輩に言われていたのに、今日いる仲間は最初から右壁制限ですよ!と言い張るんですよ。だから登れないんだよ!ちくしょ~


こんな風に5.11a落とすどころか1ピンもかけられなかったわけですが、登れなかったのはわしだけではなく、中ア全山を撤退してきた仲間も同じでした。まったくもって精細さに欠けるクライミングです。でも登れない理由がわたとしは違います。


仲間「嗚呼なんで空木岳でエスケープするなんて言ったんだろう・・・。あれはあそこからでも行けましたよね?いま考えれば行けたんですよ。ああなんでエスケープしたんだろう。悔しいなあ。悔しい悔しい」




そうなのです。昨日エスケープ判断したことを悔やみ、凹んでいるのです。


そりゃそうだよな、翌日ここでクライミングしてる元気があったら今この時間は中央アルプスの稜線にいるべきだったよね。


と言いつつも、仲間がクライミングもほどほどに、凹んで悔やんでいるのを見ると嬉しくなってしまいました。この仲間には鋸岳~尾白川渓谷道の時にも20時間行動させてしまっているけれど、なんちゅうのか、メンタル面での成長が著しい。その頃から成長したんだなあ、一人前になりつつあるなあと感じるわけです。


山は、技術・体力・経験は前提でしかなく、山に対する姿勢やメンタルこそが最終的には信頼でき、ものを言う世界だとわたしは思います。この仲間はなんかそういう部分ですごく伸びている。いいなあ、いいなあと嬉しくなってしまうのです。となんの話しなんだか。


さておき、この日のクライミングの取れ高はありませんでした。全山縦走もダメなら、クライミングもダメ。二進も三進もいきません。やっぱ朝練だよな。古賀志にも鋭意取り付かねば5.11a落とすどころの話しじゃないぞ。嗚呼仲間だよ、組んでくれる仲間が欲しい。もっともっとやる気のある仲間が欲しい。いまのわたしはそんなことばかり考えているのでした。


そんなことを考えていたら、この古賀志山クライミングを終えた2日後に昔の仲間からひさしぶりの連絡が入ったのでした。(⑤につづく)