近況473.Las Vegas !(赤岩滝でアイスクライミングはできるのかできなのか) | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

228日~31日を利用して、予てより計画していた“赤岩滝厳冬期登攀&アイス”のために、奧日光に入ってきました。


前回下見に行った際は、竜頭の滝駐車場から小田代ヶ原を目指しましたが、リサーチすると、今季は赤沼茶屋の駐車場を利用して、多くのスノシューハイカーがトレースを着けていることが分かったので、赤沼茶屋起点としました。


赤沼茶屋駐車場→小田代ヶ原→弓張峠→西ノ湖入口バス停→柳沢川入渓点(少し登ったところに幕営)→赤岩滝というルート設定です。


初日である2月中になんとかクライミングの対象となっている490m525mの厳冬期登攀を成功させ、併せて滝の氷結具合を偵察。登れそうなら翌日にアイスクライミングをするというプランです。


はっきり言って行ってみないと分からない、賭けのような山行です。滝まで片道11.5㎞もあるのだから、今回は大博打もいいとこ。ラスベガスに勝負に行くような心持ちです。今回は登攀とアイス双方のギアの他、幕営装備も背負う行程となるので、なにからしらは持って帰らねばなりません!付き合ってくれたメンバーには感謝感謝であります。






てなわけで、初日快晴の小田代ヶ原をお楽しみください。




その後数時間かけてwon't you com with me? Ahaha~♪と林道をつめ、渡渉後に少し登った雪崩の心配のない場所にテントを張り、不要なギアをテントにデポして赤岩滝に挑みます。




そして今季二度目の厳冬期の赤岩滝がこれだ!




がーん、やはりもう氷瀑と呼べるようなそれではなくなっていた。。




前回の偵察の際(上画像)は、雪まみれだったもののアイスクライミングできそうだったが、今回はちょっと登れそうもない。左端を攻め続ければ登れそうだけれど、今日くらい快晴だと氷がゆるむ。登攀中偵察したら途中薄い箇所もあった。別の滝に転戦したほうが吉だろう。




となれば、この日の厳冬期登攀だけは成功させねばならない。狙いは490m525m13段は雪の下とはいえ、急斜面だから登るのも一苦労。上から塵雪崩も多少なり降ってきています。






結果から書くと490mの厳冬期登攀は成功です!




こんな感じで支点を取って、基本ドライツーリング的に登りました。立ち木で3つ支点を取ってからのスラブのフェイスにトラバースする時と、フェイスに移ってからのランナウト気味の登りが心的ストレスが多大で大変でした。


この山行の後日に、所属山岳会で東北クライマーズミーティングの報告を聞いてはじめて分かるのですが、やはり冬壁は支点が取れないことからのメンタル面こそ課題なのだそうです。支点さえ取れれば簡単なのに、支点が取れないだけでこうも怖いのかと。ランナウトの練習なんてできないし、やはりここは冬壁のキャリアを積み上げていくしかないようです。


この4段目の核心は最後の抜けるところです。ここは垂壁なので、手や足を正しく見つけられなければ登ることはできません。フォロワーの1人は夏でもエイドで抜けた場所です。そこをアイゼンで登るのだから大変なのは分かってもらえると思います。今回わたしはここはドライでは抜けられず、夏同様の手登りをしました。カンテを捉えてエイヤとやったら、足がやっぱりアイゼンなので利かず、カンテの逆面に体ごと振られて、一所懸命手を伸ばして掴んだ立ち木の細いことといったらなかった。。肝を冷やした瞬間です。


抜け口の雪もかなり積もっていて、せっせと壊してからしか抜けることができませんでした。夏のピッチをきる支点が掘っていった先の足もとにやっとでてくるという案配です。そこは位置的に使えないのでもっと上に抜けてからピッチをきりました。


今回のルートではナチュプロはカムを1つ使いました。長いのでここで区切ります。次回は5段目25mの登攀について書きます。(つづく)