ウルトラマラソン（ここでは城内坂に限らない）に出場するメリットとはなんだろうかと、走り終えた今考える。基本的に身体に悪いだけだから、上を目指してでもないかぎり100㎞走る意味はない。今年わたしがもう一度城内坂に出ようと考えているのは、たんに台風へのリベンジという意味でしかなく、ウルトラ完走にメリットを見いだしているわけではない。しかし、少なからずメリットはあったように思う。それが下記である。
①100㎞走れるんだぜ俺という、スタミナや足腰の丈夫さに対する自信がつく
②42.195㎞が短く感じるようになり、フルに対してなんらのストレスがなくなる。
①は言わずもがなだから後に回して、②の話しを書く。わたしは城内坂で100㎞完走を目指して走った結果、90㎞しか走れなかったとはいえ、42.195㎞がすごく短く感じるようになった。真剣に完走を目指して計画を立てたので、50㎞で半分という意識が根付いてしまったのだ。つまりそれ以降フルマラソンに出場する時、あの半分でしかないと思えるようになった。ウルトラマラソンの前半50㎞はある意味ではウォーミングアップである。50㎞を如何に卒なくこなして、後半の50㎞につなげるかが重要なのだ。つまり前半50㎞にストレスを感じているようではお話にならない。
だから裸足で出場した富士山マラソンも、この前走ってきた勝田も、わたしとしてはなんか昔のハーフに出場するような感覚で当日を迎えることができてしまった。42.195㎞走ることに抵抗がなくなったのだ。42.195㎞って別に長くなくね？と思えるようになったのである。90㎞を14時間以上かけて走った城内坂を思えば、サブ４つまりは4時間の連続運動が何するものぞと、強気な自分がいるわけです。ウルトラ経験の有無で決定的に違うこのメンタル、このアドバンテージはあまりにも大きいと言わざるを得ないだろう。
そして、①の自信がつくという話し。これは逆説的な話しになって恐縮だが、ウルトラマラソンを完走するためには（わたしは完走してないけどね）、相応の足腰の丈夫さやスタミナがないとダメだと思う。つまり、ウルトラを完走できるということはそれだけそっち方面の練習をしたということになる。わたしは城内坂でさして辛い思いをしなかった。これはわたし自身が驚くほどの結果なのだけど、そういう結果が生まれる必然、つまり練習をわたしがしていたということでもあるわけだ。それこそがNESチャンピオンシップ入賞の中にも書いた週１の峠走である。
わたしはここまでの成長を予測して峠走をしていたわけではない。NESチャンピオンシップ入賞だけを目的に峠走していたのだ。しかし、峠走は尻筋＆着地筋のほかにも、わたしに心肺能力の向上をももたらしていたようだ。はっきりいって今のわたしはバテない。NES各大会でもそうだったし、城内坂でもそうだった。長時間の連続運動に別人のように強くなってしまったのである。峠走という選択肢を皆考えてみる必要がある気がする。絶対無駄にはならないから。
まっそんなわけで、①100㎞走れるんだぜ俺という、スタミナや足腰の丈夫さに対する自信がつくわけである。まあ完走できる域に達していなかったら跳ね返されるわけだけど、自分のスタミナレベルを確かめてみたいと思うなら試してみる価値はある。
まあしかしやはり簡単なことではない。計り知れないデメリットがあることを覚悟しておく必要があるだろう。それは怪我である。わたしもじつは城内坂のあとに膝をやってしまった口なのだ。城内坂でほぼ無傷だったわたしは、おれって凄いと過信してしまい、対した休養も入れずに、翌週末に北陸にトレラン修行旅行に行ってしまったのである。そこで初日荒島岳トレランやって、2日目に白山トレランをやったら、膝逝ってしまいました。素直に2週間くらい休養取っていればなんら問題のなかったウルトラですが、無自覚の疲労に対するケアを疎かにしたことで、2ヶ月近くまともに靴履いて走れなくなったのでした。故障は人によってはウルトラマラソンで走っている最中に起こる可能性もあるのだから、しっかりとした準備をして挑み、出場中違和感を感じたらリタイアするという意識を強くもつべきでしょう。
矛盾するようですけど、わたしはウルトラ後の膝の故障のおかげで、裸足でトレランやフルマラソンに出場する機会を得られたので、故障してかえって良かったとさえ思っているのですが、普通の人にはそう上手い流れが用意されているわけではないでしょうから、出場するか否かは慎重に決めて欲しいと思います。ラン人生を縮めかねないのだから。
兎にも角にも、当たり前のことばかりを書いてしまいましたね。だから言ったでしょう？ウルトラマラソン走ってきたからって伝えることがないとね。画像はですね、城内坂ウルトラマラソンに出場するともらえる益子焼きの大皿です。益子の里だけに立派な参加賞ですよね。10回出場するとさらにスペシャルな益子焼きが贈呈されるそうですが、わたしはそこを目指しませんよ。本当です、ええ、本当ですとも。
かなり怖いことも書いてきましたが、城内坂ウルトラマラソンは、50㎞から100㎞まで10㎞刻みでエントリーすることができる大会です。だから自分には50㎞が限界だと思えば、50㎞で申し込めばいいのです。60㎞でも70㎞でも構わない。多くの人が徐々にエントリーする距離を伸ばしているみたいですよ。去年は70㎞完走したから今年は80㎞だ！みたいにね。わたしのように42㎞しか走ったことないのに、いきなり100㎞に出場するほうが珍しいようです。
多くの方が出場してくれると、大会も盛り上がりますので、ひとつ城内坂ウルトラマラソン、宜しくお願い致します。（おわり）