11月末、河口湖日刊スポーツマラソン改め第1回富士山マラソンに出場してきました。河口湖には毎年参加しているのですが、2年前より弟とその同僚一行に同行する形をとっているので、今年もその形式の参加です。弟もその同僚の多くもサブ4を成してないので、今回こそはと皆士気は高い。わたしもそれに便乗させてもらうことにしました。
わたしは我流で走っているので、ランナーとしてのレベルは低いのですが、裸足だなんだと変なことをやっているので、結構意見を求められたり聞かれるようにになってきました。その最もたるものが「たまさん、今回は裸足で走りませんよね?」である。
そう、これをどうするか、わたしはギリギリまで悩んでいた。裸足は目的ではなく手段であったから、既に膝が回復したいま、裸足で走る理由はどこにもなかった。でもわたしの中に裸足でフルマラソンを走ってみたいという欲求も昔から確かにあって、いつかはやってやろうと思っていたのも事実。それを今回やってしまうのがいいかもしれない。しかし。はてさてどうしたものか。わたしの最終目標は1月の勝田全国マラソン(フル)である。富士山マラソンは本番ではない。第1回富士山マラソンは記念に走れるだけで良かったのだ。高いエントリー料払って回避することだけは避けたかったが、こうして膝が治った以上、自由に走れる。さあ決断のときだ。
よーし、おら裸足で走ることにする!(どーん)
但し、勝田全国マラソンに向けて怪我するのだけは避けたい。治療のための裸足だったのに、治療後に怪我をしてしまっては元の木阿弥だ。今回はすっぴんでなくテーピングを一貼りすることにした。その点ご了承のほどを。
つうわけで走って参りました富士山マラソン。色々と問題の多い大会だったようでネットでは騒ぎになっていましたね。2万3000のエントリー数があって、5000人が走ることができなかった。早朝3時半ごろより高速道路上から大渋滞が起き、号砲が鳴った頃にはスタート地点どころか駐車場にも辿り着けていなかった選手が続出。この日のために散々辛い練習をしてきた選手が、運営サイドのミスで出場できなかったのは限りなく残念なことです。河口湖という奥地に2万人以上の選手を呼び込み、それに伴う応援団をも裁こうとするなら、それ相応の企画力と判断が求められるわけで、それを駐車場の指定を事前にせず、臨時の交通網も用意しないでは、上手くいかないのも当たり前であろう。猛省してほしい。
わたしたちは前泊で、しかも会場が目と鼻の先という民宿にお世話になったので、いつも通りに問題なく走ってこれたのですが、例年の混雑を意識して、早めに会場に入ったときの閑散とした会場の様子に驚かされましたね。「なんだか今年は寂しいね。トイレが並ばずに使えるのは嬉しいかぎりだけど」なんて話していた裏に、こんな事情があったとはそのときは知るよしもありませんでした。
富士山マラソンは、富士山を世界遺産にするべく歴史ある河口湖マラソンをリニューアルしたものです。しかし、こんな運営ではお粗末としかいいようがなく、来年も継続するなら、相当の改善が必要でしょう。今回の評判の悪さと難コースに変わったことを受けて、来年は心してかからないと築き上げてきたブランドも地に落ちるかもしれませんよ。挽回して欲しいところです。
さてさて、そんな話しは置いておいて、わたしは裸足で走り出しました。膝は治っているので、当初の計画ではサブ4ペースの同行者一行に付いていきつつ、どのみち走れない路面が出てくるであろうから、徐々に引き離されていき、結果5時間くらいでゴールできたらいいな~的な考えをしていました。しかし、そうは問屋が卸さなかった!
~5㎞区間 32分04秒 ㎞6分24秒ペース
河口湖はスタート少ししてから簡単な登り坂があるのだけど、そこのアスファルトが新しくて早速フリクションのきつめのものでした。そこで早々と同行者のスピードについていけず、一行から遅れ一人旅の始まり始まり~
~10㎞区間 36分43秒(1時間8分)㎞7分20秒ペース
河口湖周辺に入るとランナーの皆さんから裸足について声をかけられて、いちいち楽しく会話しているとあまり速いペースでは走れません。いままでの裸足ランより本大会の話しかけられ率は比較にならないほど高かった。景色を楽しみながらのんびり走ることを目的にしているランナーがかなりいるということでしょうか。結果、わたしも今日は気楽に走ろうという心境に変化が起きました。
~15㎞区間 34分21秒(1時間43分)㎞6分52秒ペース
~20㎞区間 38分34秒(2時間21分)㎞7分42秒ペース
今年はわたしが参加した中でもぐんを抜いて紅葉が綺麗な大会でした。ランナーの皆さんも立ち止まって記念撮影などに興じている人が多数いました。わたしものんびり走っていたので、こんなことならカメラなり携帯なりを持参すれば良かったと後悔しきりです。
~25㎞区間 44分36秒(3時間06分)㎞8分55秒ペース
河口湖マラソンと富士山マラソンの違いは、前は河口湖を2周する大会だったのに対し、富士山は河口湖だけでなくその隣の西湖も回る点にあります。
その河口湖と西湖の標高差が図の通りとんでもないことになっているのです。いままではフラットでタイムの出しやすい大会と評されていましたが、今年からはこの心臓やぶりの坂の上り下りを要求されることになります。わたしは峠走をやっているのでその傾斜はさほど辛いものではないなと感じましたが、峠を走ることに馴れていないランナーにはかなり厳しかったと思います。
~30㎞区間 53分17秒(3時間59分)㎞10分39秒ペース
わたしの問題は、西湖側のコースのアスファルトの酷さにありました。シューズを履いているランナーにとっては、河口湖も西湖もただのアスファルト道でしかないでしょうが、裸足だとこれが劇的に違うのです。西湖のアスファルトのフリクションの厳しさたるや、普通に走ったら最後肉を持っていかれるそれです。西湖周辺はまったく走れないような状態になりました。肉を持っていかれない程度のスピードで慎重に前へ進みます。途中、西湖いやしの里根場という茅葺きの集落の間を抜けるような箇所まであり(完全な田舎道)、裸足にはまったく向かない区間です。観光するには最高なんですけどね。
~35㎞区間 49分34秒(4時間49分)㎞9分54秒ペース
結局、心臓破りの坂の下りも車の滑り防止のヤスリ路面で走れず、西湖周辺10㎞に100分もかけるはめとなりました。もうこの頃になるともしかしたら完走できないのではないかという考えまで頭によぎりだし、制限時間6時間30分から現状を逆算を始める始末、、、、
~40㎞区間 48分38秒(5時間39分)㎞9分43秒ペース
でももうそんなこと気にしていてもしようがないと考え(何故なら自分がどう頑張るかではなく、どのみち路面次第だから)、エイドでうどんをすすったりしてのんびり楽しみました。吉田の名物といったらうどんですからね!もう完全に観光ランです(笑)。しかし、河口湖に戻ってからはまた路面が普通レベルになったので、わりと走れるようになり、それならやっぱり6時間はきりたいと考えるようになって、
~ゴール 14分22秒(5時間52分)㎞8分20秒ペース
なんとかサブ6は達成したのでした。まさかこんなに時間をかけて走るはめになるとは思ってもみなかった。
あまりにのんびり走ったので、裸足でもダメージ0の楽ちんマラソンとなってしまいました。ゴール後の記念撮影でもこの笑顔。治療のためとはいえ、11月は裸足月間の様相となったので、
11月3日 那須塩原ハーフマラソン(21.0975㎞)裸足出場
11月11日 陣馬山トレイルレース(23.54㎞)裸足出場
11月18日 宇都宮マラソン(10㎞)裸足出場
11月25日 富士山マラソン(42.195㎞)裸足出場
これだけ走ってしまうと、もう裸足で走る“だけ”というなら馴れたものとなり、裸足だからどうということはなくなってしまいました。これからは裸足でどれだけ速く走れるかという段階に入っていかなければならないのかもしれません。でも裸足は手段だから、もう必要に迫られなければやりませんけどね(笑)。
今回はテーピングを一貼りして走ったので、アスファルト路面との摩擦がどれだけあるのか上記の写真から分かってもらえると思います。圧のあるところはテーピングが擦れてなくなってしまっていますね。こういう摩擦の中走るのですあkら、速く走るためには大会を選択する必要があるなと考えています。わたしが裸足で走ってタイムを出せたのは、宇都宮や前橋といった市街を走ることができるマラソン大会でした。市街地のアスファルトはツルツルであることが多いので、とても走りやすいです。一緒くたに裸足で走るといっても、大会によっては向き不向きがあるようです。
兎にも角にも裸足でフルマラソン走っても膝はなんともありませんでした。やはり裸足治療法は成功だったのです♪(めでたいことだわ)そして単に膝が治ったというだけでなく、ランナーズニーを発症した頃より段違いに着地筋がパワーアップしているというこの事実!この事実は間違いなく見逃せませんよ!この状態を有効利用しない手はありません。そこで、わたしはこの状態を未来へ活かす作戦を思いついたのです!(つづく)