山行報告【奧穂高岳・涸沢岳西尾根(冬合宿・北ア厳冬期アルパイン入門)】1日目 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

1. 行動経過

前日19:00宇都宮発(新穂高温泉で車中泊)

初日(2015年1月1日

15:45新穂高温泉出発~10:00白出沢出会~15:00 2000~2100付近幕営


2. 山行記録

今年は絶対に奧穂を取るぞと意気込んで計画していた冬合宿も、冬型天気図には勝てず、早々とこれは山頂は無理そうだと諦めモード。がしかし、山は入ってみないと分からない。なにもできないと分かっていても天気と相談しながら現場でできることをやる。それが山家というものじゃないだろうか。山頂を取るというのは山を楽しむこととはまた別問題なのだ。こういう天気図の時に山がどうなっているのかを知るのもまた勉強になるのである。


てなわけで、予定通り冬合宿で31日に新穂高温泉に入り翌朝出発。例年より雪が多いので駐車場からスノーシュー装備で取り付きを目指します。取り付きまでの林道歩きも、上を見れば樹林帯とはいえ、雪崩そうな斜面がいくつもありました。今年の大雪は例年より怖い雪崩警戒です。



さて、合宿がスタートして間もないのですが、小屋を超えた先で早速トラブルです。


なんと、雪山登山は経験薄の新人さんが体調不良(風邪かインフル)を訴えったのです。登れないという自己申告がなされ、下山をさせざるを得ないことが決定的となりました。その新人さんの同級生であり、わたしの山岳会の先輩でもある方が付き添って下りるということになったのですが、ここでリーダーとして判断に迫られます。


2名のみを下山させわたしを含めた2名はそのまま登る。または4名全員で下山する。ここは悩みどころだったのですが、最終的には、下山といってもまだ林道歩きしかしていないこと(3時間程度)、下山する2名が昔馴染みの仲良しでかって知っていること、体調不良を訴えている新人さんは雪山登山は経験薄ながら、山スキーはプロ級で、雪崩については十分な知識を有していること、などなどから、2名のみを下山させる判断としました。



そうと決まれば、荷物の梱包のやり直しです。幕営装備をすべて預かり、食糧も半分は置いていくために分けました。2名を来た道へ送り出して、わたしたちも先を急ぐことにします。



取り付きまでの林道歩きは、狙った通りトレースがばっちりで、かなり時間短縮することができましたが、パッキングのやりなおし及び下山判断をしている時間で相殺され、取り付き以降はトレースが雪で埋もれ、結局は踏み抜きとの戦い、今年は大雪との対決です。


せっせと登りましたが、想定していたトレースバッチリラックラクとは行かず、どうにも大変です。こんなはずではなかったのに。。


途中で下山してきた一隊と話したのですが、その隊はラッセルが大変なので2200mで引き返してきたそうです。この隊のトレースがあっても良さそうなのにはっきりと存在しなかったのは、昨夜一晩でそれなりに降ったということでしょう。しかし、その隊と交差した先は、隊が下山でつけたトレースがありますので、スピードアップすることができました。



結局、この日到着する気だった2400mには到底届かないと判断し、15時の時点で一昨年幕営した場所にいたので、そこで張ってしまうことにしました。昨年は日が暮れるギリギリまで登って、幕営地を探すのに苦労した教訓をいかして無理しないとの判断でした。


夜は伊達巻き等お節関係の食材も食べつつ就寝。寝ている間は結構風が吹きました。翌日の天気予報も北アは暴風雪とのこと。天候と相談しながらの登山になりそうです。(つづく)