近況533.おもいもよらない夏②「夏合宿(中央アルプス全山縦走)」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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桂小場から歩き出すと30分でぶどうの泉。ここで水を確保します。稜線上の小屋でも水は得られるので、本当はここは2L確保しておけば十分なんですが、背負える性分がわざわいして5L担ぐことにしました。念には念をいれるのさ。上で水が得られるかなんて行ってみないと分かりゃしないよ。



因みに、今回の全山縦走は雨&低温に備えて、サンダル&ネオプレーン靴下という装備で挑戦しています。新しい登山スタイルの構築です。これなら濡れは気にしないでいいし、低温にも対応可能です。おまけに軽いと3拍子揃っております。


(注意)山をサンダルで歩くには訓練が必要です。安易に真似をしないでください。



稜線に出て、伊那西駒山荘に到着したのは9時。スタートして4時間45分かかりました。滅茶苦茶時間くってます。仲間の1名が不調で兎に角出だしの登りから歩けない。そして降ったり止んだりの雨、稜線は予想通りかなり風が強く、もう1名もインナーがビチョビチョで寒いからと早々と小屋で着替えていました(早っ)。わたしもここでダウンを着ました。確かに風にサラされているとレインウェアだけでは寒いです。


でも稜線は風13mに気温14度くらいで体感1度くらいかな。そこに雨の濡れだからまあ寒いのはしょうがない。想定よりも良かったくらい。これならなんら問題ない。



稜線上は霧の中で眺望はゼロです。


さて、ここで問題発生。全山縦走の第1座目となるはずの将棋頭山頂をスルーしてしまったのです。有名な中央アルプスなので標識があるものと油断して地図出さずに歩いていたら、30分ばかり行き過ぎてしまった。



しょうがないので、全山縦走に欲のない疲れ気味の仲間1名を先に頂上木曽小屋に送り出し、仲間1名と荷物を残置して、将棋頭山頂をとって返しました。で1座目登頂。この往復で50分のロス。まあ疲れている仲間を小屋で休憩させることができたと思えば良しとしよう。



このミス、普通に気をつけていれば見逃さないんだろうけど、西伊那駒山荘から木曽駒ヶ岳に向かう道中に上画像のような標識は確かにあった。でも、木曽駒ヶ岳側から来ないと目に入らない。わたしらは標識どころか分岐があったことすら気付かなかった。ガスもあるのかもしらんが、同じ方角から向かう人は注意で。



将棋頭山頂の往復で50分ロスしましたが、そのおかげで、この日唯一の青空を臨むことができました。この景色を見るためにミスしたと思えば安いもんか?天気は北側から好天しているようですが、わたしたちは悪い南へ向かうので、好天の影響は得られません。この先青空を拝むことはなく、また風雨の中に突入していきました。



木曽駒ヶ岳には12時20分登頂。



そして仲間の待つ頂上木曽小屋へ。仲間は30分くらいしか待たなかったというので、やはり相当遅くしか歩いけていないようだ。でも休憩中にラーメンを食べたら体調良くなったとのこと。シャリバテだったのかもしれないと自己分析していました。ここから巻き返せればなんとかなる。



中岳を経由して、水を購入しに宝剣山荘へ(この時期山頂付近に水場はなく、買えるのもここだけです)。ここでまた水を5Lの状態にしておきました。ここで水を買う前提で登るなら、下のぶどうの泉では2L背負えば十分でしょう。わたしらはここで明日の分の水まで担ぐと決めていたので、皆それぞれ4~5L担いでもらいました。明日のゴールの小屋付近の水場まで水探しなし作戦です。





宝剣岳は素直に直登しました。鎖やらハンドルやらちゃんとあるので、雨でも危なくないです。


さて問題はペースです。兎に角、仲間のペースが上がらず、これでは予定の小屋に到着するのに20時を過ぎるとの試算があがってきました。まあでもそれは登りだした段階から想定できたこと。問題はない。単に着くまでヘッテンで歩いてもらうだけのことです。歩いてれば、日中だろうが夜だろうが必ず目的地には着きます。



がしかし、仲間の体力は底をつきかねていました。本来なら14時にいるはずの檜尾岳山頂に17時30分にようやく到着。将棋の50分のロスを差し引いても遅い。どうもこの雨と風、寒さにやられて、仲間2名ともに本来のポテンシャルを発揮できていないようです。色々びちょびちょでメンタルもかなり折れています。今日無理させれば明日結局回復せずに動けないなんてことになりかねません。そこで一思案・・・


ここは思い切って檜尾避難小屋泊にして、明日2時から歩き出して、夜20~21時くらいまで歩けばいい。この第2案に切り替えました。南アでわたしが白峰三山からの塩見越えを果たした作戦と同じです。



因みに、わたしは今回初スタイルの厳冬期用ゴム手袋とネオプレーン靴下&サンドルが、意図した通り機能し、寒さも濡れも無問題。今回の天気対策はわたしの勝ちとご満悦です。



檜尾岳避難小屋へは17時45分に入りました。立派な小屋で銀マットやら若干の就寝用装備すら備蓄してありました。



これだけの小屋を用意してくれているのなですから、ルールを守って裸地にも幕営しないで欲しいところです。


小屋に入って明日の行程を話していると、どうにも仲間達のモチベーションが上がらない。檜尾避難小屋泊にした時点で全山縦走を諦めている感さえあります。いやいや、そんなことないでしょう。明日18時間歩けば、明後日は6時間くらいしか歩かないでいいわけだし、余裕余裕と鼓舞します。


まあしかし、ここでわたしは、もう全山縦走は無理だなと腹を括りました。それなら問題は何処でエスケープするかです。できうる限り歩かせてからエスケープするのが夏合宿の本旨にも適うというものです。越百山までは行こう。そこからエスケープだ。場合によっては仲間も回復して、ここまで来たなら最後まで歩くと言い出すかもしれない。


取り敢えず、全山縦走はやるよ。明日は1時起き、2時出発で!と宣言して19時過ぎに就寝しました。(③につづく)