近況101.マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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先月の末にとうとう行ってきました。「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」を生鑑賞できる「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」に。こういった一大イベントには開館前に並んでおくのが基本ながら、この日のおいらは野暮用で出遅れてしまい、東京都美術館に到着したのは11時頃。そしたらどうです?いるはいるは1時間30分待ちの長蛇の列!!(おーまいがっつ!)


まあしかし、それはそれ、これはこれ。おいらは待ちを苦にしない体質なのでへっちゃらなのだった(だってこういう時間がないと読書できないんだもの)。それに東京都美術館の待ち時間表示って嘘んこなんだよね。この日も1時間30分との表記も何処吹く風、40分かからず入場することが叶いました。


さて美術展の感想ですが、うーん、どうでしょ~~~。おいらの中ではベルリン国立美術館展の圧勝だったかな。こういうのって比べるものじゃないんだけど、昨日の今日だとどうしても比べてしまう。向こうのほうが圧倒的に傑作と呼べる作品が多かったように思うし、その種類や年代も豊富でとても楽しめた。


といっても、こちらが悪かったわけではけしてない。ブリューゲル作品群の構図には見るべきものが多かったし、フランダースの犬でネロが最期に見たがったルーベンスの「聖母被昇天」も有名な絵画だから言うわけでなく、確かに美しいソレであった。



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ましかし、この美術展の主役はやはり「真珠の耳飾りの少女」でしょう。昔日本にも来日してますが、その際の本作は、唇の白い点が修復時に塗りつぶされてしまっていたので、今回その唇の白い点が戻った状態である本作は完全版であり、初来日といっても過言ではないでしょう。だって見れば分かりますよ。あの唇の白い点の重要性が!!


今回良かったなあと思うのは、この美術史的に最重要な作品を思う存分時間を気にすることなく近くから見られたという点につきるでしょうか。昔フェルメールの「絵画芸術」か「牛乳を注ぐ女」を見に行ったときなんて、パンダを見ているのかと錯覚するほど作品との距離を離されて見させられて覚えがあります。あんなものは一種の詐欺でした。絵画を鑑賞するにはそのサイズ々に見合った適距離というのがあるはずで、それの何倍も後ろに柵をおいたのではそれは美術展として意義ってなんなの?ということになってしまうではないか。



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しかし、今回は違ったね。この最重要作品を間近で思う存分見られた。その理由はこうだ!そうなんです。もっとも近くから見たかったら並べなければならない。これの待ち時間は15分程度で、作品の前で止まることが禁止された流れ作業のような観賞を強いられてしまう。しかし、その流れ作業の通路はまさに1人分であり、ほとんど幅なんぞないと言っていい程度。そして、その通路の裏にはしっかり自由観賞スペースがあり、最前列まで辿り着ければ、そこからは並んだのと人一人分の差しかない近距離で作品を観賞することができるのである。こういった最前列を確保るのが得意なおいら、このシステムは最高だったね。一応並んでも2回見たけど圧倒的にこのスペースから見ていた時間のほうが有意義だった。


知人には本展を最悪の美術展だったと評する者もいる。早足で作品の前を通過させられただけで終わりなんてあり得ないと。チケットを会社からもらって来たから良かったけど、自腹だったら文句言ってやったわとかなんとか。完全に知性が欠如しているのである。1回で不満なら何度でも並べばいいし、ギリギリのラインで牛歩戦術でも駆使すれば良かったのではないか。なによりおいらのいたスペースは待っていれば必ず手に入るスペースだから、根気さえあれば、間近で思う存分見られたのである。


まあ「真珠の耳飾りの少女」が、そういった普段美術展に来ないような人々も呼び寄せてしまう知名度の作品だということでしょう。しかしそんな混雑の中でも絶対に生で観る価値があります。なにより生で見ると白のインパクトが凄いと断言します!!白のインパクトと表現させてしまう配色の妙なんだろうけども、どれだけ眺めていても答えを求めてしまうその豊かなあの目線、口元。こんなに肖像画と対峙したことはない。大満足!!