5p. 山行報告(南アルプス全山縦走達成記録)3日目 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

1.スケジュール

仙水小屋(テン場)水場 4:00

0:40 4:40

仙水峠

1:30 6:10

駒津峰 ザックはデポします

1:30 7:40

甲斐駒ヶ岳 8:00

1:00 9:00

駒津峰 ザック回収します

1:50 10:50

長衛荘

2:00 12:50

藪沢・小仙丈ヶ岳分岐

1:00 13:50

小仙丈ヶ岳

1:00 14:50

仙丈ヶ岳 15:00

0:15 15:15

仙丈小屋(小屋泊)約8km トータル27km 計11時間15

(但し上記タイムは地図表記。個人的には15時までには到着予定)


2.道中報告及び感想



たまのブログ


朝干していたスパッツ探したりしていたら、出発が50分遅れてしまった。この日は出発時は雨は降っておらず、雲が多いだけだったので、仙水峠からの朝焼けなども雰囲気があって悪くなかった。



たまのブログ


しかし、風はものすごく強く、甲斐駒は雲をまとい魔の山の様相を呈していた。それは甲斐駒の山頂に近づけば近づくほど顕著に表れた。中には山頂を断念して引き返す登山者が出るほどの風が吹いていた。ザックカバーをつけていないわたしは(山岳会の方針でザックカバーはつけない)、強風にはさほど影響を受けないため、素直にそのまま登ることを選択できたが。


甲斐駒には直登ルートと摩利支天のほうへ向かう巻き道がある。わたしは迷わず直登ルートを選んだが、この直登ルートがわりと骨の折れるもので、60Lザックを背負っては通れないような狭さだったり段差だったりと悪戦苦闘する箇所がちらほらあった。帰りはどう考えてもこの段差は60Lザックと一緒には下りられないよなとか考えながら登った。予定では駒津峰でザックをデポする予定であったが、その時点で風が強いし、雨も降り出していたから、ザックをデポするのは止めていた。



たまのブログ


甲斐駒を登頂した後は一応直登ルートで下山を始めるも、ある程度行くとルートの印を見失う(ガスが出ていたせいで)。戻るのも面倒なので、南に下れば必ず巻き道に出ることが分かっていたので、巻き道に出てしまうことにした。クライミングをかじるとある程度のルートは何処も行けるルートになってしまうのだなと感じつつ、巻き道に躍り出て、そのまま駒津峰へ。


駒津峰からは双子山を抜けるルートで長衛荘に出る予定であったが、あまりの風の強さに稜線を歩くのは危険と判断してルート変更を決意。仙水峠から仙水小屋を抜けて長衛荘に出るルートに考えを改めた。この判断には強風の稜線危険のほかに、一度歩いたルートは走ることができるという時簡短縮の狙いもあった。


狙いは当たり、駒津峰の時点で1時間くらいは予定が遅れていたものの、駒津峰から長衛荘への下りは駆け抜けることができたので、時間を大幅に短縮することができた。


但し、長期縦走初の走りはそれ相応においらを消耗させ(雨の中の走りであったし、ザック重量もまだ18㎏程度はあっただろう)、この後の仙丈ヶ岳への登りはわたしを大層疲れさせた。登りで疲れたという意味でなら、ここが一番きつかったかもしれない(主観的な意味で)。



たまのブログ


予定では小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳までこの日の内に登頂して、それから仙丈小屋へ行く予定だったが、時間も押していたし、上記のとおり疲れていたため、小仙丈ヶ岳登頂後は、仙丈ヶ岳を諦めて、小屋へ向かうことにした。到着は1515分。予定より15分の遅れだが、出発が50分遅れたことを鑑みれば、よく頑張ったほうである。


3.小屋情報

仙丈小屋はテン場がないので、計画段階から食事付きの小屋泊としていた。夕飯はハンバーグやシュウマイ、煮付けをおかずに食べる定食で、まあ想定していた通りの小屋の夕飯といった感じであった。朝は弁当にしてもらったが、塩辛いおにぎりが2つと漬け物というそれであった。水場は例年通り枯れており、小屋が用意してくれている水を自由に小屋内で提供を受けられる状態にしてありました。


4.その他

2日連続の雨で靴下がずぶ濡れとなり、早くも翌日は予備の靴下を使うことに決めた。わたしは、ある程度の区間を走ったことで体力的にも辛い状態にあり、また精神的なダメージも結構受けていたので、早くも南ア全山縦走を諦めかけていた。


そこで、小屋泊ということもあり、他のお客さんと話している中で、わたしは南ア全山縦走達成と言うには、農鳥岳と上河内岳を登る必要はないのではないかと力説していた。農鳥岳のピストンをなくせば、わたしの8泊9日のスケジュールは俄然楽になるからだ。しかし、小屋のお客さんたちから帰ってきた返事は、農鳥岳を登らなければ、南アを全山縦走したとは言えないというものばかりであった。南アの登山者たちは、全山縦走なんて凄いと言いながらも、そこは容赦なく突き放すのである。嗚呼、農鳥岳ピストンは外すことはできないのだな、やるしかないなと絶望の淵で床についた(農鳥は白峰三山のひとつだから当たり前と言えば当たり前なのだが)。


余談だが、この小屋にはTVがついており、今後の長期天気情報が入手できた。前線が南下してきて、明日以降の天気は荒れるとアナウンサーが伝えていた。ここの山小屋のご主人は、仙塩尾根で悪天のせいで危ない目にあったことがあるらしく、わたしの計画を知ってか止めはしなかったけれど、明日は危なかったらすぐに戻ってくるようにと忠告してくれた。


次回「山行報告(南アルプス全山縦走達成記録)4日目」に続く