近況408.②奧久慈トレイルレース50K | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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(①のつづき)


トレイルランの登りはゆるくない限り、まず歩きです。トレランといっても、何処でも走るわけではありません。すべて走るのは一部の一流ランナーのみ。本レースは前半から急な登りが続きますから、多くのランナーは基本歩くことから始まります。


だから抜きたいのは山々でも、そこは行儀良く整列して歩くというのが王道でしょう。ともあれ、チャンスがあれば抜く。この姿勢を忘れてはなりません。渋滞といっても、何処まで続く渋滞かは分からないのですから。渋滞には必ず渋滞理由になっているランナーがいます。そのランナーの前は誰も走ってないなんてことさえあるのです。


そこで、チャンスを見つけては1人また1人と抜いていき、渋滞理由のランナーを目視したら、そのランナーを抜きにかかる、そのランナーを抜いたら、また次の渋滞のしっぽに取り付く。その繰り返しをやるしかありません。歩いていても周りよりは常に早く歩きたいという意識を持っていることこそ重要だと思います。


こういう意識が後半に生きてきます。完走率50%と言われているような本レースで、後ろから数えたほうが早い位置にいては絶対にいけないのです!てな訳で、渋滞1時間も経過してないにもかからず仲間に追いつくことに成功。


しかし、そこで甘んじてはいけません。そこもまだ完走できるレベルのランナーのいる場所ではないからです。仲間と併走できたのは5分か10分。追いついたペースを維持して、そのまま仲間のことは意識せずN前を削って進みました。


そして第一関門(4時間制限)に2時間40分前後で到着(約11㎞)。試走していないので、ここをどのくらいで抜けていれば正解なのかは不明。兎に角完走するためには、どの関門も制限時間の1時間前には抜けていないといけないのは必定で、さらに言うなら、たぶんここは2時間残しで通過しておかないといけない。




この日はかんかん照りな上蒸し蒸し。ハイドレーションにはパンパン(2L)に水が入れてあったものの、早くも半分近く消費していたため補給。そこに仲間がやってきた。頑張れよと声をかけて、わたしは先を急いだ。


第一から第二関門までは約15㎞ある。第一関門まででかなり登り下りさせされているので、既にばてているようだと、第二関門突破は辛いだろう。




わたしは前半の急激な下りに耐えたあとの一山を越えて、その後のフラット気味のところをちゃんと走ることさえできれば、第二関門も突破できると踏んでいました。


で、結果は間に合ったわけですが、第二関門(制限時間7時間30分)に、7時間10分で到着(約26㎞)。制限時間ギリギリ。別にどこも痛くないし、疲れてもいない。どうやら単純に制限時間が厳しいスピードがかなり要求されているレースのようだ。残り31㎞で制限時間ギリギリとなると、経験則上不可能だが、取り敢えず、奥久慈のメインパートは第二から第三のアマゾン区間だ。ここを楽しまないでリタイアなどという選択肢はない。わたしはたいして休まずに第二関門を後にした。仲間とは第二関門では会えなかった。検討を祈る。






しかし、奥久慈トレイルレースはやはり素晴らしい大会であった。第二関門は竜神大吊橋の駐車場だったのだが、なんと竜神大吊橋そのものを走ることができたのである。本州一の長さを誇る吊り橋を、観光客をぬいながら走ることができるのはなんとも言えない快感です。大会開催地の二大観光スポット、袋田の滝と竜神大吊橋の双方を走っているだけで観光できるなんて、なんて太っ腹なコース設定なんだろう。


トレラン大会には色々出てきたが、こんな嬉しいコース設定には出会ったことがないな。本当に感激しました。楽しかったしね。(つづく)