近況92.ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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先土曜日は、上野の国立西洋美術館で『ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年』を鑑賞してきました。上野にはいま、東京都美術館にフェルメールの「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」が来日しいてるのだけど、じつは来日しているフェルメール作品はそれだけじゃなくて、冒頭美術展にも「真珠の首飾りの少女」や「ディアナとニンフたち」が来日してたりします。しかも「真珠の首飾りの少女」は日本初来日! とはいえ、おいらの関心もやはり「真珠の耳飾りの少女」のほうにその多くが注がれており、これは鑑賞順を間違えると大損害を被ることになる。間違っても「真珠の耳飾りの少女」を見てから「真珠の首飾りの少女」を見てはならない。この計画のもと土曜に東京都美術館に先んじて国立西洋美術館に出向いたのであった。


「真珠の首飾りの少女」はフェルメールらしい絵画で良かったのですが、個人的にはその他多数のほうに惹かれましたね。今回はおいらの興味があまり向かない素描に見事なものが多く、ちょっと放っておけませんでした。あれらはたぶん傑作の類ですよ。部屋に飾りて~(え?)彫像も面白いし、鑑賞する機会の少ない大理石のレリーフの数々はなかなか興味深く見られました。


しかし白眉といったらレンブラントでしょう。「黄金の兜の男」と「ミネルヴァ」に打ちのめされるほどでした。ぼかあ数日後に書くであろう「真珠の耳飾りの少女」が鑑賞できる『マウリッツハイス美術館展』より本美術展のほうをオススメしますよ。というか「真珠の耳飾りの少女」は薦められなくても当たり前のように観て、でもって、こちらに足を運んで欲しい。


この美術展の味わいは他の美術展とちと違う。フェルメール作品が飾ってあってもそれが浮いてしまうくらい灰汁が強い世界観に満ちていた。それはなんであろうか。一昨日の今日ではなかなか言葉では書き表せないが、一種のドイツ的なものが満ちている気がしてならなかったのだ。そして絶望を知っているおいらが虜になるのは当然のことで、おいらは鑑賞中あのことばかりを想像してしまった。(おわり)