近況458.アイス三昧♪ ~足尾渓谷松木沢・黒沢アイスクライミング~ | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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といっても食べるアイスではありません。先週の三連休の中日を利用して入山してきたアイスクライミングの話しです。



今回は、お馴染みの足尾渓谷松木沢にある黒沢に入ってきました。今年は積雪量が例年に比して多いので、滝の氷結具合もいいですね。1月初旬にして、松木のアイスは登れるところが多くなっています。


黒沢は、わたしも何度も入っているルートですが、今回は後輩2名との入山。つまりはわたしのリーダー山行。リードも全部わたしという状況です。だけど、このこくらいでもう緊張しませんね。最近は、アイスの本を読んで目下勉強しているので、考えていることを実践してみたいという欲求のほうが高いです。


今回の狙いは、当2名を連れて行く予定の赤岳主稜の準備山行として、①黒沢を氷瀑目当てではなく、時間の許す限り上部につめてみる、②一度結んだザイルは解かずにつめる(コンテもどきのザイル収納の練習)、といった2点です。



てな感じで、ここは早速F1です。20m60度程度と易しいですが、少しソロで登ってみたところ、確保なしは危険と判断。ザイルを出すことにしました。ところどころ氷が薄いところもありますが、総じて難しくはありません。



黒沢のF1は氷結が甘いことが多いので、巻いてしまう人が多いです。わたしも登ったのは今回が初めてでした。



F1を越えザイルをコンテ収納して雪面を少し登ると、30mF2(Ⅳ-)が現れます。出だしから中間までが70度から75度くらいです。ここからが本格的なアイスクライミングといった感じでしょうか。F1を巻いた知り合いのパーティーが取り付いていたので、小休止して、空いてから登りました。


わたしのアイスのシステムは、左右リーシュレスで、フィフィを使用しないというものでしたが、色々本を読んでいくうちに、フィフィを自由自在に使えるようにしておこうと思い立ち、今回のアイスではフィフィを投入してみるという側面もありました。


で、早速フィフィを使ってみたわけですが、やはり最初はアックスを完全に信頼することができず、手ぶらぐらいがいいところでしたが、何度か試しているうちに信用できるようになり、両手両足ブラもできるようになりました。フィフィいいですね。これさえあれば、休み休みならそれなりのルートでも抜けることが可能になります。


基本フリーで登ったほうがいいんだろうけど、わたしはアルパインは大きなザックに荷物詰め込んで登っていることが多いんで、別にフリーじゃなくてもいいかなあ。楽して登る気がないから、ザック背負っててもまったく気にならない。


ともあれ、この黒沢くらいはフィフィ使わずに上まで抜けたいものである。ま、こういうのもコツコツとでいいや。





F2を登りったらメインのF3(Ⅳ)40m70度程度が現れます。ここは幅も20mくらいあり、初心者がトップロープを張って練習するにはもってこいです。うちの会の山行でもよく使う滝で、スクリュー8本完売、上部の2段の間で一度きりました。



F3を抜けた先は初めて入るエリア。ザイルをコンテ収納して氷床と雪のルンゼをつめると、大きなF4が姿が見えてきます。


F4はガイド本等には225mとあるのですが、ここが一番長く見えました。現実的にもスクリュー8本完売しました。40mはないにしても30m以上は間違いなくありました。



で、この先のF5を遠くに視認したところで時間切れ(1515分)、下山の準備に入りました。



F2,3,4は残地支点で懸垂下降、F1は右岸を巻いて帰りました。



素直に下りてこられましたが、駐車場に着いたのは19時前。630分行動開始だから、12時間以上行動になりました。全リード、スクリューも30本以上打てたし、自分なりに考えたフィフィのシステムも上手く機能したし、充実の1日でした。


最大の収穫は、ここでスクリューを打ちたいなと思ったところ(つまりは等間隔で)、確実にスクリューを打ちながら登れた点。黒沢にはこれからもお世話になろうと思います。(おわり)