『福寿庵』(湯沢町)- 新そば漫遊記11。 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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今回は、かぐらスキー場の帰りに立ち寄ってきたお蕎麦屋さんを御紹介します。だいたい体を酷使した後には蕎麦は敬遠されがちですが(がっつけないため)、新潟は魚沼には“へぎそば”という有名な蕎麦ブランドがあり、今回はわたしが押さなくても自然と“へぎそば”を食べに行こうという流れになってくれました。嬉しいかぎり。


さて、“へぎそば”とはなんぞや?という方もいると思いますので、“へぎそば”の元祖である小嶋屋総本店の公式HPからその説明文を引用したいと思います。

=以下引用====

 へぎそばといえば近年では関東でも知られた名前になりましたが、ではこの「へぎ」とは一体なんでしょう?

 この「へぎ」、実は「剥ぐ=はぐ=へぐ」のなまりで、木を剥いだ板を折敷にしたもののことであり、ざるそばやせいろ同様、「へぎ」という器に盛られたそばのことを言います。

 また持論ではありますが、私どもではへぎに一口ずつ美しく盛ったそばを、“手振り"“手びれ"と呼んでおり、これも織物をする時の糸を撚り紡いだ(よりつむいだ)“かせぐり”などからきた手ぐりの動作を言ったもので、全国的にも珍しい織りの目に模した並べ方も織り文化の美的感覚・感性から生まれたものと推察できます。

 さらに付け加えれば、この手ぐりはフノリをつなぎに使った滑らかなそばでなければ、美しく盛り付けることが出来ません。手ぐりにしろフノリつなぎにしろ、「へぎそば」は長きに渡る織物文化とそばの食文化が融合して生まれた賜物なのです。

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というわけです。わたしたちは上記説明文にある狭義の“へぎそば”は注文しなかったので、画像がありませんからネット上から拝借。



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こんな具合の蕎麦を“へぎそば”といいます。3~5人前くらい入っているものを複数人で頂く仕組みとなっております。わたしらはざるそば天重セットを注文したので、下記のように見た目はただのざるそばですが、



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これも広義の意味では“へぎそば”と言って構わないそうです。ようはつなぎに布海苔を使っているかどうかが“へぎそば”の味の決め手なので、そこさえ押さえてあれば“へぎそば”の味を楽しむことはできます。文化の融合は堪能できませんけどね!


さて、布海苔が使ってある蕎麦とはどんなものかと言いますと、一見して表面がツルツルで、2mm4mmくらいの平打ち麺のように切ってあるのが特徴でしょうか。つなぎの布海苔の香りも蕎麦と混じって若干すると良い布海苔蕎麦と言えるかもしれませんが、冷たいそばで布海苔が香らせるのはなかなか難しい作業で、夜食べて布海苔が香った蕎麦というのにはまだ出くわしたことがありません。早朝にうった蕎麦の香りはなかなか夜までは保ってくれないものです。


ここのも基本的な布海苔蕎麦と同様、つるつると口内に入り、噛み応えもしっかりとしているので、食感重視の蕎麦派は好んでいただくことができると思いますが、そもそも布海苔は蕎麦を補強するものである以上、蕎麦本来の香りや味を邪魔しているという必然の上にあるわけで、そういう意味では、これを蕎麦として美味しかったということはちょっと言えない。変わった蕎麦食べられて嬉しかったとなら言える。


がしかし“へぎそば”は実は栃木でも案外食べられている蕎麦であるということを皆知らないのです。だから本当はこの手の蕎麦はわたしは変わっているという風には思わない。わたしは“へぎそば”を頂いて、嗚呼これは栃木でもわりとある蕎麦だなと感じた。つまり布海苔をつなぎに使うのは、小嶋屋さんも言っているように関東ではもはやそんなに珍しいことではないのである。だから、どうせ食べるんなら本物が食べたい。チャンスがあったら上で引用させて頂いた“へぎそば”の元祖小嶋屋総本店に出向いてみたいものだななあとか。


因みに、このお店は天ぷらも人気だそうで、特に舞茸の天ぷらが人気だとか。偶然にも天重セットを頼んでいたので、食せていたから嬉しかったり。兎にも角にもご馳走様でした♪ 次回はちゃんと“へぎ”で頂いて、文化共々味わいたいと思います。(おわり)


湯沢町】福寿庵天そば重 ☆☆☆


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